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| 新型iX3がBMWの未来を切り開く |
BMWにとって「もっとも期待がかかる」のがこのiX3である
BMWは、次世代EV専用アーキテクチャ 「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」 を採用した第一弾モデルとして、新型「iX3」をミュンヘン・モーターショーにてお披露目する予定ですが、今回は公式SNSにてその「顔」をライティングとともに公開することに。
この新型SUVは、BMWにとって単なる新型車ではなく、 デザイン言語と技術の大転換点 を示すモデルとして期待されており、ミュンヘン・モーターショーでの盛大な発表が待たれるクルマです。
デザインの進化 ― キドニーグリルの原点回帰
今回リリースされたティーザー画像を見るに、これまで批判の声も多かった巨大グリルから一転、 より小型で縦型に近い「原点回帰デザイン」 が採用されており、これによってBMWは「未来的でありながら伝統を受け継ぐデザイン」へと移行することとなるようですね。※初代ノイエクラッセでは「キドニーグリルの中に小型のキドニーグリルが格納」されており、新ノイエクラッセでもこれを踏襲する可能性が高い
- 1962年の初代ノイエ・クラッセを彷彿とさせる端正な造形
- グリルはイルミネーションを備え、ヘッドライトと自然に連続
- 全モデルに共通する新しいBMWの顔として展開
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EV専用「ノイエ・クラッセ」プラットフォーム
iX3は、BMW初の完全EV専用プラットフォームである ノイエ・クラッセを採用。
これにより、効率性と航続距離が大幅に向上しつつ、BMWらしい走りのダイナミクスも維持されています。
- 航続距離:約400マイル(約640km)
- 駆動方式:後輪駆動 / 四輪駆動を設定
- 高性能版:M Sportモデ をラインナップ予定
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インテリア ― 次世代「パノラマiDrive」採用
室内も全面刷新されて未来的なデザインのパノラマiDriveが初採用。
- ダッシュボード全体を横断するパノラマディスプレイ
- 2層構造の先進的インターフェイス
- 従来よりもシンプルかつ直感的な操作性
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公開はミュンヘンモーターショー2025で
詳細は2025年9月に開幕するミュンヘンモーターショーにて正式発表予定であり、BMWのデザインとEV戦略が本格的に切り替わる瞬間として、大きな注目を集めています。
「ノイエクラッセ」とは何なのか
そこでこの重要キーワード「ノイエクラッセ」についておさらいしておくと、BMWでいう「ノイエ・クラッセ」(Neue Klasse)とは、ドイツ語で「新しいクラス」を意味し、BMWの歴史の中で2つの重要な時代を象徴する言葉です。
1. 1960年代の「ノイエ・クラッセ」
1960年代初頭、経営危機に瀕していたBMWを救ったのが「ノイエ・クラッセ」と呼ばれる一連のモデル群。
1961年のフランクフルトモーターショーで発表された「BMW 1500」を皮切りに、このシリーズはそれまでの大型高級車や小型車とは異なる、スポーティな中型セダンのセグメントを確立した存在として知られます。
- 特徴:
- モダンでクリーンなデザイン
- 優れた走行性能と操縦性
- 革新的な4気筒エンジン
- BMWのアイデンティティであるスポーティなドライビングプレジャーを確立
この成功によりBMWは経営を立て直して現在のBMWブランドの礎を築くことに成功し、この初代ノイエクラッセは現在の「3シリーズ」や「5シリーズ」の原型とも言える存在としても認知されています。
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2. 次世代EVの「ノイエ・クラッセ」
現在、BMWは「ノイエ・クラッセ」という名称を、2025年以降に市場に投入する次世代の電気自動車(EV)プラットフォームの総称として復活させ、今回のミュンヘンにて大々的に発表する準備を進めているわけですが、これは、かつてBMWを救った「初代ノイエクラッセ」のように、新しい時代のモビリティを牽引し、新しいBMWを創造していくという決意の表れです。
- 特徴:
- 完全に再構築されたITおよびソフトウェアアーキテクチャ
- 新開発されたEVドライブトレインとバッテリー
- 車両のライフサイクル全体を通じた持続可能性の向上
- 完全に新しいデザイン言語の採用
BMWは、この新しい「ノイエ・クラッセ」によって航続距離や充電速度を大幅に向上させ、環境性能とドライビングプレジャーを両立させた”BMWらしいEV”の時代を切り開くことを目指していますが、これはちょうどアウディが「当時、危機に瀕していたアウディを救ったTTを現代に蘇らせ、再び新しい時代を築く」というプロジェクト、「TTモーメント2.0」にも通じるところが「興味深い一致」でもありますね。
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