| 現在、BMWでは様々な可能性を検討している最中だとは思われるが |
それでもやはりBMWは「エレクトリック」にかけている
さて、新型M5を発表した直後に「その重量の重さ」によって批判を浴び続けているBMW。
この重量増加の多くはプラグインハイブリッドシステムによって占められており、そしてBMWは「V8エンジンを(環境規制に適応した状態で)生き残らせること」を前提にこの新型M5を設計していて、つまりは「重量が重くなることを承知で」新型M5の開発とセットアップを行っているわけですね。
そのためBMWは「重量が重くとも機敏に走る」ことができるようにM5を仕上げていますが、次世代のM3ではM5とは異なるセットアップを採用するというウワサが出ています。
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BMW M部門責任者「M5の重量に対する批判にはイライラします。我々は重量増加を承知でPHEVを選択し、重く感じないように作ったのですから」
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新型BMW M3では「マイルドハイブリッド」「ピュアエレクトリック」の二本立て
そして今回囁かれているのが時期M3は2028年頃に登場し、48ボルトマイルドハイブリッドシステムとと6気筒内燃エンジンとを組み合わせたバージョンを発売する一方、その傍らでクアッドモーターを持つエレクトリックパワートレインを搭載したM3 EVも登場するという話。
なお、クワッドモーターを採用する理由は「M部門は2030年までに新車販売の80%以上をEVにするという目標を持つこと」に起因しているのだと思われ、現在ではまだまだ主流になりえないものの、未来に対して投資を行っておくということなのかもしれませんね。
そしてBMWが新型M3にてプラグインハイブリッドではなくマイルドハイブリッドを採用する唯一の理由は「重量増加を避けるため」だと考えてよく、M3の直接のライバルでもあるメルセデスAMG C63 S Eパフォーマンスが680馬力という(M3では到達し得ない)出力を持つ一方、大きく2トンを超えてしまい、そして環境規制を意識するあまり4気筒化してしまったことに対する回答だとも考えられます。
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新型BMW M3は「ノイエクラッセ」プラットフォームを採用
そして「マイルドハイブリッド版」「ピュアエレクトリック版」M3は両方とも新しい”ノイエクラッセ”プラットフォームを採用するといい、よって現行M3との関連性は非常に薄いものとなるのかも。
BMWはまずこのノイエクラッセを(2026年に投入される)フルモデルチェンジ版の新型3シリーズに使用するとされ、まずはピュアエレクトリック版M3が2027年、ガソリンエンジン搭載版が2028年に登場するのでは見られているようですね。
なお、この内燃機関バージョンについて、「600馬力オーバー」となる可能例もレポートされていて、しかしこれは現在「6気筒最強」を誇るM3 CSとM4 CSLの出力が550馬力であること、そしてマイルドハイブリッドを積むM340iのエレクトリックモーターが11馬力しか発生しないことを考慮するとかなりのジャンプアップ。
しかしエレクトリックモーターの追加によって都市部の燃費を抑えることができれば、許容回転数を引き上げて最高出力を引き上げるなど「現在、内燃機関だけではできないこと」を実現できる可能性もあり、その意味では「エレクトリック化」は単に馬力 / トルクを追加するだけではなく、内燃機関の「封じられた」ポテンシャルを引き出すことができるのかもしれません。
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