| もし発売されるとなるとピュアでシンプル、エレクトリック化なし |
ポルシェのチーフデザイナー、ミヒャエル・マウアー氏が語ったところによると、「914の復活はポルシェの中でも常に熱い話題だ」とのこと。
ポルシェ914は1969年に発売されていますが、これは「911の下に位置するエントリーモデル」としての位置づけ。
より価格を抑えるためにフォルクスワーゲンと共同にて開発されたクルマで、エンジン、リアサスペンション等にVW製のコンポーネントを採用しています(そのため、ワーゲンポルシェと呼ばれていた)。
914に採用されたエンジンは二種類あり、ひとつはフォルクスワーゲン製の1.7リッター水平対向4気筒(80PS)、もうひとつはポルシェ製で911Tにも搭載された2リッター水平対向6気筒(110馬力)。
正確には前者が「914」、後者は「914/6」と呼ばれ、0-100キロ加速については914が13秒、914/6だと8.7秒というスペックです。
ポルシェは本当に914を復活させるのか
そして現代にこの「914」が蘇るとなると、そのポジショニングは「718ボクスターの下」。
つまり当時と同様にエントリーモデルとしての役割を果たすということになりますが、「エレクトリック化なし、シンプルでピュアなスポーツカーになる」とのこと。
ポルシェはかつて「安価なモデルは利益が確保できない」として投入しない意向を示し、さらに現在718シリーズはあまり販売状況が芳しくない、とも言われます。
その状況において718の下位モデルを投入することになればいっそう718の販売を侵食することになりそう。
よって914を投入というのはにわかに信じられない話ではあるものの、ポルシェのデザイナーその人が語ったということは「現実的に起こりうる」という可能性も示唆しています。
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なお、現在スポーツカーはいずれのメーカー/ブランドに関わらず販売が伸び悩み、アウディTTだと「次期モデルはない」と言われ、メルセデス・ベンツSLKはすでに販売終了。
しかしながら911が好調であることを考えると「安価であれば売れる」というわけではなく、現在スポーツカーを求める層は「高価であっても高性能な」クルマを求めていると考えられます。
この状況において「シンプルで、ピュアで、安価な」スポーツカーが成功するとは考えにくく、現在ポルシェが重視する「パワー大好き」なアメリカ市場、「大きいは正義」「高価なクルマほどエライ」な中国市場での成功は望めなさそう(逆に、日本や英国では好まれるかも)。
ただし前出のミヒャエル・マウアー氏によれば「現在、914リバイバルは単なる”案”の域を出てデザインを起こす段階にある」としており、思わぬ形で登場することになるかもしれませんね。