| 最初からアルピーヌは「レーシングカーで儲ける」計画だったのかも |
アルピーヌはA110のハードコアモデル「A110S」を発表したばかりですが、今回はラリー競技専用となる「A110ラリー」を発表。
この車両はFIAの定めるR-GTクラスのホモロゲーションを取得しており、プライベーター向けに販売される、とのこと。
すでにアルピーヌの競技用車両ラインアップはロードカーを上回る
なお、アルピーヌは過去にラリーやル・マンで好成績を収めており、そのためモータースポーツとの関連性が高い、というイメージも。
現在ロードカーとして展開するのは「A110」系一車種のみで、「(完全新設計のシャシーを使用しているのに)これで利益が取れるのか」と不思議に思っていましたが、競技用モデルとして「A110カップ」「A110 GT4」、そして今回の「A110ラリー」を発売するにいたり、競技用モデルが3車種に(ロードカーのラインアップよりも多い)。
こういった展開を見るに、もともと新生アルピーヌは「もともとのモータースポーツでの輝かしい歴史を活かした」ビジネス展開を行うことを考慮に入れていたのだと思われ、こういった競技用車両をプライベーター向けに販売して利益を得ることも当初からの計画だったんだろうな、と今更ながらに思います。
なお、こちらはかつてのアルピーヌA110ラリー。
アルピーヌA110はこんなレーシングカー
そして今回のアルピーヌA110ラリーですが、競技にあわせて様々なモディファイが施されることに。
サスペンションは3WAYハイドロ式に、ブレーキも純正同様ブレンボながらも強化品へ変更され、ロールケージ、バケットシート、6点式ハーネスなどFIAの基準に沿った安全装備が追加されています。
エンジンにも手が入り、ラリー競技向けにトルクカーブが変更され、出力は300馬力以上にパワーアップされている、とのこと(ノーマルは252馬力)。
トランスミッションは6速シーケンシャルへと変更され、LSDも装着済みとなっています。
A110のインテリアも当然ながら変更をうけ、もともとのインテリアパネルはほぼ剥がされ、代わりにカーボンファイバー製の簡素なパネルや最低限のスイッチ類のみが装着。
ステアリングホイールも競技専用となり、パドルシフターにディスプレイを装備し、トラクションコントロールやABSのコントロールスイッチが与えられています。
アルピーヌA110ラリーは2WDのフランスチャンピオンであるエマニエル・ギグ選手、フランスのジュニアチャンピオン、ペリエ・ロラン選手とともに開発され、基本的に部分のセッティングは両ドライバーによって進められた、とのこと。
気になる価格は15万ユーロ、つまり邦貨換算で1775万円くらいとなりますが、ベースモデルのポテンシャルを見るに「勝てる」クルマであるのは間違いなく、レースに参加するチームとしては「割安な投資」なのかもしれませんね。