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イタリアより「アルファロメオ・ジュリアGTA風」の新車が登場。シャシーは完全新設計のカーボン製、エンジンは592-740馬力を発生する新開発のV6ターボ

イタリアより「アルファロメオ・ジュリアGTA風」の新車が登場。シャシーは完全新設計のカーボン製、エンジンは592-740馬力を発生する新開発のV6ターボ

| ただし車両の登録には「規制」の壁が立ちはだかる |

小規模自動車メーカーであっても登録のためのテストには最低でも約16億円を支出せねばならない

さて、かねてより1960年代のアルファロメオ・ジュリアGTA風のクルマをリリースしていることで知られるイタリアのトテム・アウトモビリ(Totem Automobili)。

製作は完全なるオーダーメイドにて行われ、パワートレーンについては「電動」の選択も可能となっていますが、今回紹介する最新作「イペリア」では特別に作られたツインターボV6エンジンを搭載しています。

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トテム・アウトモビリ・イペリアはこんなクルマ

そこでこの「イペリア」を見てみると、その大きな特徴は「ゼロから作られたクルマ」ということ。

現在レストモッドを行う会社はシンガー・ヴィークル・デザイン、ガンサーワークス、キメラ・アウトモビリ、MATなど多数存在するものの、このトテム・アウトモビリはそれらのいずれとも異なり、ベースとなるレストア対象車両を用いず、「自社で新しいシャシーを製造する」こと。

つまりは既存車両(今回であればアルファロメオ・ジュリアGTA)を使用せずに新規から製造するということになりますが、これによって分解や清掃・再生の手間がかからず、そして従来の構造に依存しない新しい設計を取り入れたクルマの製造が可能となります。

なお、シャシーの構築に際して用いられるのは、(コーチビルダーに多い)スチールやアルミではなくカーボンファイバーだといい、一部アルファロメオのパーツも使用されるものの、ほとんどの構成部品は自社によって設計されているのだそう。

搭載されるエンジンはイタルテクニカ・エンジニアリングによって開発された2.8リッター・ツインターボVで、このエンジンはドライサンプオイルシステムを備え、592馬力を発生しますが、この高性能によって0100㎞/h加速はわずかに3.2秒(トランスミッションはマニュアルなのでこの数字は驚異的である)。

それでも物足りない場合、740馬力を発生するステージ2バージョン(レッドラインが8,500rpmに引き上げられる)も選択可能。

このアルファロメオ・ジュリアGTA風のクルマは40台のみが限定生産

なお、トテム・アウトモビリはすでにいくつかのアルファロメオ・ジュリアGTA風のクルマ(シリーズ名は「GTスーパー」)をリリースしており、今回公開されている「イペリア」はその40台限定のうちの1台。

ボディカラーにはクラシカルなメタリックグリーンを採用していますが(このクルマのために特別に調合されている)、インテリアもまた一から構築されており、ステアリングホイールやメーターベゼルに加えシフトノブ等細部に至るまでの高品質な仕上げを見ることが可能です。

参考までに、この車両は今後ヴァイラーノ(自動車安全センター)に送ってテストを受けさせる予定だとアナウンスされており、テストの目的はトテムが目指す個別車両承認(IVA)取得のため。

このIVAは非常に少量生産の車両に特化した特別な認証プログラムで、大規模な自動車メーカーが受けるような複雑で広範な要求(車両を破壊する衝突テストを含む)ほどではないものの、それでも非常に厳しい基準をクリアする必要がある、とされています。

そしてこのIVAの評価と承認が得られれば、このクルマはヨーロッパやその他同様の道交法に関する車両の基準を採用している国々において”合法に”道路を走ることができるようになるという寸法。※レストモッドであれば、ベース車両が認証を取得しているので、改造の範囲にもよるが、ややこしいテストを受けずとも合法に登録が可能となる

ただ、トテムはこのテスト要求に対して不満を表明しており、「テストの内容は大手メーカー向けに設定されているもので、小規模な独立系自動車メーカーにはほとんどアクセスできない」とコメント。

そしてアクセスが難しい理由は「最低1,000万ユーロ(現在の為替レートにて約16億円)」という高額なテスト費用であり、同社は「このテストが小さな自動車会社にとって本当に必要なことなのか」と疑問を呈しているわけですね。

ただ、「法律は法律」なのでこれを受けないわけには行かず、しかしこれによって「全台数を販売した際の売上である36億円」の多くが飛んでいってしまうことについても言及しています。

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参照:Totem Automobili

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