
| ポルシェの「信頼性」は本当に高い? |
ポルシェといえば信頼性調査では「常に上位」にランクされていることで知られているが
ポルシェは1931年創業の歴史あるスポーツカーブランドであり、世界中で「高性能」「高品質」の代名詞として知られています。
一方でアメリカの非営利団体コンシューマー・リポート(Consumer Reports/CR)は1936年から製品の信頼性や顧客満足度を調査しており、自動車ブランドの評価も長年実施しているのですが、実は両者の接点はこれまであまり多くなく、しかし2025年モデルの車両評価においてポルシェが”はじめて”本格的なテスト対象に。
その結果、ポルシェは32ブランド中4位という高評価を獲得し、テストされたすべての車種が「おすすめ(Recommended)」を受けていて、これを見るに「ポルシェの信頼性の高さを裏付ける強力な証拠」が提示されたと考えてよいかと思います。
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ただし注意点も:評価対象は4モデルのみ
しかしながら注意点もあり、今回CRが実際にテストを行ったのは以下の4モデルのみ。
- ポルシェ・マカン(ガソリン)
- ポルシェ・カイエン
- ポルシェ・718ボクスター
- ポルシェ・タイカン(EV)
この4台の結果に基づいてポルシェ全体が評価されているため、ブランド全体の信頼性を完全に代表しているわけではない点には留意が必要です(そもそも911が含まれていない)。
さらにCRの調査によればポルシェのメンテナンス費用・修理費用は全ブランド中ワースト2位。
つまり不具合が起きた際のコストは非常に高額であることも明らかになっています。
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SUV部門:マカンとカイエンの信頼性を検証
マカン:ガソリンモデルが「平均的」だが堅実な選択
CRによると、ガソリン版マカンはポルシェSUVの中で最も高い予測信頼性を示しており、同クラス(高級コンパクトSUV)22モデルの中では5位(アキュラRDXとレクサスNXプラグインハイブリッドの間)にランクイン。
ドイツ勢ではトップの座を獲得しており、北米だと2025年においてリコールが一件も発生していないという事実も特筆すべき点かと思います。
カイエン:セグメント7位、平均的な信頼性
一方でミドルサイズSUVのカイエンは13車種中7位と中堅クラスの評価にとどまっていて、アウディQ8やBMW X5/X6より信頼性が劣るという結果ながらも、業界全体では「平均的」と判断されています(燃料システムの漏れに関するリコールが発生している)。
スポーツカー部門:718シリーズとタイカンの結果
718ボクスター/ケイマン:平均的な信頼性
今回の調査では、ボクスターとケイマンはいずれも「平均的な信頼性」と評価され、ボクスターは予測信頼性ランキングで5位に入り、トヨタ・スープラやBMW Z4、マツダMX-5(ロードスター)に続くポジション、そして「日産フェアレディZよりは上」。※ケイマンについては独自データが少なく、ブランド全体のスコアを基にした評価となっている
こちらもマカン同様、「日本勢に次ぐ信頼性を持っている」という判断なのだと捉えることが可能です。
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タイカン:平均評価ながら競合より堅実
EVのタイカンも「平均的」な評価であったものの、テスラ・モデル3やメルセデスEQE/EQS、ポールスター2よりも信頼性は「上」。
その一方、CRは「より信頼性が高い代替モデル」としてBMW i4/i5やレクサスESを挙げており、こちらは「両手を挙げてのオススメ」というわけではないのかもしれません。
結論:信頼性は平均以上、ただし維持費は高額
今回のCR評価を総合すると、ポルシェの各モデルは「平均的~やや上」レベルの信頼性を持つことが明らかに。
特にマカンの安定した品質は注目に値しますが、修理・維持コストの高さを考慮すると、購入後の出費は他ブランドより多くなる傾向が想定されます。
それでも「高性能で信頼できるドライビング体験」を重視するオーナーにとって、ポルシェは依然として魅力的な選択肢であることは間違いなく、近年ではEV化の進展や品質向上への取り組みも進みつつあり(特にデジタル方面での進歩は著しい)、今後のモデルではさらに高い信頼性、維持コストの引き下げが期待できそうですね。
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