| 可能性としてはゼロではないが、ホンダ単独でこのプロジェクトを進行させることは難しいと思われる |
現実的にはアストンマーティンとのパートナーシップによって進められることとなるのかも
さて、(第二世代)ホンダNSXの販売はすでに終了していますが、その終了前から話題となっていたのが第三世代の新型NSX。
これについてはホンダが直線言及したこともあって現実性の高い存在だと考えられているものの、今回は(おそらく)これとは別の高性能2シータースポーツカーに関する可能性が浮上しています。
-
ホンダが「3代目NSXは実現する」とコメント!ホンダにとってNSXとはその考え方を世に示す手段であるようだ。そこでボクは初代と二代目NSXの違いを考えた
| 初代NSXはNSXの「X」が示すとおり未知の新しさがあったが、二代目NSXは既知の技術やコンセプトだった | 加えて、二代目NSXはその必然性が希薄で、NSXにしかできず他のスポーツカーにできない ...
続きを見る
ホンダは「ハイパーカー」を発売する可能性?
この話はインディアナポリス500にて行われたホンダレーシングへのインタビューから明らかになったもので、この場で同社の渡辺社長が「長年モータースポーツの最高峰クラスであるF1と関わってきたことを記念し、ハイパーカーの製造を行うことに非常に強い興味を持っている」とコメントしたもよう。
もともとは来月グッドウッド フェスティバル オブ スピードで発表される予定の「レッドブル RB17 ハイパーカー」と同様、「ホンダ製ハイパーカー」の可能性についての質問であったようですが、渡辺社長の回答は非常に熱のこもったものだったといい、現時点では具体的な計画はないものの「将来的には、F1テクノロジーと組み合わせたそのような車両を作りたいと思っています」と力強く語ったと報じられています。
-
レッドブルのハイパーカー「RB17」は7月に発表。エイドリアン・ニューウェイの退団が決まるもの、残された期間はRB17の開発に全力を注ぐようだ
| そうなれば、ますますレッドブルRB17の価値が上がることは間違いない | そしておそらく、今後これほどまでに大規模なハイパーカープロジェクトは誕生しないだろう さて、優勝請負人の異名をとるF1設計 ...
続きを見る
そしてこのホンダ製ハイパーカーがNSXと別の存在となる可能性については、以前にアキュラ副社長、ジョン・イケダ氏が「NSXの後継車は開発中である」と述べたこと、「電気自動車になるであろう」とコメントしたことからも推測が可能です。
-
NSX後継スーパーカー?ホンダが「ドライバーとのエンゲージメントを重視した、これまでとは全く異なる」電動スポーツカーを開発中との報道
| おそらくこれが以前に発表された「NSX後継モデル」的ポジションになるものと思われる | 現時点ではどういったスポーツカーになるのかほぼわかっていない さて、ホンダは今年始めにラスベガスにて開催され ...
続きを見る
ホンダ製ハイパーカーは「アストンマーティンとの協業」によって誕生?
なお、ホンダは数年にわたってレッドブル・レーシングにパワートレインを供給してきたものの、その提携は2025年に正式に終了する予定。
その後レッドブルはフォードの支援を受けて独自のエンジンを生産し、ホンダはメルセデスAMGに代わってアストンマーティンF1チームのパワートレインパートナーとなることが決まっています。
-
フォードがレッドブルと組んでF1へと電撃復帰!2026年からはF1上でも「フォードVSフェラーリ」の戦いが見られるように
| これでなぜか「真っ先に2026年にF1へと復帰」を掲げたポルシェが流れから取り残されてしまうことに | 2026年以降のF1は過去最高の盛り上がりを見せるかもしれない さて、驚くべきことにフォード ...
続きを見る
一方のアストンマーティンはすでにハイパーカー「ヴァルキリー」を発表していますが、アストンマーティンとホンダが協業を始める頃にはヴァルキリーは実質的に10年目となり、同社の顧客はおそらく別の限定生産のスペシャルモデルを欲しがるかもしれません(その頃になると、フェラーリやポルシェからもハイパーカーが発売される可能性が高い)。
よってホンダは(今回話題にのぼった)ハイパーカーをアストンマーティンとの協業によって発売する可能性も見えてくるわけですが、アストンマーティン自身は少し前に「ヴァルキリーでは非常に大きな赤字が出たため、今後同様のプロジェクトが実現することはないだろう」とコメントしており、アストンマーティンは新しいハイパーカー計画には乗り気ではないのかもしれません。
ただ、その後にアストンマーティンはやや姿勢を変更しており、ローレンス・ストロール氏は「F1参戦効果が(予想よりも)非常に大きい」として今後の展開の核のひとつにF1を盛り込むことを表明していて、となるとレッドブルやフェラーリに対抗した「F1イメージのハイパーカー」を発売する可能性もゼロではないと考えられ、となるとそれに積まれるエンジンは「ホンダ」となるのかもしれません。
参考までに、ホンダの製造するF1用エンジンには一定の評価(というかブランド価値)があり、しかしこれまでは門外不出だったので、アストンマーティンとしてもホンダによるF1用エンジンを搭載するハイパーカーを発売することは大きな排他性につながるのでは、とも考えています(いずれにせよ、ホンダとアストンマーティンがF1で勝利を量産することが前提となるだろう)。
-
アストンマーティンのボディ色に異変。「F1参戦後にレーシンググリーンの人気が高まって全カラーのうち12%を、グリーン系だけで24%を占めるように」
Astonmartin | さらにF1参戦によってアストンマーティンには多くの新規客がなだれ込む | もはやF1参戦による効果は疑う余地がない さて、アストンマーティンは「超高級、F1」を新しいブラン ...
続きを見る
合わせて読みたい、関連投稿
-
ホンダが2030年までのEV展開含を発表、しかしそこにNSX後継スポーツカーが含まれず「新型NSXの計画はなかったことに」?なおトヨタと異なりEVのみへまっしぐら
| あれほど強調されたNSX後継モデルの話にはいっさい触れておらず、ホンダは「0シリーズ」の立ち上げとともにNSXに関する計画を廃棄した? | 実際のところはわからないものの、おそらく今のホンダはスポ ...
続きを見る
-
さようならホンダNSX・・・。NSX Type S最後の1台が完成、一つの歴史が終わる。二代目NSXは「アドバンスド・スポーツカーコンセプト」として発表されたときから茨の道だった
| 発売直後こそ好調ではあったものの、その後は需要が減少し、ホンダとしては「販売終了」という苦渋の決断に | 二代目ホンダNSXはけして悪い車ではなかったが、時代とはマッチしていなかったのかもしれない ...
続きを見る
-
アストンマーティンがヴァルハラに採用される「6つのF1由来の技術」を紹介。今後アストンマーティンはF1との結びつきを強化しロードカーのパフォーマンスを高めることに
| ヴァルハラは今年末にかけてテストを開始、そして2024年には生産をスタート | その開発における大きな部分をシミュレーターが担う新世代ハイパーカー さて、現在正式発表を控えているアストンマーティン ...
続きを見る
参照:The Drive