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中国のバッテリーメーカーがついに「ソリッドステートバッテリー(全固体電池)の実用化に成功した」と発表。コストは従来のリチウムイオン電池の+15%、生産は2026年から

中国のバッテリーメーカーがついに「ソリッドステートバッテリー(全固体電池)の実用化に成功した」と発表。コストは従来のリチウムイオン電池の+15%、生産は2026年から

Image:快科技

| ただし実際に生産が開始され、車両に実装されるまでは「実用化」とは言い難い |

この「グレートパワー」はEV用バッテリー、産業用蓄電池の生産を主に行う新興企業である

さて、中国のバッテリーメーカー、グレートパワー(中国語表記だと鹏辉能源)が新製品発表記者会見を開催し、その場で全固体電池を発表しています。

現在、この全固体電池(ソリッドステートバッテリー)は世界中のバッテリーメーカーや自動車メーカーが先を争って開発を行っており、しかし「1番乗り」は思わぬ伏兵であったということに。

このグレートパワー(2001年に広州で創業されている)が発表したソリッドステートバッテリーはエネルギー密度が280Wh/kg(電池自体の容量仕様は20Ah)、そして2026年に量産開始が予定されているとのことですが、なによりも驚かされるのは現行のリチウム電池よりわずかに15%高いコストで生産できると述べていること。

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ソリッドステートバッテリーの実用化には様々な問題が伴うと言われるが

今回のグレートパワーによる発表だと「全固体電池を実現するための現在主流の技術ルートは3つある」。

これらはポリマー、硫黄/ハロゲン化物、酸化物であり、グレートパワーは酸化物ルートを選択したと述べていて、同社は、酸化物固体電解質のプロセスと技術の問題を解決し、全固体電池のプロセスと材料の両面で画期的な進歩を遂げたと主張しています。

通常、酸化物固体電解質は高温焼結プロセスを使用して製造する必要があり、セラミック材料に固有の脆さが生じます。

グレートパワーは、この酸化物電解質に関連する問題を解決し、製造プロセスを大幅に簡素化する電解質ウェットコーティングプロセスを開発したと述べ、今回の発表会で展示されたバッテリーは第1世代。

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快科技

製造プロセスが簡素化されているため、コストは現在の従来のリチウム バッテリーよりも約15%高いだけになると予想され、プロセスのさらなる最適化と材料コストの削減により、今後3~5年で製造コストがリチウムイオンバッテリーと同等になると予想されています。

なお、このバッテリーは、セパレーターと電解質の代わりに無機固体電解質を使用しているため、有機電解質の安全上の危険性が排除され、これにより次世代の高性能固体バッテリーの開発の可能性が広がるほか、グレートパワーによれば同社の固体バッテリーの寿命は600回の充電と放電サイクル、そして-20°C~85°Cの周囲温度で動作が可能。

加えてシリコンベースのアノードの割合を増やすことで、数年内にはバッテリーが300Wh/kgを超える密度を持つようになると考えていることについても触れていますが、実際にこのソリッドステートバッテリーを製造できるのか、そして生産できたとしても十分な量を供給できるのかには注目が集まり、まだまだ「喜ぶのは早い」のかもしれません。

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快科技

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参照:快科技, Car News China

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