| BMWはメルセデス・ベンツやベントレーと並び、忠誠心の高い顧客に高額な限定モデルを「買ってもらえる」ブランドでもある |
ロールス・ロイス、そしてBMWブランドでも3.0CSLという成功体験があり、これに続くのは間違いないだろう
さて、BMWはつい先日、これまでに発表されたコンセプトカーの中ではもっとも美しいと評される「コンセプト・スカイトップ」をコンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステにてお披露目していますが、これは昨年に公開されたZ3クーペの再来「コンセプト ツーリング クーペ」とは異なって市販に移される可能性があるもよう。※コンセプト・ツーリングクーペは1,000台が製造される予定であったそうだが、なぜかプロジェクトがキャンセルされている
たしかにコンセプト・スカイトップは現実的なドアミラーや牽引フックカバーなどを装備する(世界中の法規に対応した)エクステリア、M8の面影を色濃く残すインテリアなど「今すぐに市販化できそうな」仕様を持っており、リークされた段階から「市販される可能性が高い」と見られていたわけですね。
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BMW コンセプト・スカイトップは20〜25台程度が市販?
そして今回、 BMWグループのデザイン責任者であるエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏がカーメディアに対し、「コンセプト・スカイトップの量産版が検討されている」「生産するとなると20〜25台」と語ったと報じられていますが、その価格については言及されておらず、しかし軽く「億」に乗るのは間違いないと考えていいのかも。
実際のところ、BMWは少し前に「3.0CSL」を1億2000万円程度で(価格は公式にアナウンスされていない)50台のみ限定発売していますが、こちらはすぐに完売してしまったといい、この内容としては「M4 CSLをパワーアップしてマニュアルトランスミッションを組み込み、その外装を専用デザインへと変更したもの」。
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これによってBMWはベース車両のM4 CSLの5.5倍もの値付を可能としており、よって今回のスカイトップも(ベースとなる)M8コンバーチブルの価格を遥かに超えることになると考えるのが妥当です。
加えて、BMWグループに属するロールスロイスでは「1台十数億円の(あるいは数十億円の)」ボートテイルやドロップテイルを成功させた例もあって、「超少量生産、超高価格」モデルの展開をグループあげて加速させるとしても不思議ではありません。
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参考までに、メルセデス・ベンツも少量生産による超高級ブランド「ミトス」を立ち上げ、先日その第一号である「AMGピュアスピード」を公開したところですが、こういった「超高価格」「少量限定」ビジネスは一つのトレンドであるとも考えられます(ベントレー・バトゥールも同様である)。
もちろん、数を絞って高級なクルマを作れば顧客が勝手に購入してくれるわけではなく、こういったビジネスが成り立つのはメルセデス・ベンツやBMWなど歴史ある自動車ブランドのみ、つまりなんらかのデザイン的あるいは歴史的「資産」を持つ場合のみであり、そしてこのような手法は莫大な利益を生む(とロールスロイスが述べていた)ため、BMWとしても「やらねば損」といったところなのだと思われます。
加えて、こういった「億」単位のクルマを売り切ることでブランド価値をさらに向上させることも可能となるうえ、通常の市販車を販売しやすくなることも間違いなく、ぼくとしても積極的に展開してほしいものだと考えています。
なお、ぼくが今後BMWに望むのは2008年の「M1オマージュ」、そして・・・。
2011年の328オマージュ、さらに・・・。
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参照:Automotive News