| ポルシェ・ミッションXが市販されるとなると、様々な記録が塗り替えられることになるだろう |
そしてこのミッションXはポルシェのターニングポイントとして歴史上大きな意味を持つことになりそうだ
さて、ポルシェは先日開催された創立75周年記念イベントにてピュアエレクトリックハイパーカー「ミッションX」を発表していますが、これはオンラインにてワールドプレミアがなされており、しかし一部のメディアはポルシェに招待されて実車を見ることができるという特権を授かったもよう。
そして今回はトップギアがその細部についてのレビューをYoutube上へと紹介しており、その内容を見てみたいと思います。
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ポルシェ・ミッションXはこんなハイパーカー
このポルシェ・ミッションXのプライベートレビューの会場となったのは「パリ郊外のどこか」だそうですが、会場にはこんな感じでポルシェ959、カレラGT、そして918スパイダーが並べられており、ポルシェとしては「これらとの共通性を感じてほしい」ということなのかもしれません。
たしかに918スパイダーの後にミッションXの姿を見ると、両者の高い共通性を見ることができ、ディティールは全く異なるものの、全体的なシルエットそして雰囲気はかなり近いようにも思います(ポルシェのデザイナーはいい仕事をしたと思う)。
このポルシェ・ミッションXは現時点では「完全なるコンセプトカー」ではあるものの、どうやら生産に移される可能性が非常に高いようで、ポルシェのオリバー・ブルーメCEOによれば「発売可否を検討する機会」が7月にも設けられ、その場で最終決定がなされるそうですが、ポルシェの向かう方向を考慮すると「発売しない理由はない」とも考えられ、比較的早い時期にいいニュースを聞くことができそうですね。
918スパイダーが「まだ乗用車に近い」雰囲気を持っていたのに対し、ミッションXは「レーシングカーに近い」という印象もあり、その理由の一つはコンパクトなバブル状のキャビン。
このキャビンはポルシェ906やポルシェ917といったアイコニックなレーシングカーをモチーフにしたものだと紹介されていますが、フロントウインドウの後ろにちょっとした小窓も(906や917にこの小窓はないが、ロードカートしての使用を考慮した上で付与したのかもしれない)。
サイドウインドウが大きく湾曲した一枚モノであるため、サイドウインドウの開口部は別枠で仕切られています。
キャビンを後ろから見るとこう。
ドア開閉方式はバタフライドア(ディヘドラルドア)で、これは906そして917といったレーシングカーへのオマージュであり、ポルシェのロードカーとしては非常に珍しい例となります。
なお、フェラーリは(ラ・フェラーリのような)スペチアーレにてバタフライドアを採用しており、マクラーレンもディヘドラルドアを、そしてランボルギーニはV12モデルにてシザースドアを採用しているものの、ポルシェは一貫してロードカーに「(通常の)横開きドア」を採用していて、その理由としては「救助が遅れたり救助のための設備が十分ではない可能性がある行動においてクルマがひっくり返ると救助できないから」だと(随分前に)語られていますね。
ちなみにサイドウインドウ後方に突き出している「ヒレ」のようなものは(ドアミラーの代わりの)後方確認用のカメラ。
位置が後ろすぎるので死角が生じるんじゃないかと考えたりするのですが、そこはポルシェのことなのでちゃんと考えた上でのことなのだろうと思います(ただ、現時点でこのシステムを持つクルマを合法に登録できる国や地域は多くない)。
真後ろの確認は車両後部に取り付けられたカメラにて行います(デジタルルームミラー用の映像もこのカメラで撮影するようだ)。
ホイールはフロント20、リア21インチサイズ(マグネシウム製)。
そしてポルシェミッションXのエクステリアにおけるハイライトともいえる部位がこのテールランプ。
立体的かつ装飾的であり、しかし市販時にはここは調整を受ける可能性もありそうです(しかし同じグループ内にあるブガッティだと、もっと立体的な構造を持つテールランプを採用しており、むしろその価格を正当化するため、こういった芸術性が重要なのかもしれない)。
拡大するとこう。
ちなみに充電中は「E」の文字のみが光ります。
リアディフューザーはかなり大きく深く、しかし車体底面から巻き上げる構造ではなく、その下部にはダクトがあり、ここに風を通す構造を持っていたり、もしかすると強制的にエアを排出する(ファンなどの)デバイスを内蔵しているのかも。
なお、現時点ではミッションXのパワートレーン詳細については語られていないものの、「パワーウエイト1以下」を目指しているため、2,000馬力程度を実現するのは間違いないものと思われます。
ポルシェ・ミッションXのインテリアはこうなっている
そしてこちらはポルシェ・ミッションXのインテリアですが、エクステリア同様にレーシングカーライクな雰囲気ですね。
ステアリングホイールはヨーク型で、「手を離さずに様々な操作ができるよう」スイッチ類が配置されています。
メーターはタイカン同様に「カーブディスプレイ」を採用していますね。
ただしこのステアリングホイールにつき、市販時には(法規制の関係で)エアバッグを装着することになるのかも。
センターには大きなインフォテイメントディスプレイ、そしてスイッチ類までもが美しくデザインされています。
助手席ダッシュボードには取り外し式のディスプレイとラップタイマー。
これは昔のレーシングカーのダッシュボードに「ストップウォッチをはめ込んでいた」ことへのオマージュですが、時計は(文字盤を見る限り)ポルシェデザイン製を採用しているようですね。
ちなみにポルシェ、そしてポルシェ属するフォルクスワーゲングループではこういった「助手席ディスプレイ」の採用を進めており(ランボルギーニ・レヴエルトにもオプション設定されている)、よってこのパーツはなんらかの安全上の配慮がなされたうえで市販モデルにも投入されるかもしれません。