| ポルシェは最近になく各方面へとその手を伸ばしている |
ポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏が毎年恒例のメディアカンファレンスにて述べたところによると、「918スパイダーの登場にはまだ数年はかかる」。
なお、この話は以前にも報じられており、その際に伝えられた理由としては「バッテリーがポルシェの求めるレベルに達しておらず、そのレベルに達するには最低でも2025年までかかるから」。
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ただし今回は別の理由にて
しかしながら今回オリバー・ブルーメCEOが述べたのは「(918スパイダー後継がすぐに登場しないのは)バッテリー問題よりも、会社としてのプライオリティに起因」。
ここ最近ポルシェは非常に忙しく過ごしており、まずトッププライオリティは「EVの拡充」であるのは間違いのないところ。
まずは発売済のタイカン、発表されたばかりのタイカン・クロスツーリスモの販売を軌道に乗せねばならず、加えてこれらに続くEVの開発と発売を急ぐことが最優先。
さらにはリマックとのベンチャーによるブガッティの管理、場合によっては新規株式公開(IPO)の優先順位も高いのだと思われます。
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加えて2023年よりル・マン24時間レースへの復帰も公表しており、こちらも「タイムリミットが決まっている」ぶん、プライオリティは高そうです。
ポルシェはガソリンエンジン存続のためにも動いている
エレクトリック化に注力する一方、ポルシェは「エレクトリック化」に加え、ガソリンエンジン存続のための研究も行っており、ガソリンエンジン車の排ガスが「CO2排出量ゼロに近いくらい」クリーンになるという(既存のガソリンエンジンに使用できる)化学合成燃料も開発中。
これの実現にはまだまだ時間もかかり、実現できても燃料の価格が「ガソリンの倍」ほどになると言われるものの、もし市販できればガソリンエンジンの存続も可能となるわけですね。
そしてこれの現実味が増すならば「次期918スパイダーもエレクトリック化する必要もなく」内燃機関を搭載しての発売も可能となるのかもしれません。
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さらにポルシェは自社にてバッテリーも開発中
そしてポルシェは「自社でバッテリーを開発・製造する」とも発表済み。
これは出資比率を24%にまで高めたリマックとの共同作業になるかと思われますが、このバッテリーはグラファイトアノードのかわりにシリコンアノードを使用するといい、これによって温度管理がより容易になり、さらにバッテリー密度も高く充電時間も早くなると言われます。
ただしコストもしくは生産量の理由にて「レーシングカー、ハイパフォーマンスカー、もしくは限定モデル」のみにしか使用しないとも述べており、しかし918スパイダー後継モデルであれば十分にこのバッテリーを搭載する資格があると考えて良さそう。
ただしこのバッテリーは「2023年からの生産」とも言われ、ポルシェからすると「新型バッテリーの実用化が先か、合成燃料の実用化の目処がつくのが先か」によって918スパイダー後継モデルのパワートレインを決定するのかもしれません。
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次期ポルシェ製ハイパーカーには様々なウワサも
そして918スパイダー後継モデルこと次期ハイパーカーですが、これについては「パワートレーンうんぬんよりも、ニュルブルクリンクのタイムが最優先」とも。
ポルシェはニュルブルクリンクのラップタイムを非常に重視しており、これはたしかに「ありそう」ですね。
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さらにはF1用エンジンを積むという話も以前にはポルシェ自身によって語られています。
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さらには「レトロ」なデザインを採用する、というウワサも。
これも現在のポルシェの方向性からすると「ありうる」と考えています。
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参照: Autocar