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ランボルギーニ本社が自社の正規ディーラーを「転売で6億円を不当に稼いだ」として訴える。「普通の顧客に販売したと見せかけ、実はブラックリスト入りの転売業者に販売した」

ランボルギーニ本社が自社の正規ディーラーを「転売で6億円を不当に稼いだ」として訴える。「普通の顧客に販売したと見せかけ、実はブラックリスト入りの転売業者に販売した」

| いくつかの自動車メーカーは「販売してはならない」顧客のリストを持っている |

さらには注文時の名義、送金時や登録時の名義がマッチしなければならないというルールがある場合も

さて、先日はフェラーリディーラーが「転売にて不当に利益を得た」として顧客を訴えたと報じられていますが、今回は「ランボルギーニ本社が、転売を行ったランボルギーニディーラーを(転売にて不正に利益を得たとして)訴える」ことに。

訴状によると、このディーラーは「シャドープログラム」なるものを実行し400万ドル(現在の為替レートだと約6億円)を転売によって稼ぎ出したとされ、現在裁判所はこの訴状を受け入れて実際に裁判が進行している、とのこと。

フェラーリ
米国にてフェラーリ・プロサングエを転売したとして正規ディーラーが顧客を訴える事案が発生。注文時には「オポチュニティ契約」「優先購入権および担保契約」にて転売を制限されるもよう

| 日本だと「転売禁止契約書の締結」を求められたという話は聞かないが | その国によって契約の内容が(法規によって)異なるのかもしれない さて、フェラーリはじめ多くのプレミアムカーメーカーは自社のクル ...

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「シャドープログラム」とは何なのか

そこでこの「シャドープログラム」についてですが、これは簡単に言うと「正規の顧客に販売するように見せかけ、しかし実際には転売業者に売却すること」。

一部の自動車メーカーは「転売業者への販売」を防ぐため、注文時の名義と支払い名義、そして納車時の名義とを一致させるといい、これによって転売を防ぐことが可能となるわけですが、たとえばぼくが転売業者と結託し、最初から転売することを目的に(ぼくの名義にて)注文し、しかし支払いや登録時の名義がぼくと異なる「転売業者」であれば販売ができないというシステムです。

今回問題となっているのはアメリカ・イリノイ州の「ゴールドコーストエキゾティックス(ランボルギーニディーラーの運営母体)」とその社長および従業員で、現在明かされている例のひとつはは「該当ディーラーが新しいウルスSUVを元プロアスリートに販売したと報告したものの、実際にはその車両は”よく知られた高級車転売業者”に渡ったというケース」」で、しかも、その転売業者は「麻薬密売人や売春婦に高級車を販売することでマネーロンダリングを行った」犯罪に関与し、既に有罪判決を受けているのだそう。

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2つ目の例では、別のウルスが同じ転売業者に販売され、3つ目の例だとミネソタ州のカイロプラクティッククリニックのCEOに新しいウラカンが販売されたと報告されていますが、実際にはその車両は「(これも)よく知られた前科者」に渡り、彼は「マイアミで高級車の販売およびレンタルサービスを営む」人物であったとのこと。

こういった感じで、このランボルギーニディーラーは「まっとうな顧客に販売するように見せかけながらも」転売業者に新車のランボルギーニを販売し、この「シャドープログラム」によって6億円を作り出したとされています。

この訴訟ではランボルギーニとそのディーラー(ゴールドコーストエキゾティックス)とが真っ向から争う形となっていて、ゴールドコーストエキゾティックスの弁護士、アイラ・レヴィン氏は「ほとんどの自動車メーカーはそのような(転売禁止の)方針を持ち、ディーラーに販売を避けるためのリストを提供しています。ランボルギーニには”販売禁止リスト”があるようですが、それをゴールドコーストエキゾティックスには提供していません。この件は、他のディーラーに対する方針の選択的執行の問題も提示しています」とコメント。

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なお、現在ゴールドコーストエキゾティックスは(有罪判決を受けていないためか)依然としてランボルギーニの看板を掲げランボルギーニを販売していますが、ほとんどが中古車であり、新車の販売(受注)がすでにできなくなっているもよう。

なかなか「自動車メーカーがその正規ディーラーを訴える」例は少ないかと思いますが、この裁判の行方次第では業界に一石を投じることとなるかもしれませんね。

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