
| これまでにも「エンジンスワップ」を行ったデロリアンは多数存在したが |
さすがに「フェラーリのV8エンジン」搭載車は初めてである
デロリアンDMC-12──映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で一躍有名になったこのクルマは、その未来的なルックスとは裏腹に、搭載されていたルノー製V6エンジンのパフォーマンスが物足りないことでも有名です(しかもサウンドも心もとなく、よって映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では別途V8サウンドがあてられていた)。
しかし今回紹介する個体はまったく別次元へと進化しており、フェラーリ製V8エンジンをミッドに搭載したうえで足回りやブレーキも一新され、さらにはマニュアル・トランスミッションを搭載することに。
ここでその内容う見てみましょう。
ベースは放置されていたエンジン無しデロリアン
このプロジェクトは、チューニングブランドFuelTechの支援により実現したもので、もともとエンジンが外され、長年放置されていたデロリアンDMC-12に、なんと(クラッシュして廃車になった)フェラーリ・カリフォルニア(2012年式)から拝借した4.3リッターV8(F136型)を搭載しています。

ざっと簡単なスペックは以下の通り。
- 最高出力:453ps(337kW)
- トランスミッション:ポルシェ911の6速マニュアル
- 駆動方式:RWD(後輪駆動)
■サスペンションとブレーキもスーパーカー級に刷新
さらにはエンジンだけでなく足回りも大幅に強化され、外観は純正の雰囲気を維持しつつ、しかしホイールは大型化され、オリジナルと現代パフォーマンスの絶妙なバランスが保たれています(灯火類にも現代のテクノロジーが注入されているようだ)。
- KW製車高調サスペンション
- 強化ブッシュ、アルミ製コントロールアーム
- 大径ブレーキシステム
- Toyo Proxes R888ハイグリップタイヤ
最大の難関は「シャシーの剛性」
デロリアンの構造は(ロータスの設計による)バックボーンシャシー。
これは現在のラダーフレームやボックスタイプに比べて剛性が劣る構造で、V6ですら車体がねじれることで知られていて、当然ながら453psものパワーを受け止めるには剛性対策が必須であり、ビルダーはこの点に配慮してフレームの補強加工を施しています。
ちなみにインテリアは「総入れ替え」、メーターはフルデジタルへ。

フェラーリ×デロリアンの初走行は「Caffeine and Octane」イベントにて
なお、この「フェラーリV8搭載デロリアン」は制作段階からかなり有名なクルマでもあったようで、完成後にはアメリカ・アトランタで開催される「Caffeine and Octane」というカーイベントへと参加していますが、その登場の際には映画さながらにスモークを焚いており、そしてその人だかりが人気の高さを伺わせます。
なお、この車両は2024年のSEMAショーにて初披露されていたものの、その時点ではまだ完全に走行できない状態であったといい、よって今回の走行が真の意味でのデビューとなったわけですね。

フェラーリ×デロリアンを紹介する動画はこちら
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参照:DeLoreanTECH