
| ベルトーネの今後の展開にはおおいに注目である |
ボクとしてはやはり「カラボ」「アトン」「ストラトス・ゼロ」の市販を期待したい
さて、見事復活を果たしたイタリアのコーチビルダー、ベルトーネが「55年前に発表されたコンセプトカー」、ランナバウト(Runabout)」を市販すると発表。
このベルトーネはかつてランボルギーニ・ミウラやカウンタックをデザインしたことでも知られ、しかしながら各自動車メーカーが車両デザインを「内製化」するに際して仕事が減ってしまい、かつては倒産の憂き目にあっています(2008年、2015年に二度の倒産を経験)。
しかしながら今回、(おそらくは名称使用権の獲得によって)華麗に復活し、少し前には「新型車を発売する」とアナウンスしていたわけですね。※2008年の倒産時、ベルトーネは分割されて一部はフィアットの手にわたっている
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ベルトーネが1969年の「ランナバウト(アウトビアンキ A112 コンセプト)」を現代に復刻。少量ながらも生産され、現時点でわかっているのは「500馬力、価格は5800万円くらい」
Image:Bertone | 「新ランナバウト」のベースとなる車体、エンジン供給元もナゾである | 「ポップアップヘッドライト」的なヘッドライト構造がどうなっているのかが気になって仕方がない さて、 ...
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伝説のクルマがついにいま蘇る
そしてこの「新型車」が今回発表された新しいランナバウトということになりますが、これはベルトーネにとって「長年の夢の実現」といってもよく、「オリジナルのランナバウト」はもともと1969年に発表されたアウトビアンキ A112のFF用パワートレインを車体ミッドに搭載しベルトーネが作り上げたコンセプトカー(よって、 アウトビアンキ A112 コンセプトとも呼ばれる)。
ベルトーネ・ランナバウトは1969年に発表され、ベルトーネ(というかマルチェロ・ガンディーニ)の愛するウェッジシェイプ(くさび形)デザイン を採用し、そしてウェッジシェイプの先駆けとして自動車デザインに革命を起こします。
しかし、その後長らく世に出ることはなく、デザインの一部はフィアット X1/9 に流用されたものの、本家「ランナバウト」は長い間忘れ去られていたわけですね。
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ついに復活宣言を行ったベルトーネ。モナコにて「1,108馬力、ガソリンエンジンオンリー」のGB110を公開、33台のみ限定にて販売を開始
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新生ベルトーネ「ランナバウト」は25台のみの限定生産
復活を果たしたベルトーネは(2023年に)このランナバウトを市販すると宣言することになるのですが、極端なウエッジシェイプにミドシップを維持しつつ、エンジンをV6へとスケールアップすることで(当時の55馬力から)460馬力へと大きなジャンプアップを果たし、限定25台にて生産を行う計画を明らかにしています。
そして今回ようやくその姿や詳細(の一部)が公開されることとなり、リトラクタブルヘッドライト(ポップアップヘッドライト)を持つことが確認され、そしてオリジナルバージョンにはなかった「ルーフ(取り外し可能なタルガトップ。オーナーには嬉しい装備である)」を選択できることも明らかに。
気になる価格は35万ユーロ(現在の為替レートでは約5600万円)なので、最近のハイパーカーに比較すると「まだ求めやすい」価格となっていますが、ベルトーネはこのランナバウトを、ベルトーネが新たに計画する 「Bertone Classic Collection」 の第一弾モデルと位置付けており、今後続々と過去のアイコニックなコンセプトカーが”復活”する可能性を示唆しています。
現在のところ、どういったコンセプトカーが復活するのかは明かされていないものの、ベルトーネの歴史には、数々の 魅力的なコンセプトカー が眠っており、今後の展開にはおおいに期待したいところですね。
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