| フェラーリから「認められる」顧客になるには相当な努力が必要となりそうだ |
そもそも一般のボクらにはテーラーメイドを利用する権利すら回ってこなさそう
さて、フェラーリは自社のパーソナリゼーションプログラム「テーラーメイド」にて様々なカスタムを行い、その内容を随時公開していますが、このテーラーメイドというのは顧客が「テーラーメイドでなんかカスタムして」といってもフェラーリが受けてくれるものではなく、フェラーリの正規ディーラーあたり年間3名くらいしか「枠」がないという狭き門なのだそう。
たしかにこのテーラーメイドでフェラーリをカスタムするには、打ち合わせや製造期間も含めて相当な時間を要することになり、フェラーリとしても時間や人材は無限ではないので、このサービスを限られた顧客に絞るのは道理にかなった選択だと言えますね。
フェラーリのビジネスの基本は「排他性」
なお、フェラーリはかつてボディカラーを制限していた時期があって、F40だとロッソ(レッド)のみ、F512Mだとロッソ、ジャッロ(イエロー)、ネロ(ブラック)、そしてエンツォフェラーリについてもロッソ、ジャッロ、ネロ、シルバーあたりにカラーが絞られていたといい、もちろんこれらモデルは「限られた」顧客しか入手できない限定モデルであったものの、その限られた顧客であったとしてもカラーの選択肢に制限があった、ということになりますね。
ただし正確に表現するならば、その限られた顧客の中でも更に一握りは”例外的に”特別なカラーを指定することができたといい、そのため世の中には非常に希少なモデルが存在するもよう。
つまりは「フェラーリが認めた顧客しかできないカスタム」があるということで、このテーラーメイドもそういった制限のひとつということになりそうです。
さらに言うならば、既存モデル(限定車含む)のカスタムに制限に加え、ワンオフモデル(ボディ形状を変更するようなフオーリ・セリエ)の製作にも制限があるといい、こちらはフェラーリによれば「上位250名しかオーダーできない」。
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つまりはフェラーリについて、(プロサングエのような)カタログモデルについても購入のハードルがあり、さらに限定モデルだとそのハードルが高くなり、テーラーメイドというまた別のハードルも存在し、これらに加えてまた別の制限が存在するということになりそうです(その多くは一般人にはクリアできそうにないものではあるが)。
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このフェラーリ・モンツァSP2はこんな仕様を持っている
そこでこのフェラーリ・モンツァSP2を見てみると、ボディカラーはヴェルデ・マッソーニ、そしてネロにジャッロ・モデナのリバリー入り。
選択できるボディカラー自体は「テーラーメイドであっても、そうでなくても」差異はないそうですが、自分だけのワンオフカラーを調合してもらったり、グラデーションや特殊なグラフィックを入れるとなるとテーラーメイドでしか対応ができず、よって「他の誰も選べない」仕様にしたいと思うならばテーラーメイド以外の選択肢はないということに。
ちなみにICONAシリーズ、テーラーメイドにて製作される車両はフェラーリの工場ではなく、フェラーリの公認ペイントショップ、カロッツェリア・ザナシが担当すると言われています。
そしてこのフェラーリ・モンツァSP2のインテリアを見てみると、使用されるファブリックはドイツのAUNDE社によるものだと紹介されています。
最近はレザー以外の素材を使用する例も少なくはなく、環境への配慮といった側面もあるかもしれませんが、ICONAシリーズの場合だと「かつてのフェラーリのレーシングカー」をイメージした車両ということもあり、当時(のレーシングカー)風の仕上げにしたいと考える人も多いのかもしれません。
そしてエクステリア同様にイエローのアクセントが入り、シートのみではなくパドル側面ににもラインが入るなど、細部に至るまでこだわりぬいた仕様となっていますね。
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参照:Ferrari