| スピンドルグリルは過去に批判も浴びてきたが、結果的にはレクサスのブランドを強固にするのに非常に有効な手段であったと考えられる |
なにごとも「批判に負けない強い意志」が必要ということなのか
さて、レクサスは6月8日に新型SUV「TX」を発表するとしてティーザー画像を(これまでに)数枚公開していますが、今回はその新型レクサスTXを正面から捉えた画像をリリース。
この画像を見るに、これまでの他のレクサスとは異なるフェイスを持ち、ヘッドライトやグリルなどフロントを構成するパーツ全てが新しいように思われます。
なお、レクサスは先日新型コンパクトSUV「LBX」を公開したばかりですが、こちらについても新しい顔つきを持っており、レクサスはこれを「ユニファイド・スピンドル」と表現していて、つまるところ「ヘッドライト、グリル、バンパーなど、クルマのフロントを構成するのに必要なパーツすべてを統合した」レクサスの新しい顔だとも考えることが可能です。
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レクサスのデザインは今後はどう変化するのか
なお、レクサスは現在急速にSUVのラインアップを拡大しており、LBX、UX、NX、RX、RZ、LX、そしてGXといった構成に。
これらの中には国や地域によって販売されていないものものありますが、ここまでラインアップが増えるとやはり各モデルの存在感が希薄になったりするのかもしれません。
加えて各モデル間でのカニバリズムが生じる可能性も高く、しかしレクサスはこれを避け、かつそれぞれのモデルには「他社の特定の顧客」を獲得すべく戦略的なデザインが与えられるものと考えていて、たとえばレクサスLXだとレンジローバー、そして新型レクサスGXだとランドローバー・ディフェンダーやメルセデス・ベンツGクラスの市場を獲得することを狙っているのだと思われます。
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かくしてレクサスは各モデル間のデザインをより「差別化」することになるのだと思われますが、その最も大きな手法は「スピンドルグリル」によるものだと考えていいのかも。
レクサスのスピンドルグリルはなにかと批判にさらされることもあるのですが、BMWのジャンボキドニー同様、「議論を呼びつつもファンを獲得する」ための有効な手段として機能しているものと思われ、これはレクサスのデザイナーも認めるところでもありますね。
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そしてレクサスでは今後どんどんラインアップが(PHEVやBEVなど)電動化することになりますが、となるとこれまでレクサスが用いてきたスピンドル”グリル”が不要になってくる可能性も(電動化車両では吸気や冷却のためにエアを取り込む必要性が薄くなる)。
そこでレクサスのデザイナーが考えたのが「スピンドルボディ」という概念であり、レクサスのアイデンティティである「スピンドル」を捨てず、これを車体と一体化するというものです。
この端的な例はコンセプトカーであるLF-30エレクトリファイドであり・・・。
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市販車であればレクサスRZがその代表格かもしれませんね。
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ただしまだまだガソリンエンジン搭載車も存続することになり、内燃機関搭載車で新しい「スピンドルグリル」の表現を初めて行ったのが新型RX。
これは「フレームレスグリル」を採用し、かつフロントバンパーに設けられた「穴」との連携にてスピンドルグリルを表現しています(これに先立ち、レクサスはNXやLXでグリルレス化にトライしようとしたこともわかる)。
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こういった感じで「ボディ(フロントセクション)全体で立体的にスピンドルを表現する」「グリルを(フレームレスなどの手法で)バンパーにインテグレーテッドする」というのがここ最近のレクサスが採用してきた手法ではありますが、LBXそして新型TXで新しく採用されたのが「横方向のスリット」。
これは新型クラウンや新型プリウスにおいてトヨタが導入したメソッドであり、車両をワイドに、そして(ヘッドライトとの統合によって)先進的に見せる効果があると認識していますが、このデザイン言語が(LBXやTXを見るに)今後のレクサスにも反映されることになるのかもしれません。
なお、レクサスはすでにテールランプについて「LEDバー」を採用しているので、このフロントの「スリット」はそのLEDバーと相性がよく、よって車体全体のデザイン的整合性を持たせるためにも、このスリットが存分に活用されるんじゃないかとも考えています。
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