| アルピーヌが販売を増加させようとなると欧州以外の地域で販売を拡大するよりほかはない |
そうなるとアルピーヌは合計で5モデルもの構成を誇ることに
さて、ぼくの大好きなブランド、アルピーヌ(いつかは買わねばと考えているが、未だに購入したことはない)。
日本ではさほど存在感を発揮できていないものの、世界的に見ると2022年に前年比33%増の3,546台を販売し、もちろんこれは新記録となっています。
なお、アルピーヌの構成車種は現在A110のみなのですが、もともとA110発売以降はSUVを投入するという計画も持っており、そして今回どうやらそれが「ちょっと形を変えて」実現するもよう。
アルピーヌは完全なる電動化ブランドへ
アルピーヌが現在の形で展開を開始した際にはまさか現在のように「ガソリン禁止」が現実になろうとは考えられず、よってA110の後にガソリンエンジンを積むSUVを発売する予定であったと報じられるものの、今回発表された新しいプランでは3台の電動化モデルを投入して「ドリームガレージ」を完成させると言われます。
その一部はすでに公開されていたものの、今回はかなり明確な形でそれが示され、まずは「FOR ME」つまりパーソナルユースとしてはルノー5のハイパフォーマンス版となるホットハッチを、そして「FOR US」=家族向けとしてはすでに話が出ていたクロスオーバーのGT X-Over、最後は「FOR THE WEEKEND」として週末のドライブを楽しむスポーツカー(これがA110のく憶説の後継になるものと思われる)。
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これらのラインアップは2025年までに発表されると言われますが、2022年11月に行われたカーメディアによるインタビューにて、ルノーグループCEOのルカ・デ・メオ氏は「2027年と2028年に、やや大型のSUVを発表する」とコメントしており、これはどうやら米国市場に参入するためにアルピーヌが選択する追加での「武器」となるもよう。
アメリカ市場では大きなクルマが好まれ、それはマツダが「CX-70とCX-90」を北米専用として導入することでもわかるとおりで、アルピーヌも北米専用として大きめのSUVを用意するということになりそうですが、アルピーヌCEO、ローラン・ロッシ氏によれば2つの新型車はいずれもポルシェ・マカンやカイエンと戦うためのSUVになると語っており、つまりはけっこう大きなクルマだと考えていいのかもしれません。
これらアルピーヌの大型SUVはロータス・エレトレと兄弟車に?
そして現在ウワサされているのが、このアルピーヌの新型SUV「2モデル」についてロータス・エレトレとの兄弟車になるのではないかということ。
というのもアルピーヌとロータスはすでに提携を発表しており、これはエレクトリックスポーツカーの開発にとどまると発表されているものの、シナジー効果を考えるならばここから提携内容が拡大する可能性もあると考えられるためです(加えて、現在は提携発表当初とは事情が異なる)。
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さらにアルピーヌを有するルノー、そしてロータスを保有する吉利汽車とが(ガソリンエンジン開発においてですが)合弁企業を設立するという事実もあり、両者の距離はこれまでになく近づいている、ということに。
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ただし懸念がないわけではなく、どういうことかというと、ロータス・エレトレはポルシェ・カイエンをターゲットにしており、しかしそこにアルピーヌも(エレトレと同じピュアエレクトリックSUVというくくりで)カイエンの対抗馬を投入してしまうと、ロータスとアルピーヌとが競合してしまい、提携によって(ロータスからすると)無用なライバルを増やしてしまう可能性が出てくるわけですね。
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ちなみにローラン・ロッシCEOはこのSUVのうちひとつについては「全長5メートル、重量2トン」になるとコメントしており、こういった具体的な話が出てくるということは、すでにプラットフォームは決定済みなのかもしれません。
報道によれば、ルノーはそのパフォーマンス部門(つまりアルピーヌ)に関して大きな野心を抱いているとされ、10年後までに販売台数を15万台にまで伸ばしたいと考えており、これは2022年の販売台数の約42倍。
つまりは相当な成長が必要ということになりますが、新規市場への参入によって成長の50%をまかない、2030年までに総販売台数の15%をヨーロッパ以外の地域で達成することでこれを成し遂げる意向だとも。
そしてヨーロッパ以外の地域を対象にするとなれば、自動車販売において世界ナンバー1とその次の中国とアメリカを外す事はできず、そのための戦略兵器がこのSUVたちである、というわけですね。
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