| フェラーリのビジネスの根幹にあったのは、常に「ブランド力を高める」ことである |
そしてフェラーリは徹底した顧客管理を行うことでも知られている
さて、色々と物議を醸しているフェラーリ・プロサングエですが、なんだかんだで需要が非常に高いと見え、中古市場では1億円を突破した値付けがなされているもよう。
日本の中古市場での登録は現在のところゼロですが、米国では数台が売りに出されており、いずれも現地での希望小売価格を30万ドル(現在の為替レートにて約4600万円)上回る70万ドル(約1億800万円)にて販売されていることが確認済み。
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フェラーリ・プロサングエは「自然吸気V12」エンジンを搭載する唯一のSUVである
プロサングエはフェラーリにとって「初」のSUVであり、しかし6.5リッター自然吸気V12エンジンを搭載していることが大きな特徴。
そしてV12エンジンはフェラーリの「象徴」だと考えてよく、(現在では)特別なクルマにしか与えられないといった性質もあり、購入することが非常に困難だとされ、実際のところプロサングエはフェラーリの上位顧客のみに購入が許される「特権」となっているわけですね(フェラーリはこれを「ギフト」と称している)。
そして特別なクルマゆえにポルシェ・カイエンはもちろん、アストンマーティンDBX、ランボルギーニ・ウルスの価格帯を遥かに超え、ロールス・ロイス・カリナンとほぼ同じ位置に存在していますが、そこからさらにプレミアが大きく乗っていることには驚かされ、「フェラーリのSUV」に対する市場の興味が非常に強いことがわかりますね。
この価格の強さが「フェラーリ」を象徴している
参考までに、現在北米で販売されているフェラーリ・プロサングエの価格は67万9980ドル~69万9980ドルだそうですが、ランボルギーニ・ウルスの新車価格が(現地で)24万ドルであることを考慮すると相当なレベルということに。
もう一つ参考までに、ここまで価格が上昇する理由としては「生産台数が絞られている」ことに加え、販売対象がフェラーリの上位顧客のみに限定されていることが大きく、というのもフェラーリの上位顧客は「懐が深い」ために購入したフェラーリを「数千万円の利益のために」転売する必要はなく、かつ忠誠心が非常に強いので「登録から1年の間は新車の売却を控えて欲しい」というフェラーリの要望を遵守する確率が高いと思われ(フェラーリの意に反すると希少車の購入権利がなくなってしまう)、よってまだ納車からさほど日が経っていないプロサングエの流通量が”少ない”わけですね。
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そしてもちろん、こういった「市場と流通量のコントロール」が可能となるのはフェラーリの高度にシステム化された顧客管理システム(信頼できる顧客にしか販売しないことは重要である)、そしてフェラーリが創業以来高め続けてきたブランド力によるものであり、他の自動車メーカー / ブランドが一朝一夕に真似できるものではない、とも認識しています。
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