| EVの普及と充電施設の拡充は「タマゴとニワトリ」の関係でもある |
EVを普及させようと考えるならば充電器の設置は欠かせない
さて、メルセデス・ベンツは2020年代までに世界的に急速充電ネットワークを構築するという構想を公表し、欧州や中国などの市場全体で1万基以上の充電ステーションを設置すると発表。
ひとまずは北米からこの計画が始められ、現地ではMN8エナジーとチャージポイントの協力のもと、2027年までに地域全体で400以上の充電ハブ、合計2,500台の充電器を設置する計画です。※日本ではどうなるのか、今回のプレスリリースでは言及がない
メルセデス・ベンツはほかブランドにも充電器を開放
なお、ここで特筆すべきはメルセデス・ベンツが「自社のEV専用」ではなく他社のEVを充電するためにもこのスーパーチャージャーを開放すること(もちろん自社、そして他社のEVの充電も有料)。
最近テスラは自社の充電器「スーパーチャージャー」を他社のEVにも開放していますが、これと同様の動きを見せるということになり、しかし事前に充電器を予約できるのはメルセデス・ベンツのオーナーのみ、とのこと。
この充電ハブにつき、場所によって4〜30基の充電ステーションを提供し、それぞれが最大350kWの電力を提供することになり、メルセデス・ベンツによれば、”インテリジェントな充電負荷管理”を採用することによって車両に負荷をかけることなく最大速度で充電できるようにし、膨大な待ち時間を回避する、ともアナウンスしています。
EV発売以来、その普及を妨げているのは(高額な車両価格を除くと)航続距離の少なさ、そして充電設備の少なさだというので、メルセデス・ベンツは少しでもこれを回避しようということになりそうですね。
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メルセデス・ベンツは「ブランディング」も考慮
なお、現在は各国政府がEVの普及を推進している状態ではありますが、いずれの国でも「公共の」充電施設を作ってくれるわけではなく、その充電施設の普及は(殆どの場合)民間企業や自動車メーカーに託されているのが現状です。
そしてテスラは上述のような「EV購入の際の障壁」が充電施設であることをいち早く認識しており、よって自社にて充電器を大量に設置しているわけですが(あまり言及されないが、これはテスラの大きなセールスポイントでもある)、メルセデス・ベンツもここに追従するということになるのかも。
なお、このメルセデス・ベンツによる充電ポイントは、天候を気にせず充電できるように屋根が設けられ、(勝手にプラグを差し替えたり、アイシングといった行為を回避できるよう)監視カメラを設置し、さらには食料品店、トイレも設置される予定だとされています。
つまりは相当なコストをかけて設置を行うことになりますが、メルセデス・ベンツはもちろんチャリティのためにこれを行うわけではなく、ここでメルセデス・ベンツならびにEQブランドを十分にアピールし、間接的に自社のクルマ、そしてEVの販売に結びつけることを狙っていると言われますが、「無料充電クーポン」等を発行することで自社のクルマのプロモーションをすすめることもできそうですね。
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