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| メルセデスAMGは今頃「冷や汗」をかいているかもしれない |
■ トヨタとレクサス、次世代スーパーカーのテストを世界各地で実施
トヨタとレクサスは2025年夏、「GR GT」と「Lexus Sport Concept」と呼ばれる新型フラッグシップスポーツのテストを世界各地のサーキットにて開始していますが、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでも公式に車両が公開され、大きな注目を集めたのは記憶に新しいところかと思います。
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■ 新型V8エンジンの存在が明らかに
そして今回、トヨタのパワートレイン開発会社プレジデント、上原隆氏がジャパンモビリティショーで明かしたところによると、これらのモデルには新開発のV8エンジンが搭載されるとのこと。
すでに公開されたプロモーション動画では、明らかにV8特有の咆哮が確認されており、ファンの間では「復活する純ガソリンV8」として話題になっていますが、その予想が裏付けられた形であるといえそうですね。
■ GRヤリスの直4をベースにした“倍化”V8
興味深いのは、このV8がGRヤリスMコンセプトに搭載される2.0L直4ターボをベースに開発されている点で、単純に倍化すれば4.0リッターV8ツインターボとなり、これにハイブリッド技術を組み合わせる可能性も十分に考えられます。
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この直4が400馬力超を発揮することを考えると、V8仕様では最大800馬力級となる計算となり、ポルシェ911ターボSやメルセデス-AMG GT R PROをも凌駕するスペックとなる可能性も非常に高く、もしかするとGR GTやレクサスLFRはハイパフォーマンスカーにおける「台風の目」となるのかもしれません。
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■ トヨタとレクサス、それぞれ異なるV8特性を採用か
上原氏は「V8には“穏やかな”仕様と“筋肉質な”仕様が存在する」とも語っており、トヨタ版はよりハードなトラック志向、レクサス版はよりラグジュアリーな味付けになる可能性も推測され、具体的には、
- トヨタ GR GT → ピュアスポーツとしての高回転・高出力志向
- レクサス Sport Concept → ハイブリッドシステムを活かしたトルク重視・滑らかな特性
 
という住み分けが想定されます。※さらには「センチュリー」にも転用される可能性がある
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■ なぜ今、V8なのか?
上原氏によると、「最大出力と回転数、燃焼室設計を最適化するためにはV8が理想だった」。
ハイブリッドや電動化が進む中、内燃機関の“究極形”としてのV8をトヨタはまだ諦めていないということが明らかになり、「V6」を選択したフェラーリとはまた異なる判断ということになりますね。
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■ 新型V8はグローバル対応。PHEVではなく軽量ハイブリッドか
この新V8は、PHEV(プラグインハイブリッド)に頼らずとも世界の排出基準を満たすと報じられ、これはBMW M5などで問題視されているバッテリー重量増加によるハンドリング悪化を避ける狙いであると思われます(そして軽量ハイブリッドでもシステム合計出力を高いレベルに維持できるよう、V6ではなくV8を選んだのだと思われる)。
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■ AMGやポルシェと並ぶ「ハイパーV8戦争」が再燃
トヨタとレクサスの動きに呼応するように、メルセデスAMGも新世代4.0L V8ツインターボを開発中。
欧州勢が一度は見限ったV8に再び注力し始めており、「ハイパーV8時代」が再来する可能性も予想され、一般に予想された「スポーツカーもエレクトリックへ」という未来とはまた異なる現実が待ち受けているのかもしれません。
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■ 考察:トヨタの狙いは“電動化時代の最後のV8”
このV8プロジェクトは、単なるスポーツカー開発ではなく、「内燃機関の集大成」としてのメッセージ性を持っているとも考えられ、トヨタはハイブリッド、EV、水素と多角的な開発を進めながらも、感情を刺激するエンジンを手放すつもりはなという事実を突きつけています。
レクサスにとっても、「電動化ブランド」の中でV8を残すことでブランドの感性価値を維持することが可能となり、もしかすると今後、ハイパフォーマンスカーのみではなく、ラグジュリーカーにおいてもレクサスの存在感が大きく高まってゆくのかもしれません。
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【まとめ】
- トヨタとレクサスが新型V8スーパースポーツを開発中
- ベースはGRヤリスの直4、4.0LハイブリッドV8へ拡大
- 最高出力は最大800馬力級を想定
- トヨタはハード志向、レクサスはラグジュアリー志向
- PHEVではなく軽量ハイブリッド構成
- AMG、ポルシェらとのV8競争再燃へ
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参照:CarExpert

















