| いずれもトヨタらしく迅速に対応したようだ |
さらには問題発生前に社内で発見し対処した不具合も
さて、トヨタが緊急通報装置、ハイブリッドシステム、エキゾーストマニホールドに問題があるとして合計11万1842台をリコール。
車種としてはトヨタ・レクサス含めて39にも上り、けっこうな車種・台数ということになります。
まず、リコールとなった問題の内容としては下記の通りです。
①緊急通報装置において、車載通信モジュールの制御プログラムが不適切なため、音声データと通信データ間の相互変換ができない場合がある。そのため、緊急時に音声通話ができず、保安基準第43条の8(事故自動緊急通報装置の基準)に適合しない。
②ハイブリッドシステムにおいて、制御プログラムが不適切なため、シフトレンジに関する演算の途中でシフトの切替え操作が行われると、異常と誤検出する場合がある。そのため、警告灯が点灯して、ハイブリッドシステムが停止し、走行不能となるおそれがある。
③ガソリンエンジンのエキゾーストマニホールドにおいて、パイプの溶接条件変更時の強度検討が不十分なため、冷熱の繰返しや振動等により当該溶接部に亀裂が生じるものがある。そのため、登坂路走行等の高回転時に排出ガスが漏れ基準値を満足しなくなるおそれがある。
国土交通省
実際に不具合が起きた件数はさほど多くはないが
なお、それぞれの問題について見てみたいと思いますが、まず①緊急通信装置について、実際に発生した問題はゼロ、そしてトラブルを把握した原因は「社内からの情報による」。
つまり、問題が起きてからではなく、起きる前に社内の検品や報告体制によって不具合を把握したということになり、このあたりはさすがトヨタ(マツダやスバルだと、多数問題が発生したのちにメーカー側が問題を把握し、リコールとなるケースが多い。しかもリコール実施までの時間が長い)。
②ハイブリッドについては実際に発生したトラブルが9件、そして発見の動機は「市場からの情報による」とあるので、さすがのトヨタもこれは予見できなかったということになりそう。
③のエキマニについては問題発生はゼロ、そしてこれも「社内からの情報による」。
対策として①②がプログラム修正、③は物理的にエキゾーストマニホールドを良品と交換することになる、とのこと。
対象車種は以下の通り
そして今回のリコールの対象車種については以下の通り。
全体の製造期間は令和3年4月26日~令和3年8月3日と比較的新しい個体たちですが、この短い生産期間でもこれだけの(問題がある)台数を生産するというところがさすがトヨタ。
①緊急通信装置
- ヤリス
- ヤリスクロス
- GRヤリス
- ハリアー
- アルファード
- ヴェルファイア
- カローラ
- カローラツーリング
- カローラスポーツ
- RAV4
- クラウン
- プリウス
- プリウスPHV
- ランドクルーザープラド
- カムリ
- C-HR
- グランエース
- センチュリー
- レクサスRX300
- レクサスRX450h
- レクサスRX450hL
- レクサスUX200
- レクサスUX250h
- レクサスUX300e
- レクサスIS300
- レクサスIS350
- レクサスIS300h
- レクサスNX300
- レクサスNX300h
- レクサスES300h
- レクサスLS500
- レクサスLS500h
- レクサスLC500
- レクサスLC500h
- レクサスRC300
- レクサスRC350
- レクサスRC300h
- レクサスRC F
②ハイブリッドシステム
- プリウス
- プリウスPHV
③エキゾーストマニホールド
- ランドクルーザープラド
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