| おそらくは株主対策として電動化を強調し、そしてスポーツカーは電動化とともに強力に開発が進められてゆくだそう |
レクサスは電動化イメージが強く、このタイミングでの交代は理にかなっている
さて、トヨタ自動車が役員の人事を発表し、現豊田章男代表取締役(66)が会長職に就き、あたらしい社長職には佐藤恒治氏(53)が就任するとアナウンス。
この人事は4月1日に行われ、社長交代はトヨタ自動車にとって実に14年ぶりとなっています。
今回の「社長交代」については、トヨタの商品力とブランド価値が高まり、そして収益性が向上したことで豊田章男氏の役割が一定の機能を果たしたという判断のもと、次の世代へとその基盤を受け継ぐことが目的だと見られています。
トヨタ自動車は「世界でもっとも環境問題へと取り組みに熱心ではない自動車メーカー」だとされている
なお、トヨタは現在「世界で最も環境問題に熱心ではない自動車メーカー」だとされており、それは豊田章男社長の方針(マルチパワートレーン戦略)や、「ガソリン車が好き」発言、そしてカーボンフリー実現を主張しながらも実際にはEV発売に消極的であることなどがその理由。
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そしてこういった姿勢はトヨタの株主から大きく批判されることも多く、世の中の動きから大きく乖離した姿勢とともに「好ましくない」と思われていて、今回の社長退任については、体制を一新することにより、こうした世の中の批判をかわす意味があるのではないかと思ったり。
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実際にはどういった意図があるのかわからないものの、それは新しい「佐藤恒治社長」が4月1日以降に発表するであろう新戦略によっておぼろげながらもわかってくるのかもしれません。
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ちなみにレクサスは「電動化」を押し出したプロモーションを展開しており、よってこのタイミングで「レクサスの責任者がトヨタの次期社長になる」という事実は、これまでトヨタが電動化に対して及び腰であったという指摘へのカウンターになるものと思われます。
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今回の役員人事は3名が対象
そして今回トヨタが発表した役員人事は3名で、その内容は以下の通りです。
- 現トヨタ自動車代表取締役社長 / 執行役員 / CEO、豊田章男氏が代表取締役会長へ
- 現代表取締役会長、内山田竹志氏が代表取締役へ
- 現執行役員 / Chief Branding Officer / Lexus International Co.(President) / GAZOO Racing Company(President)である佐藤恒治氏が執行役員 / 社長 / CEOへ
これを見るに、佐藤恒治氏は社長といえども代表権を持たず、豊田章男氏が変わらず代表権を持つということもわかりますが、佐藤恒治氏は見ての通りレクサス・インターナショナル、ガズー・レーシング・カンパニーのプレジデントを努めている人物であり(トヨタでは事業部の長をプレジデントと呼ぶ)、フェイクMTの開発を主導しているとも報じられていることからも「スポーツカーに関しては、豊田章男氏と同様の考え方を持つ人物」だと考えてよく、となると今回の人事については、トヨタが路線を変更するということではなく、あくまでも豊田章男氏にもっとも近い考え方を持つ人物を次期社長に据えると捉えていいのかも。※佐藤恒治氏の公式プロフィールはこちら
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そうなると、電動化についてはちょっとした方向修正があるかもしれないものの、スポーツカー路線については(ガソリンであってもエレクトリックであっても)現在のまま継続される可能性が高いものと考えられます(なんだかんだで、代表権のある豊田章男氏の影響力は今後も社内において絶大だと思われる)。
そして一方の豊田章男氏(良くも悪くも、ここまで注目されたトヨタ自動車の社長も過去にいないだろう)については、トヨタの舵取りを後続に託すことによって「身軽」になる可能性もあって、今後はモータースポーツなど自身の好きなことを追求する時間ができたり、またその発言においても自由度が増すのかもしれません(もう社長ではなくなるので、メディアもさほど注目しなくなるかも)。
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参照:TOYOTA