| 様々な観点から見て、テスラはアメリカに対して大きく貢献している企業だといえるだろう |
いろいろな意味でテスラは正しく理解されていない
さて、アメリカン大学のコゴッド・ビジネススクールが発表したデータによると、「もっともアメリカンなクルマ」はテスラ・モデル3なのだそう。
これは米国内で生産されたクルマのうち、どれだけ多くの部品がアメリカ(およびカナダ)製なのかを分析したもので、しかし注目すべき点として、”アメリカ自動車表示法”ではアメリカとカナダ製の部品を区別せず、同じ「国内製」として扱っていることには注意を要します。
それでもフォードやGMといった「アメリカのレガシーブランド」を抑えてトップとなったことは意外でもあり、つい先日、テスラが「テスラのみをEV補助金支給対象から除外し他には補助金を支給する」という意向を示したカリフォルニアに反発したことも頷けますね。
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「もっともアメリカン」なのはこんなクルマ
そして今回発表されたランキングを見てみると、1位はテスラ モデル3 パフォーマンスで、部品の87.5%が国内調達されています。2位はテスラ モデルY ロングレンジとベースモデルYが同率で85%。
続く3位には、82.5%の国内部品率を持つテスラ サイバートラックがランクイン、その後は80%の国内部品率でテスラ モデルSとモデルX、そしてフォード マスタングGTとGTプレミアムといった順です。
さらにホンダ パスポートAWDとトレイルスポート(76.5%)や、ジープのラングラー ルビコンとサハラ(76%)、意外なところでは、フォルクスワーゲン ID.4 AWD(75.5%)や、GM キャニオンAT4クルーキャブ、そしていくつかのシボレー コロラドモデルも同率で75.5%を記録しています。結果的にはトップ10のうち6つがテスラ、3つがフォード、ひとつがホンダといった並びである
ただしテスラの「国産」には注意点も
ただ、今回の調査はあくまでもそれぞれの自動車メーカーの「主張」に基づいたもので、しかしその主張が正しいとは限らず、たとえばテスラの場合、(調査を行ったフランク・デュボイス氏によると)モーターやバッテリーなど、中国製部品に依存している部分があり、2位のモデル3 ロングレンジは、モーターやバッテリーを除くと部品の40%が中国製であると指摘。
また、サイバートラックでも中国製部品の割合は20%で、シートやダッシュボード部品に中国製が使われていると指摘していますが、このあたりは「見解の相違」なのかもしれません(最終の仕上げ地がどこかによって生産地が変わってくる)。
さらに、デュボイス氏は、今後の貿易政策の不安定さが自動車業界に影響を及ぼす可能性を懸念しており、特にトランプ政権が再び関税政策を強化した場合、テスラを含むメーカーが多大な影響を受ける可能性があると述べ、「主要貿易パートナーとの安定した関係を望む自動車業界にとって、関税の脅威は大きな不安要素だ」とも。
テスラがアメリカ製のトップブランドであることは事実ですが、(実際にテスラの多くに中国製のパーツが使用されているとなると)その背後には国際的な部品調達や貿易関係の課題も潜んでいる、ということになりますね。
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