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| 連日その政策が変わってしまうトランプ政権への対応に自動車メーカー各社は「大わらわ」である |
過去、これほどまでに混乱を招いた政策はないであろう
さて、ドナルド・トランプ大統領政権下で揺れ動く世界の自動車業界ですが、今回は「テスラが、サイバーキャブ(ロボタクシー)とセミトラックの量産に必要な中国製部品の輸入計画を一時停止した」と報じられています。
これはもちろん「中国製のパーツにも関税が課される」からで、当初の予定であった34%の関税であれば(テスラは)これを吸収する予定であったものの、新しく決定された145%の関税が導入されることになれば、まず「(中国からの輸入は)採算があわない」という判断となったようですね。
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テスラが大きな期待を寄せていた「サイバーキャブ」の未来が危うくなる
テスラはサイバーキャブの発売に大きな期待を寄せていますが、今回の報道によるとその計画は大きな障害に直面しており、これは上述の通りイーロン・マスクCEOの”親友”であるトランプ大統領がその原因。
報道によると、トランプ大統領が中国からの輸入品に莫大な関税を課した結果、同社は中国からサイバーキャブの重要部品を出荷する計画を中止せざるを得なくなったとされています。
詳細を見てみると、テスラはサイバーキャブとセミトラックの両方の試作を開始するために必要な部品を(今後数ヶ月以内に)中国から米国に発送する予定であったといい、これは「今のところごく少量しか生産されていないセミトラック」「テスラの窮状を救うであろうサイバーキャブ」の量産を大きく前進させるはずであったものの、現状を鑑みるに「2026年に行われるはずだった両モデルの本格的な生産」が危うくなる可能性が見えてきます。

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関税が計画を狂わせる
トランプ大統領が当初発表した「34%」の関税はどの自動車メーカーにとっても良いニュースではなく、しかしロイター通信によると、テスラはこの「34%」を吸収する用意があったとされ、しかし、トランプ大統領の報復的な関税戦争がエスカレートし、中国からの輸入品に対する輸入関税が145%に達した時点でテスラは「ブレーキを踏んだ」ということに。
テスラがいつまでブレーキを踏み続けるかは不明であり、なぜなら、おそらくドナルド・トランプ自身でさえ、この巨額の関税がいつまで続くかを知らないから。
実際のところ、ドナルド・トランプ大統領は「例外はない」「予定通り導入する」としていた輸入自動車部品に対しての25%の関税についても導入を延期し、さらには中国で製造されたiPhoneなどの電子機器に対する免除を発表するなど「連日その発言が変わっている」という状況です。
よって、トランプ大統領の発言を真に受けて抜本的な対策(生産工場の移転、サプライヤーの変更など)を行ってしまうと「トランプ大統領が翻意した際に」ダメージを受けてしまう可能性があり、よって今は何があろうとも「待て」の一手しかないのかもしれませんね。※それでもテスラは、関税がいつか発効する可能性があることを察知し、過去数年間、米国国内からの部品調達量を増やしてきたと報じられている
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