| ポルシェ718ケイマンが納車されて3週間が経過した |
さて、ポルシェ718ケイマンが納車されて約3週間。
うち一週間はガラスコーティングにて預かっていただき、何日かは台風にて避難させていたために乗っていた期間は二週間未満。
それでも、これまでの短時間の試乗や、納車直後では気づかなかったことを(自分のクルマとして乗ってみてはじめて)感じ取るケースも多く、ここでざっとそれらについて列挙してみたいと思います。
ポルシェ718ケイマンは高額車ではあるが、高級車ではない
これはぼくがずっとポルシェ(718ケイマンのみではなく911やボクスターといったスポーツモデル)に対して抱いている印象。
世間ではポルシェ=高級車というイメージが強く、ポルシェが絡む事件などがあると、マスコミは必ず「高級スポーツカー」といった表現を用いることに。
ただ、ぼくの認識としては、高級車とは「高級」を目指して造られたもので、その高級とは「ラグジュアリー」だと認識しています。
そしてポルシェの場合はけして高級を標榜したわけではなく、ポルシェの目指す品質や、パフォーマンスを満たすように造った結果、「高額になってしまった」だけだと考えており、そしてその価格帯が高級車のそれと重複するために、ポルシェ=高級車だと認識されているだけだ、と考えています。
高級かどうかで言うと、それまで乗っていたアウディTTのほうがずっと高級で(アウディはプレミアムブランドでもある)、おそらく実際に乗ると10人中10人が「TTのほうが高級」と答えるだろう、とぼくは考えているのですね。
それは内装に使用される素材や仕上げ(樹脂むき出しが多い)であったり、ホイールボルトのフィニッシュであったり(アウディやフォルクスワーゲンはみすぼらしく見えないようにボルトキャップが付いている。レンジローバーなどは仕上げやカラーも選べるが、ポルシェは単なる鉄に防錆加工が施されたボルト)、各種便利機能であったり、静粛性であったりといった部分ですが(とくにエンジンスタート時の音は人によって下品と感じる)、ポルシェ718ケイマンをして、「高級さを意識して」造られたであろう部分はほぼ無く、ポルシェはすべてのコストを走りに捧げたであろう、ということがわかるクルマ。
とにかく、「ポルシェは高額車ではあるが、高級車ではない」というのは声を大にして言いたいところです。
スイッチはしっかり操作する必要がある
最近のクルマに採用されるスイッチは操作感が軽く(フェザータッチというやつ)、中にはタッチパネル式操作も。
718ケイマンにおいても一部タッチパネルが採用されているものの、基本は「物理スイッチ」。
そしてそれらスイッチのタッチが「しっかり押さないと」機能せず、これはスイッチのタッチが軽いアウディから乗り換えると「あれ?」と思う部分です。
たとえばアウディTTはエンジンスタートにしても、エアコン操作にしても、オーディオにしてもスイッチのタッチは軽く、「ポンと押せば」OK。
ですがポルシェの場合は「しっかり奥まで」押さないと動作せず、しかしぼくはこれについて、「いいのか?そのスイッチ押して。ちゃんと考えて押せよ」とポルシェがメッセージを送っているように感じられてなりません。
ポルシェは「スピードリミッターを持たない」数少ない自動車メーカーですが、それは「どんな速度域であってもポルシェが責任を持つ」ということ。
ただ、ドライバー側にもそれなりの覚悟と責任が必要であり、「軽々しい気持ちで操作してはならない。我々も軽々しい気持ちでクルマを造っているのではない」とクルマが語りかけているのではないか、と考えているのですね。
よって、ポンと押して終わりという操作感を”あえて”採用せず、覚悟を決めて押す必要があるスイッチを採用しているのかもしれません。
とくに、未だに「キーをひねってエンジンスタート」をわざわざ採用しているのは、それを端的に表している部分なのかもしれません。
ブレーキが鳴く
これは事前に把握していたのでとくに問題視はしていませんが、ほかのクルマに比較するとかなりブレーキ鳴きが大きい、と考えています。
納車直後はローターとパッドが馴染んでおらずにそれほど鳴きが発生せず、しかししばらく乗っていると「鳴き」が盛大に出るように。
ポルシェにはこの「ブレーキ鳴き」のクレームが多く入っていると見え、ポルシェは「ブレーキ鳴きは問題ではない」という動画を公開しているほどです。
とりあえず上記が今のところ感じる印象ですが、また思うところがあれば追加で公開したいと思いますが、とにかく、ポルシェ(のスポーツモデル)を高級車だと思って購入してはならないということだけは覚えておいてほしい、というのがぼくからのメッセージです。