![日産(NISSAN)](https://intensive911.com/wp-content/uploads/2021/01/nissan8.jpg)
| 日産は同業者の配下になることだけは「我慢がならない」? |
そのプライドがこれまでの日産の成長を妨げてきたのかもしれない
さて、ホンダと日産との合併(経営統合)話は「破談になる」寸前と報じられていますが、その最終的な結論は「2月末」まで保留されることとなるもよう。
そして破談となる理由はいくつかあり、まずホンダが日産に対して「説得力のある再生計画」を求めたにも関わらず日産がこれに真剣に取り組んでいないこと(ホンダいわく”日産は危機感が足りない”)、そしてルノーの存在(支配力が強い)。
こういった課題もあってホンダはそれまで検討していた「持株会社の下にホンダと日産とが対等にぶら下がる案」から「日産を買収してホンダ配下に置く案」へと切り替え日産に打診したと言われているわけですね。
-
-
日産とホンダとの経営統合は「破談」か、ホンダの要求に日産が応えず、「これまでの話はなかったことに」なりそうな雰囲気。ホンダは「日産には緊張感が欠けている」とも
| もともと両者の関係性は良好ではなく、反発し合う仲でもある | ここは破談とし、日産はフォックスコンに身売りするのが「ベター」であろう さて、年明けから大きな話題となっているのが「ホンダと日産との合 ...
続きを見る
日産はホンダ案に反発
そして日産は「ホンダの配下に置かれる」という状況を「屈辱」だと捉えてこの(ホンダの)提案に反発しており、この反発が「破談」に結びついている、ということに。
実際に破談になるかどうかは(上述の通り)今月末になされるであろう公式発表を待つしかありませんが、日産はホンダによる買収を回避する意向を持って動いているとされ、その行動のひとつがフォックスコン(Foxconn)との協業。
-
-
「日産とホンダ」との合併話の間に”iPhoneの下請け」”にて知られるフォックスコンが介入、すでに渡仏しルノーとの交渉を行っているとされ「日産が取り合い」に
| おそらく日産はフォックスコンに買収されたほうが「幸せ」になれるだろう | 「ホンダと日産」よりも「フォックスコンと日産」のほうが双方の資産を活かせる可能性が高い さて、現在倒産の危機にひんしている ...
続きを見る
フォックスコンはアップルiPhoneを製造している世界最大の電子機器受託メーカーですが、すでにいくつかのEVを発表していることからもわかるとおり、大量生産能力を持っているだけでなく、EV(電気自動車)の研究開発部門も立ち上げており、日産はその技術の専門家と提携し、次世代EVやソフトウェア定義車両の開発に役立つと考えているのだと報じられています。
-
-
iPhoneの製造下請け「フォックスコン(Foxconn)」が新型EV ”モデルD”を発表。デザインはピニンファリーナ、「SUVからの進化系」
Image:Foxconn | フォックスコンは比較的早い時期からEVを開発し、かつプラットフォームの他者への提供を積極的に行なっている | 加えてピニンファリーナへのデザイン依頼によって製品の魅力を ...
続きを見る
なお、フォックスコンは一度日産に協業を持ちかけるも「拒否」されており、しかし今は事情が変わり日産はこれを受け入れる意向なのかもしれません(一方のフォックスコンは独自に動いており、ルノーに対し、ルノーが持つ日産株を買い取るための要請を行ったと言われている)。
ただ、日産はホンダとのパートナーシップが成立しなかった場合、今後1年を生き延びるための緊縮策を講じる必要があり(日産はこのままでは1年も持たないとの報道も)、実際のところすでに生産を削減し、かつ9,000人の従業員を削減することを発表しており、会社の経営を維持するために経営陣の給与をカットすることも発表済み。
-
-
アメリカの自動車市場に異変。「安ければ安いほどいい」という風潮が強まり安価な車がこぞって販売を伸ばす。「モデルチェンジせずに安い車を売り続けた日産」が脚光を浴びる
| 世の中、一体何が起きるのかわからない | これで日産の在庫が「一掃」されることになるのかも さて、2023年から2024年にかけては様々なトレンドの変化が生じましたが、2024年のアメリカにおいて ...
続きを見る
そして新たなるウワサでは「日産は価格維持戦略(プライスキーピングオペレーション)を解除し、ディーラーに対して”これまで禁止していた”大幅な割引の実施と宣伝を許可した」とされ、北米市場ではあのフェアレディZですらバーゲンプライスを持って販売されているといい、さらにインフレが進み可処分所得が減ってゆくこの状況の中で「全米で最も安価な新車」であるヴァーサの販売が好調だという話も聞かれ、少し前の状況に比較すると日産の状況は「荒天の兆し」を見せているのかも。
それでも新しいパートナーを見つけねば生き残れないという状況に変わりはないと考えてよく、今後の動向に注目が集まるところですね。
合わせて読みたい、関連投稿
-
-
日産とホンダとの合併に「新たな問題」が生じる。ルノーが持つ37.5%の日産株の不確実性にホンダが懸念、日産に買い戻しを打診するも「そのコストは5650億円」
| 日産にこの金額を用意できるとは考えられず、何らかの解決策が必要に | ルノーとしては「高く買ってくれるところに」株式を売却するであろう さて、ホンダと日産は現在合併(経営統合)に関する協議を進めて ...
続きを見る
-
-
「日産が倒産前に」パートナーを探す際、「トヨタには声がかからなかった」。豊田章男会長が語るその理由とは
| たとえ日産からのラブコールがあったとしても、トヨタはそれに応じることはなかったであろう | 日本の自動車メーカーはいずれも価格やターゲット、製品があまりに「似過ぎており」合併によるメリットを出しに ...
続きを見る
-
-
アップルの下請けとしてiPhone製造を行うフォックスコンが自社の電気自動車「モデルB」「モデルV」を発表予定!まずはティーザー動画が公開
| フォックスコンが微妙な女性モデルを起用した意図は計りかねるが | 実車がどれほどの完成度を持つのかには期待したい さて、iPhoneの製造を行うことで知られる台湾の鴻海(ホンハイ)科技集団(Fox ...
続きを見る
参照:Reuters