| フェラーリは一時期を境に「快適性」「実用性」を強く重視している |
そしてプロサングエにおいては新たな境地を開拓するようだ
さて、フェラーリは先日「プロサングエがいかに先進的か」を紹介するコンテンツを公開していますが、そこで語られないいくつかのデバイスも存在し、少し前には「快適なエアコン」に関する特許が出願されたことが明らかに。
そして今回報じられているのは「ノイズキャンセリングシステム」実装についての特許で、これは「フロントにエンジンを搭載し、後部座席を持つ」クルマ、つまりプロサングエに対して用いられる技術であるようですね。
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フェラーリは車内を快適に保つための様々な特許を出願している
フェラーリと快適性というと「全く無縁」のようにも感じられるものの、ルカ・ディ・モンテゼーモロ体制以降のフェラーリは実用性や快適性を非常に重視しており、そしてV8ミドシップモデルといえどその例外ではなく、360モデナ以降は大きく日常性が向上したと言われます。
そしてその後フェラーリはFFやCTC4ルッソを投入しさらに「普通に使えるフェラーリ」を目指してゆくわけですが、現時点でのひとつの到達点がプロサングエだと考えてよく、プロサングエにはなんとマッサージシートも用意されており、世間一般で認識されている「フェラーリ」とは大きく乖離した存在であるかもしれません。
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ただ、その乖離はけしてフェラーリらしくないという意味ではなく、むしろフェラーリの進む方向を正しく示しているのだとも考えられ、そしてフェラーリの進む方向は(現行世代において、モデル間でのデザイン的差別化を拡大していることでもわかるように)多様化してゆくものと思われます。
フェラーリはプロサングエのキャビン内を「快適空間」に
そこで今回フェラーリが米国特許商標庁に出願した特許を見てみると、これは一種の「アクティブ・ノイズ・キャンセレーション・システム」で、画像に従って説明すると、ヘッドレストに内蔵されたマイク(10)が乗員の耳に入るノイズを感知し、プロセッサー(9)がこれを処理して信号をアンプ(8)に送り、そこでノイズを打ち消すサウンドを発生させるのがスピーカー(7)。
このスピーカーはダッシュボードとシートに内蔵されており、それぞれ効果的に「ノイズを打ち消す」サウンドを発生するものと思われ、ダッシュボードのスピーカーは高音と中音域、シート内蔵のスピーカーは低音域を担当することになりそうです。
アクティブ・ノイズ・キャンセレーション・システム自体は珍しいものではありませんが、フェラーリの場合はそのノイズの種類が他のクルマと少し異なる可能性があり、というのも走行する速度域が他のクルマと異なるであろうことからその発生源や周波数も異なると想定されるため。
エアロダイナミクスに優れるために風切り音はさほど問題にならないと思われ、しかしフロントに255/35サイズの20インチ、リアには315/30サイズの23インチタイヤを装着しているため、そして一般的なSUVのように柔らかいブッシュを採用しているとは思われないためにロードノイズはかなりのレベルに達するものと思われます。
かといって防音/制振を強化するとそのぶん車体重量が重くなってしまい、となるとフェラーリの本質が失われる可能性も生じ、その(快適性とフェラーリのDNAとをバランスさせる)ためにこのアクティブ・ノイズ・キャンセレーション・システムを採用するのだとも捉えています。
ただ、フェラーリとしてはV12エンジンが奏でるサウンドを打ち消すようなことはないものと思われ(ただ、モードとしては備わっているかもしれない)、様々な意味においてフェラーリのアクティブ・ノイズ・キャンセレーション・システムの目的やロジックは一般のクルマとは異なるのかもしれませんね。
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参照:CARBUZZ