| どこに責任があるのかは定かではないが、いまだにこういった人身売買的行為があるのは悲しいことである |
現時点ではBYDの主張とブラジル当局との主張に相違が発生
さて、先日は「ブラジルに建設中であったBYDの工場にて、中国人労働者が奴隷扱いされていた」という報道がなされていますが、今回はその続報。
BYDのブラジルでの問題は収束の兆しを見せず、現地の労働監査官が明らかにしたところによると、同社は工場建設のために不正なビザを使い、中国から数百人(一説によると500人)の労働者をブラジルに呼び寄せて強制労働を行わせていたとのことで、このニュースは、労働当局の調査により、労働者が「奴隷のような状況」で生活していたことが判明した直後に伝えられています。
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BYDと建設請負会社に対する強い非難が巻き起こる
現在ブラジルではこの問題を巡り、BYDとその中心的な建築請負業者である晋江(Jinjiang)社に対する強い非難が巻き起こっているといい、ブラジル労働省の労働監査官リャネ・ドゥラオ氏によると、晋江が雇用した163人の労働者が不適切な環境で生活していたことが明らかになり、彼らはすでにブラジルを離れた、あるいは離れる予定だとしています。
また、BYDは「不正な」契約で働いていた従業員の人数分だけの罰金を科される予定ですが、罰金額については言及されていない状態です。
リャネ・ドゥラオ氏はさらに「BYDが工場建設に従事する従業員の労働環境を改善することに同意した」と述べており、一方のBYDは「労働者のビザは適切で、彼らは自発的に働くためにブラジルに来た」「晋江との関係を断った」と主張するなど、一部で両者の意見には食い違いがあるもよう。
BYDの工場建設に係る環境は「劣悪」
労働監査官によると、「163人の労働者が過密な寮で寝泊まりしており、マットレスもなく、31人で1つのトイレを共有している」「調理設備へのアクセスも限られており、調理された食事が冷蔵されることなく野外に放置されている」状況を発見したとのことですが、BYDそして晋江はこの非難を否定し、建設作業員が「この仕事を大切にしており、現場に留まりたい」と語る映像を公開するなどして反論していて、さらにこの問題について中国の外務省報道官である郭家群(Guo Jiakun)氏は「中国の企業が現地の法律や規制に従って運営されることを要求している」と述べ、あちこちに影響が出ていることも伺えます。
参考までに、このブラジルの工場には少なくとも6億2,000万ドル(約975億円)が投資され、年間15万台を生産する能力を持ち、今年中に稼働開始予定だと報じられています。
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参照:Reuters