| 過剰な馬力を追求せず、追求したのはあくまでも「ドライバビリティ」
エスコート MK1 RSの価格は5700万円、150台のみの限定生産
さて、フォード・エスコートMk1は、イギリスの自動車愛好者にとって特別な存在で、ラリーレジェンドとしても知られ、一般の人々に手の届くパフォーマンスを提供したことで愛されています。
アメリカでのマスタングと同じように、エスコートはその時代のアイコンとなっていて、それを示すかのように、これまでにも多くのコーチビルダーがエスコートのレストモッドを制作しているというのが現在の状況ですが、ただし今回紹介するボレアム・モーターワークスはほかのレストモッダーとは一味異なるアプローチを採用することに。
そのコンセプトは「コンティニューモッド」
今回ボレアム・モーターワークスが提唱するのは「コンティニューモッド」というコンセプトで、「レストア+モディファイ=レストモッド」「EV化モディファイ=エレクトロモッド」ではなく、「継続生産されていたならばという姿を想像したカスタム」。
この「継続生産」はジャガーがDタイプ等、ベントレーがブロワーにて取り入れた概念ではありますが、「当時のモデルをそのままの技法や素材をもって追加生産する」というもの。
ただしボレアム・モーターワークスはここに「モディファイ」を付け加えていて、これは「元の車両に忠実でありながら、時代に合ったデザインや技術を盛り込んで改造するもの」だと説明しています。
そしてこのコンティニューモッドによって誕生したクルマは「クラシックなオリジナルの魅力と、現代のデザインと品質、テクノロジーとの融合」ともいうべき存在で、様々なアップデートが盛り込まれることに。
ボレアム・モーターワークスでは「ほぼレーススペック」の提供も
まず、このエスコート MK1 RSには2つのエンジン選択肢があり、ひとつは182馬力を発生する2リッター4気筒、もうひとつは296馬力を絞り出す2.1リッター4気筒(許容回転数は10,000RPM)。
ちなみに後者では5速のドッグレッグギアボックスやチタン製エキゾーストシステムが組みわせられており、「よりモータースポーツ志向の」スペックを持っています。
加速や最高速度の数字は公開されていないものの、このクルマで注目すべき点はそのハンドリングだと説明されており、現代的なサスペンションと駆動系を組み合わせ、高い応答性と俊敏性を持つドライブフィールを実現するのだそう。
インテリアについては、モータースポーツにインスパイアされたデザインを維持しつつ、現代的な快適性も提供し、フルロールケージにアルカンターラ張り、ディープディッシュステアリングホイールとファブリック製ドアプルといったレーシングカー的な要素が盛り込まれつつ、アップルカープレイにも対応するインフォテイメントシステムが「目立たないよう」組み込まれているようですね。
このエスコート Mk1 RSは150台のみが限定生産されるそうですが、その価格は(これだけこだわっているからには)安くなく、295,000ポンド(現在の為替レートにて約5700万円)からに設定されています。
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参照:Bpreham Motorworks