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| BMW M、“ドリームカー”計画を正式に認める |
次なる限定モデルは3.0CSLの系譜を継ぐ存在に?
BMWのモータースポーツ部門「M」が、ごく少数のみ生産される新たな“フラッグシップモデル”を企画中であることが明らかに。
これはBMW M副社長のシルビア・ノイバウアー氏が、ル・マン24時間レースの現地でBMW Blogのインタビューに答えたもので、彼女によれば「限定生産の夢のようなモデルを作ることに社内の同意が得られており、すでに開発枠が確保されています」。
これは2022年に登場したM4ベースの3.0CSL(世界限定50台/約88万ドル)に続く、“コレクター向け小シリーズ”戦略の延長線上にあると考えられます。
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FAQ
FAQ(よくある質問と回答) ここではFAQ(よくある質問と回答)について記載しており、随時追記を行ってゆく予定です。 Q1.「Life in the FAST LANE.」とはどういう意味ですか? ...
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加えて、BMWは「スカイトップ」「スピードトップ」といった少量生産モデルから何らかの手応えを感じ取ったのだと思われ、かつグループ傘下にあるロールス・ロイスではコーチビルドモデルが大きな収益をあげていることから「BMWもその方向へ」という考え方に至ったのかもしれず、もしかするとここで(傘下に収めた)アルピナが大きく関わってくるのかもしれません。
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さよならBMW M8。ウワサどおりM8クーペが販売終了となり、M8ラインアップが風前の灯に。M8の市場はアルピナが引き継ぐ可能性も
Image:BMW | 今後アルピナは「BMWが埋めることができない」ギャップを担当するものと思われる | そしてBMWからの「次世代M8」を期待することは難しいのかもしれない さて、以前よりウワサが ...
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「少数のコレクターズモデル」と「手の届く小シリーズ」の二段構え?
シルビア・ノイバウアー氏によれば、新モデルの位置付けは「ブランドを象徴する超少量生産のドリームカー」である一方、「比較的手の届く価格帯で、より多くのMファンに提供される“少量生産シリーズ”であることも視野に入れている」。
これはつまり、たとえば:
- 超限定版:50台前後、生産終了確定の“記念碑”的モデル
- 小シリーズ:500〜1000台程度、ハイパフォーマンスだが価格はM8並み
といった二層構造の販売戦略が展開される可能性を示唆しています。
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BMWが最新少量生産限定モデル「スピードトップ」を正式発表。ルーフにはグラデーション、専用ラゲッジも付属し70代のみが裕福な顧客の手に
Image:BMW | BMWは今後、スカイトップやスピードトップのような少量生産モデルを「一つのビジネス」として展開するのかも | 「細長いテールランプ」はBMWの特別なモデルの象徴となりそうだ B ...
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ベースはM4?Skytopの市販化も視野に?
ただし完全新設計のプラットフォームを起こすにはコストがかかりすぎるため、今回の“ドリームカー”も既存モデルをベースに構築される公算が大きく、実際に3.0CSLがM4をベースにしていたように、今回も同様のアプローチが取られる可能性が非常に高いと見られています。
そしてコレクターが望むのは「長期にわたり価値を発揮できるモデル」であるはずなので、ハイブリッドパワートレインを積むM5をベースとする可能性は低く、逆にM4のほかに「M8」をドナーとして採用する可能性もありそうですね。
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EV全盛の今だからこそ、「内燃機関+MT」に期待したい
BMWは今後、EV版M3の市販を予定しているものの、今回の“ドリームカー”については上に挙げた理由から内燃機関を搭載する可能性が高いと見られていて、特にコレクター層や純粋主義車にとっては「ガソリンエンジン+MT」の組み合わせは依然として熱烈な支持を得ています。
もちろんCO2排出量の大きなガソリン車を製造することはBMWにとって「CAFE規制に対応できず罰金額が増加する」ことを意味しますが、その罰金と比較したとしても、「得られる金銭的利益がそれを上回り、そもそも大きな影響が出るほどの台数でもなく、なによりブランドイメージ向上などマーケティング上の効果が大きい」ということなのかもしれません。
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夢を形にする“象徴的な一台”がMブランドに求められている
実際のところ、「我々M部門には、ブランドを象徴する存在が必要だ」とシルビア・ノイバウアー氏は語っており、この“象徴”は、単なるスペックだけでなく、エンスージアストの情熱とブランドの哲学を体現したモデルとなる必要があるわけですが、 EVが拡大する時代において、“あえて内燃機関にこだわる少数生産モデル”こそが、BMW Mのコアバリューを再定義し、明確なメッセージを顧客に届けうる存在になるのでは、とも考えています。
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| この8シリーズのレストモッドにはBMW愛が詰まっている | この素晴らしい出来栄えには誰もが驚嘆せずにはいられないだろう さて、BMWは8シリーズを2世代にわたって生産していますが、その「初代(E ...
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| 新車販売時に価格は明かされておらず、ボディカラーなどの選択肢も不明である | 一説によるとボディカラーは50台全てが「アルピンホワイトにMカラー」 さて、BMWは2022年11月に「BMW史上もっ ...
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参照:BMW Blog