>マクラーレン(McLaren)

マクラーレンCEOが「電動ハイパーカー」について語る。ランボルギーニ、リマックCEOとは異なり「電動ハイパーカーの時代が来る」と捉えているもよう

マクラーレン

| 実際のところ、未来がどうなるかは誰にもわからず、もしかすると本当に電動ハイパーカーの時代がやってくるかも |

それでもマクラーレンの電動ハイパーカーが登場するには数年を要するだろう

さて、バーレーン王国の政府系ファンド、ムムタラカット ホールディング カンパニーの支援を得て資金上の不安が(いったんは)解消されたマクラーレン。

現在は既存ラインアップの更新を完了し、次なる展開は「SUV」「(今年後半に発表されるV8エンジン搭載モデルとは別の)新型ハイパーカー」ということになりそうですが、今回いつくか新しい情報がもたらされています。

マクラーレン
マクラーレンの体制変更が完了、バーレーン政府系ファンドがマクラーレンの株式100%を取得したとの公式発表。これで資金の心配はなくなり全力で前に進めそう

| マクラーレンはこの数年、大きな資金的困難に直面していたが | 今後の路線についても気になるところではあるが、おそらく大きな変更はないだろう さて、この数年つねに資金的問題に直面し続けてきたマクラー ...

続きを見る

マクラーレンは新型ハイパーカーに「ピュアエレクトリックパワートレーンを採用」する可能性も

このハイパーカーについて、マクラーレンCEO、マイケル・ライターズ氏は「私たちはピュアエレクトリックパワートレインの開発に着手し、集中的に取り組んでいます。これがエレクトリックスーパーカーのあり方を定義するはずです」とコメント。

これはちょっと意外な事実であり、というのも少し前にマクラーレンは「現在のバッテリー技術では車体が重くなりすぎる」「サーキットを2-3周走っただけでバッテリーが消耗しきってしまう」と述べ、とうてい実用に足るハイパーカーを作ることなどできないと語っていたためです。

私にとって、重量が 2 トンのスーパーカーはスーパーカーではありません。性能を上げるために出力を引き上げるのは簡単です。これは、いわば縦方向の性能、つまり加速です。しかし、もっと重要な質問は、横方向の性能(コーナリング)はどうかということです。重量が重すぎると、横方向の性能は得られません。

この方針の転換について理由は定かではないものの、同氏は「時代の変化に備える必要がある」と語っており、つまりは”ピュアエレクトリックハイパーカーの時代が来るかもしれず、それに乗り遅れることがあってはならない”と考えているのかもしれません。

これはちょっと前にリマックCEO、メイト・リマック氏が「もはやエレクトリックハイパーカーの時代は終わった」とコメントしたことや・・・。

【動画】リマックがネヴェーラの生産をついに開始!クロアチア初の量産車にしてハイパーカー、現時点で「納車可能な」クルマとしてはおそらく最強最速
リマックCEO「もはやEVはクールではない。EVがコモディティ化し電動技術が普遍化した今、だれもエレクトリックハイパーカーを買わないだろう。時代は変わった」

Image:Rimac | リマックがネヴェーラの開発を開始した7年前、「EVはクールだと思われていた | まさかこの短期間でEVに対する認識がここまで変わろうとは ロンドンにてフィナンシャル・タイム ...

続きを見る

ランボルギーニCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏が「そもそもエレクトリックハイパーカーの時代は来ないかもしれない」と語ったのとは真逆の思想です。

ランボルギーニ
ランボルギーニCEO「今のところ、売れているエレクトリックハイパーカーは存在しません。もしかしたらその時代は永遠に来ないかもしれません」

| 少し前の「エレクトリックこそ未来」という風潮とは異なり、現在は急激にエレクトリックが敬遠される傾向にある | 特に消費者はピュアエレクトリックカーに「そっぽを向いている」と言っていい さて、ランボ ...

続きを見る

ただしマクラーレンのエレクトリックハイパーカーについての確たる情報はない

しかしながら、マイケル・ライターズCEOはこのピュアエレクトリックハイパーカーについて多くを語らず、「AWDかどうか」「1,000馬力を超えるかどうか」についても慎重に言及を避けており、後者については「できる」と応え、以下のように補足しています。

しかし、制御可能でなければなりません。我々のブランドにとって感情の重要性について話すとき、ネガティブな感情は恐怖を感じます。私たちのクルマは本当に運転しやすいと思いますし、私たちのクルマを限界まで追い込むことは、熟練していないドライバーでも問題ないはずです。トラクションが問題なのは理解していますが、空力、ダウンフォース、タイヤ開発、パワートレイン制御には非常に多くの可能性があります。

つまり、マイケル・ライターズ氏は「いかにハイパワーであっても、それを容易に制御できなければ意味はない」と主張しているのだと思われ、さらに車体重量にしては1,500kg(アルトゥーラの重量)に限りなく近づけることが目標である、とも。

L1008462

そして「制御」という点については改めて強調がなされ、今年後半に発表が予定されている新型ハイパーカー(P1後継)についても「制御可能なパワーを持ち、熟練の息に達していないドライバーであっても限界までプッシュできる」と述べていて、これを実現するのは「洗練された空力と巧妙なパワートレインソフトウェア」だと語っています。※これ以上のネタバレはなかったようだ

なお、最後にマイケル・ライターズ氏は興味深い発言を行っており、それは、限定モデルを多数(複数モデル)発売することで独占性が損なわれる問題で、以下のように言及しています。

これまでの生産量を考えれば、市場に供給しすぎたことがあったことは明らかです。もう二度とそんなことはしません。需要に応じて供給します。タイミングは適切でなければなりません。制限も適切でなければなりません。6か月ごとに限定版を発売することはもうできません。市場と需要と興奮を生み出す時間を与え、適切な注目と尊敬を集める必要があります。これが非常に重要です。

合わせて読みたい、マクラーレン関連投稿

マクラーレン
マクラーレンが新たに「BLOODL1NE」なる商標を出願。自分たちのみが「マクラーレンF1の正当な血統に当たる後継モデル」を作れるという意思表示なのだと推測

| マクラーレンはおそらくGMA T.50の存在を疎ましく思っているはずである | ここでその血統の正当性を示そうと考えた可能性も推測できる さて、マクラーレンは現在「新型ハイパーカー」の発表を控えて ...

続きを見る

マクラーレンが新世代における内外装デザイン言語を公開。過去のレーシングカーやF1に強くインスパイアされたヘリテージ風、内装ではドライバー重視
マクラーレンが新世代における内外装デザイン言語を公開。過去のレーシングカーやF1に強くインスパイアされたヘリテージ風、内装ではドライバー重視

| さらにマクラーレンはW1、MP1の商標を出願し、これらはハイパーカーに用いられる可能性も | マクラーレンは新しく体制を整え、今後「未来」へと向けて大きく飛躍するものと思われる さて、マクラーレン ...

続きを見る

マクラーレン
マクラーレンCEOが「新型SUV」について語る。自社エンジンを用いたPHEV、しかしプラットフォームは他社と共有の可能性も。ただし同社らしい軽量性を維持するもよう

| マクラーレンは厳しい試練の時を経て、ようやくSUVの開発を行える段階に | ただしその価格は「非常に高価」となり、フェラーリ・プロサングエやロールス・ロイス・カリナンの領域に さて、マクラーレンは ...

続きを見る

参照:Road & Track

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->マクラーレン(McLaren)
-, , ,