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ランボルギーニ・ポロストリコ、創設10周年に際し「ミウラ60周年ツアー」を発表。現存する「最古のランボルギーニ」も公開

ランボルギーニ・ポロストリコ、創設10周年に際し「ミウラ60周年ツアー」を発表。現存する「最古のランボルギーニ」も公開

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| ランボルギーニはいまや「過去のクルマの価値をいかに維持するか」という段階に |

ヴィンテージモデルの価値が「現行モデルの価格を決める」

ランボルギーニが2025年10月、イタリア・ボローニャで開催される「Auto e Moto d’Epoca」において、ヘリテージ部門「ポロストリコ(Polo Storico)」の設立10周年を祝う特別展示を実施すると発表。

さらにこのイベントの場では、2026年に開催される「ランボルギーニ・ポロストリコ・ツアー」—ミウラ60周年記念イベント—の開催についても正式にアナウンスしています。


ポロストリコ10周年の集大成、最古の「350GT」登場

今回の展示で主役を務めるのは、現存する最古のランボルギーニ「350 GT(シャシーNo.2)」。

これはランボルギーニ初の市販車であり、1964年のジュネーブ・モーターショーで発表されたモデルですが、3.5リッターV12エンジンを搭載し、カロッツェリア・ツーリングの“スーパー・レッジェーラ(Superleggera)”構造によって製作されたクルマです。

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特筆すべきは、ボンネットに装着された白と黒の試作版ランボルギーニ・エンブレム。

これはフェルッチオ・ランボルギーニ自身が考案した初期デザインのひとつで、現在の「金の闘牛+黒地」の象徴的なロゴに先駆ける「非常に珍しい」意匠です。

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ランボルギーニ・エッセンツァSCV12
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この350GTは現在、ポロストリコによるオリジナル認証(Authenticity Certification)を受けており、そのプロセスも展示の一環として紹介されている、と説明されています。

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1963年の“原点”を再発見:1:1スケールのインテリア図面

展示ではさらに、ランボルギーニのアーカイブから発見された350GTの1:1スケール・インテリア設計図(1963年制作)が公開され、これは現存する中で最古のランボルギーニ公式資料であり、カロッツェリア・ツーリングとの緊密な協業を示す貴重な証拠なのだそう。※フェラーリは(レーシングカー製作からスタートしたためか)すべの生産車に関する司祭な記録が残っているというが、ランボルギーニの場合は記録が残っていないものが存在する

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フェラーリ
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このイベントでは同時に、ポロストリコが提供する二大サービス「レストア(Restoration)」および「認証(Certification)」を紹介する書籍や資料も展示しており、この展示全体が、ランボルギーニの“工業遺産と美学の保存”という使命を象徴しているかのようですね。

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「ミウラ60周年ツアー」発表 ― 世界初のスーパーカーへのオマージュ

「ポロストリコの10周年を締めくくるにふさわしいのは、我々の物語の原点である350GTの展示です。同時に、未来へ向けた活動として、2026年には“世界初のスーパーカー”ミウラを称える特別なツアーを開催します。」

ランボルギーニのアフターセールス責任者 ジュリアーノ・カッサター

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この「ランボルギーニ・ポロストリコ・ツアー」は、ミウラ誕生60周年にあたる2026年を記念し、世界中のオーナーとコレクターが参加する公式ツーリングイベントとなる予定。

ミウラは1966年に登場し、ミッドシップレイアウトの量産GTとして自動車史を変えた存在ですが、その革新性と美学を再び世界に伝えるべく、ポロストリコは新たな“ヘリテージ活動の章”を開こうとしているわけですね。

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ランボルギーニ・ミウラ
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Auto e Moto d’Epoca:欧州最大級のクラシックイベントに出展

今回開催の「Auto e Moto d’Epoca」は、ヨーロッパを代表するクラシックカー&モーターサイクルイベント。

今年はランボルギーニの地元ボローニャで開催され、「モーターバレー」エリア(ホール29)にて同ブランドの展示が行われて、イベントは10月23日から26日まで一般公開され、25・26日は19時までオープン予定となっています。

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ポロストリコが担う“過去と未来の橋渡し”

ランボルギーニにおける「ポロストリコ」とは、単なるクラシック部門ではなく、それは「過去の保存」のみならず、「未来の価値創造」を目的としたランボルギーニの文化的プロジェクト。

今回の展示で披露された350GTやミウラの遺産は、単に古い車を称えるものではなく、“技術と情熱を次世代に継ぐこと”を体現しているものだと考えられ、さらに2026年のミウラ・ツアーは、その象徴的イベントとなりそうです。

そしてピエモンテの山岳路を駆け抜けるミウラの姿は、ランボルギーニの原点が今なお“生きている”ことを証明するに違いなく、世界中から馳せ参じたミウラの姿を見ることができるのかもしれません。

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参照:Lamborghini

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