| 一部では「消費者が戸惑いを隠せない」という報道もあったが |
新型シボレー・コルベット・スティングレイ(C8)の2020年モデルが「ほぼ完売」との報道。
C8世代にて、コルベットはミドシップへとスイッチしていますが、シボレーにとってこれは大きな「賭け」。
この賭けに失敗つまり新型コルベットが売れなければ、シボレーはまさかコルベットをまたFRに戻すわけには行かずそのまま消え去ることとなり、とにかく失敗できない、というのが今回のモデルチェンジであったわけですね。
シボレーはずいぶん思い切った戦略に出た
そういった事情もあって、当初シボレーは「FRのC7コルベットと、ミドシップ化したC8コルベットとを併売」し、もしC8コルベットが売れなければいつでもそれを引きあげてFRに戻せる状態を作ると言われていたものの、シボレーはこの方法を採用せず、C7コルベットの生産を中止してC8コルベットへと切り替えるというギャンブルに出たわけですね。
そして今回、GMはコンクール・デレガンス・オブ・アメリカにてC8コルベットを一般公開していますが、その際に語ったのが「新型コルベットの受注は、およそ1年分の生産台数に達した」。
その受注台数や生産予定台数は明かされていないものの、どうやらシボレーは「賭けに勝った」と考えて良さそうです。
C7世代のコルベットは売れずに残っている
反面、ちょっと困るのが先代であるC7コルベットの在庫。
現時点で6,000台もの新車が売れずに残っていると報道されますが、これを鑑みても「新型コルベットのほうが評価が高い」ということがわかります。
なお、新型コルベットがここまで売れたのには「価格」も関係していて、当初はC7コルベットに比べてかなり高くなると言われていたC8コルベットの価格が「逆に」かなり予想よりも安く、C7コルベットの数十万円アップにとどまっていたのも大きな要因だと考えています。
つまりは「数十万円の差であれば、新型コルベットのほうがいい」と多くの人が考えたということになり、「高くても新型コルベットがいい」「安くても従来型コルベットはいらない」という思考が働いたということになりますね。
加えて、シボレーは「無事に売れるだけの数のC7コルベットを生産」していたはずですが(つまり作りすぎたわけではない)、それでも残ったということは、コルベット購入を考える人のうち多数が「C8コルベットの発表を待つためにC7を買い控え、実際にC8コルベットが発表された後はC8を購入した」とも推測できます。