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ボクがフェラーリ296GTBに投入したオプション「ボディカラー」。このカラーとストライプだけで500万円以上、「アッズーロ・ディーノ」「ビアンコ・セルビーノ」とは

ボクがフェラーリ296GTBに投入したオプション「ボディカラー」。このカラーとストライプだけで500万円以上、「アッズーロ・ディーノ」「ビアンコ・セルビーノ」とは

| ボディカラーのみによくここまでのコストを「突っ込んだ」ものである |

それでも全く後悔はなく、当時の自分の判断を今でも支持したいと考える

さて、ぼくが自分のフェラーリ296GTBに選んだオプションについて説明してゆくシリーズ、第一弾は「ボディカラー」。

このボディカラーは「アッズーロ・ディーノ」というもので、その価格350万円くらい、そしてそこに入るストライプ(リバリー)は「ビアンコ・セルビーノ」というカラーで200万円くらい(最終的な価格については怖くて確認していない)。

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フェラーリというと「ロッソ」だが

ぼくがこのカラーを選んだ理由のひとつは「他の人とは違うフェラーリに乗りたかったから」で、つまり代表的なロッソ(レッド)ではなく他の色を指定したかったからですが、しかしそこでフェラーリと全く無関係のカラーを選ぶつもりはなく、そして最終的に選択したのがこの「アッズーロ・ディーノ(Azzurro Dino)」。

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この「ディーノ」とはエンツォ・フェラーリの実子であるアルフレード・「ディーノ」・フェラーリ(1932年-1956年)に由来するものと思われ、ただしディーノがブルーを好んだ、あるいは何らかの(ディーノとブルーとの)関連性を示す文献は存在せず、そしてアッズーロ・ディーノをまとう最初のフェラーリとして確認できるのは1964年の「330GT 2+2」。

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要はディーノの死後8年ほど経過したのちに「はじめて」アッズーロ・ディーノが採用されているので、エンツォ・フェラーリが「ディーノを偲んで」用意したボディカラーではなさそうですが、最初に「ディーノ」の名を冠したフェラーリであるディーノ206GTは1967年に登場しているため、もしかするとエンツォ・フェラーリが「ディーノ」の名を使用するのには(愛息の死を乗り越えるには)長い年月が必要であったのかもしれません。

アッズーロ・ディーノは「力強いブルー」

よって「アッズーロ・ディーノの由来」については「わからない」のが正直なところではあるものの、このアッズーロ・ディーノはフェラーリでは「ヒストリックカラー」に位置づけられ、過去には「70周年記念限定モデル」の中には”1971年のディーノ246GTにインスパイアされた”アッズーロ・ディーノが設定され、最近だと2024年のF1マイアミGPだと北米上陸70周年を記念して(アッズーロ・ラ・プラタとともに)アッズーロ・ディーノを取り入れたスペシャルカラーリングを持つSF-24を走らせ、さらにパレードにおいても(アッズーロ・ラ・プラタと)アッズーロ・ディーノの296GTSに先導させるなど、フェラーリにとっても(このアッズーロ・ディーノが)重要なカラーであることは間違いなさそう。※SF90 XXストラダーレ、SF90 XXスパイダーでもこのアッズーロ・ディーノが用いられている

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つまるところ、このアッズーロ・ディーノは「フェラーリらしくない」カラーに見えるものの、実は「フェラーリらしい」カラーのひとつでもある、というわけですね。

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ちなみに「フェラーリのブルー」というとブルー・ツール・ド・フランス、ブルー・ル・マン、ブルー・アブダビ、ブルー・ローマなどが存在するものの、ぼくはあまりメタリックが好きではなく(パール塗装は大好きだ)、よってメタリックではなくソリッド、そして発色が良いアッズーロ・ディーノを選んでいます(ぼくは明るい色が好きではあるが、パステルやスモーキーではなく、力強い色味を好む)。

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上述の通り、このボディカラーは350万円ほどの出費が要求され、そこまでの費用を投じてなぜこのカラーを選んだのは当時のぼくに尋ねるよりほかはないと考えていますが、よりコストの低い選択肢ではこれ以上にバイタリティあふれるブルーはなく、よって清水の舞台から飛び降りることになったのだと思われます(後悔はないが、ボディカラーにここまでのお金をよく突っ込んだなと当時の自分の判断に驚かされる)。

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ビアンコ・セルビーノとは

そしてこのアッズーロ・ディーノと組み合わせられるのが「ビアンコ・セルビーノ」。

このストライプのカラーも自由に選べるのですが(カラー以外にも”ダブル””バイカラー”などのパターンも選べる)、ストライプに関しては「どれを選んでも金額は同じ」。

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よってビアンコ・イタリア」など高額なことで知られるカラーを選択することも考えたものの、「ソリッドカラーであるアッズーロ・ディーノ」とマッチするのはやはりソリッドであろうということでこのカラーを選択しています。

そして(ビアンコ・フジ、ビアンコ・キングなど)数あるホワイトの中からこのビアンコ・セルビーノを選んだのは「純白だから」。

ホワイトもぼくの好むカラーのひとつではありますが、「(温かみのある)オフホワイト」よりも「(クールな)純白」あるいは「青白いホワイト」を好む傾向にあり、そしてナンバープレートを装着せねばならないので「ナンバープレートと相性がいいであろうホワイト」ということでこのカラーを選んでいるわけですね。

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ビアンコ・セルビーノはスイスの「マッターホルン」をイメージ

ちなみにこの「ビアンコ・セルビーノ (Bianco Cervino)」は、フェラーリの比較的新しい(2010年代後半に登場)ソリッドホワイトのスペシャルカラーで、その名前はイタリアとスイスの国境にそびえる美しい山、チェルヴィーノ山(マッターホルン)に由来しています。

その名の通り、雪のような不純物のない、非常に純粋な白を表現していて、”一般的なフェラーリのホワイト”白である「ビアンコ・アヴス (Bianco Avus)」と比較すると、ビアンコ・セルビーノはより明るく、ピュアなホワイトで、たとえばビアンコ・アヴスにはわずかにクリーム色やグレーの色味が感じられることがあるのに対し、ビアンコ・セルビーノはまさに「清冽」。

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よって、このビアンコ・セルビーノはフェラーリのヒストリックカラーではなく、何らかのフェラーリにゆかりのあるカラーでもないものの、「古のヒストリックカラーであるアッズーロ・ディーノ」、そして「新しく加わった現代的なビアンコ・セルビーノ」という組み合わせもなかなかに面白いんじゃないかと考えています。

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フェラーリとブルーとは縁が深い

参考までに、これまでにもなんどかお伝えしているとおり「フェラーリとブルー」とは浅からぬ関係にあり、フェラーリはかつて工場の従業員の制服に(アッズーロ・ディーノに近い)ブルーを採用していたことがあり、レーシングドライバーのスーツにはアッズーロ・ラ・プラタっぽい水色を用いていたことも。

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Image:Ferrari

「レッド」の前には「ブルー」だった。フェラーリは1960-1970年代にレーシングドライバーのスーツ、スタッフのユニフォームにブルーを使用していた
「レッド」の前には「ブルー」だった。フェラーリは1960-1970年代にレーシングドライバーのスーツ、スタッフのユニフォームにブルーを使用していたことがある

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アッズーロ・ラ・プラタはアルゼンチンのラ・プラタ川をイメージした色味であり、アルゼンチンのナショナルカラーとしてアルゼンチンのレーシングチームが採用していたという水色ではありますが、296GTB発表の際には「アセット・フィオラノ・パッケージ」装着車のヒーローカラーに採用されるリバリーとしても用いられていますね。

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このほか、フェラーリは1964年のF1グランプリにて2戦のみホワイトとブルーのカラーリングで出場したことがあり、これはいわゆる「NART」カラー。

このNART(North American Racing Team:北米レーシングチーム)アメリカのフェラーリのインポーターであったルイジ・キネッティ・ジュニアによって1958年に設立されたプライベートレーシングチームで、当時まだ北米でのワークス展開を行う準備ができていなかったフェラーリに代わりアメリカおよび国際的なレースに参戦することでフェラーリの知名度を大きく向上させています。

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Image:Ferrari

とくに1965年のル・マン24時間レースでの総合優勝(フェラーリ250LM)はNARTの名を世界に知らしめるきかっけとなっていますが、NARTは単なるレーシングチームとしてだけでなく、フェラーリの北米市場、あるいは世界におけるマーケティング活動においても重要な役割を果たしており、単なるインポーターと自動車メーカーという関係を超えた、密接な協力関係が存在していたのだと考えることが可能です(1980年代にNARTは活動を終了させている)。

つまりNARTは、フェラーリがまだ北米市場で基盤を確立していなかった時代に、そのブランド価値を高め、レースでの成功を通じて世界的な名声を確立する上でのかけがえのない存在で、両者の関係は「ビジネスパートナーシップ」というよりも情熱と信頼で結ばれた特別なものだったと捉えられています。

こういったこともあり、フェラーリと「ブルー」との関係は意外や深いということがわかりますが、エンツォ・フェラーリが工場の作業服にまでブルーを用いていた理由はまったく謎であり、それは「モデナのサッカーチームのカラーがブルーであったから」なんじゃないかとも考えています(エンツォ・フェラーリがなりたかった職業のうちひとつはスポーツライターである)。

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Image:Ferrari

参考までに、このモデナのサッカーチム「モデナFC」の現在のチームカラーは「ブルーとイエロー」ですが、過去には「ブルー」を採用していた時代があり、エンツォ・フェラーリは毎日通っていた理髪店にてこのモデナFCの話をするのが大好きであった、という記録も残っているようですね。

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