
Image:Ferrari
| 近年、フェラーリのボディカラーはますます多様化している |
もはや「フェラーリ=ロッソ」ではないのかも
さて、ここ最近フェラーリが力を入れているのが「ボディカラー」に関するコンテンツ。
かつてフェラーリのボディカラーといえば「ほとんどロッソ」であったものの、最近では様々なボディカラーのフェラーリが見られるようになり、場合によっては「そこに集まったフェラーリ全てがロッソではない」ケースも見られるほどです。
そして今回もまたフェラーリが「ボディカラー」に関するコンテンツを公開しており、その内容を見てみましょう。
ボディカラーは「顧客の個性を表現する手法」
なお、豊富なボディカラーを揃えることで知られるのは「ポルシェ」ですが、ポルシェはボディカラーについて「顧客の夢を実現するための手段のひとつ」だとも述べており、そしてそれはフェラーリにとっても同様です。
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もちろんフェラーリにも「無限」に近いカラーパレットが存在するものの、今回フェラーリが取り上げるのはブルー、グリーン、ホワイト、グレー / ブラックの4色となっています。

「ブルー」はフェラーリにとって特別な色である
そこでまずは「ブルー」。
フェラーリでは工場のつなぎやレーシングカーのシートに濃いブルー、レーシングドライバー(クレイ・レガッツォーニなど)のスーツに淡いブルーが使用されていたことが知られており、2024年のF1マイアミグランプリでは「アッズーロ・ディーノ」「アッズーロ・ラ・プラタ」が全面に押し出されています。

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フェラーリがマイアミGPにてボクが296GTBに選んだカラー、アッズーロ・ディーノをあしらったF1マシン(SF-24)にて参戦すると発表。実はフェラーリとブルーは縁が深い
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なお、アッズーロ・ディーノの起源は50年前のディーノ246にあるそうですが、フェラーリはこの296GTSのほか、SF90 XXストラダーレの(ヒーローカラーの)アクセントにもこのカラーを用いていますね。
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フェラーリがSF90 XXについて語る。「我々の原動力は、限界を押し広げようという勇気、そして新たなあこがれの対象を生み出そうという挑戦です」
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そしてアッズーロ・ラ・プラタはアルゼンチンのプラタ川、あるいは同国の都市の名にちなんだ命名を持ち、アルゼンチンの国旗とよく似た色合いを持っています。
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フェラーリが「ブルー」の296GTSを2台一気に公開。ボディカラーはアッズーロ・ラ・プラタとアッズーロ・ディーノ、自社のヘリテージへのオマージュ
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そしてこのカラーがフェラーリに用いられるようになった由来は「アルゼンチンのレーシングチーム(プライベーター)がこのカラーを選んだからですが、アルベルト・アスカリ、ニキ・ラウダも好んでこのカラーのレーシングスーツを着用したことが知られます。

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フェラーリが「ブルー」を「モータースポーツにおける伝説、勝利、革新と結びつくカラー」として紹介、そしてこの次に来るのは「グリーン」と予想
| フェラーリは「レッド一色」のイメージから脱却しようとしている? | 現在フェラーリのモデルラインアップとデザインが「多様化」しており、ボディカラーもそれにあわせて変化する時なのかも さて、フェラー ...
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「グリーン」もまたフェラーリの歴史を語るには欠かせないカラーである
そして次は「グリーン」。
やはりこのグリーンもフェラーリのモータースポーツ活動、そして歴史と密接に関連しており、もっとも「グリーンのフェラーリ」として有名なのはデビッド・パイパーが駆ったフェラーリたち。
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個人で最も多くの競技用フェラーリを所有しレースに参加した男、デビッド・パイパー。けしてレッドのフェラーリに乗らず、グリーンのみを選択した理由とは
| デビッド・パイパーほど黄金時代のフェラーリのレーシングカーを多数所有し、レースに参戦してきた人物は他にいない | 250GTOは7台、250LMは6台も乗り継いでいる(そのうち6台は長年にわたり継 ...
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デビッド・パイパーは「グリーンのフェラーリのみ」でレースを戦っていますが、特に有名なのは「365 P2」。

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このボディカラーは近代に「グリーンジュエル」として蘇っています。

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フェラーリが「その歴史に古く根ざす」グリーンから”象徴的な3色”をピックアップ。鮮やかなグリーンから「最も濃いメタリックグリーン」まで
Image:Ferrari | 現代では「グリーンのフェラーリ」は非常に少ないが | おそらく今後、グリーンのフェラーリが「積極的に選ばれる」ようになるだろう さて、フェラーリが「ブルー」に続き「グリ ...
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なお、フェラーリによると「近年、グリーンの人気が高まっている」「グリーンは一つのキーカラー」とのことで、フェラーリ創業者、エンツォ・フェラーリの実子であるピエロ・フェラーリも自身のクルマとして「グリーンのプロサングエ」を選んでいますね。
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フェラーリ「近年、グリーンが重要なキーカラーとして復活しています」。ただしグリーンのボディカラーを持つフェラーリは現存する車両のわずか1%だけらしい
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エンツォ・フェラーリの息子がオーダーしたプロサングエが公開!亡き父が乗っていたフェラーリと同じカラーを再現し、ボディサイドにはあえて「エンブレムなし」
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「ホワイト」はイタリア国旗の一部である
そしてイタリア国旗の1/3を占めるホワイトもまたフェラーリにとって重要なカラーのひとつ。

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ここでは「4層ペイント」を採用した高価なビアンコ・イタリア(Bianco Italia)や、スイスの山にちなんで名付けられたビアンコ・セルビーノ(Bianco Cervino)が紹介されていますが、このビアンコ・セルビーノはぼくが296GTBのストライプに選んだカラーであり、その理由は「青白くソリッドだから、そしてアッズーロ・ディーノに似合うから」。

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ボクがフェラーリ296GTBに投入したオプション「ボディカラー」。このカラーとストライプだけで500万円以上、「アッズーロ・ディーノ」「ビアンコ・セルビーノ」とは
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そのほか、1953年にレースを走った340MM ビニャーレにインスパイアされた「ビアンコ・ミッレミリア」は比較的新しく開発された現代的なカラー(3層仕上げ)であると紹介されています。

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フェラーリが「ビアンコ ミッレミリア」にフレンチブルーのアクセントを持つ812コンペティツォーネを公開。内装ではシートもブルー
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近年人気があるカラーが「グレー」と「ブラック」
そしてフェラーリにおいて近年人気が高まっているのが「グレー」そして「ブラック」。
これらの流行は全世界的・全自動車メーカー共通ではありますが、フェラーリにおいて人気の火付け役となったのは812コンペティツォーネ発表時に用意された新色「グリジオ・コンペティツォーネ(Grigio Competizione)」の登場。
これは近代フェラーリの「抑揚が強い」ボディラインによくマッチしており、フェラーリにかかわらず多くの自動車メーカーにおいて「グレーが人気」となったのは、そのデザイン技術が進歩し、陰影が出やすい立体的なカラーだと認識されたからなのかもしれません。

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フェラーリが「テーラーメイド」最新作を公開、「モータースポーツのヘリテージ」を812コンペティツォーネ上にて再現
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そして定番カラーとして高い支持を誇るのが「ブラック(ネロ)」。
ただし近年では塗料開発技術が向上したことで様々な表現力を持つブラックが登場しており、非常に細かい金属粒子を小乳した「ネロ・ギャラクシー」、一見するとブラック、しかし強い光が当たると赤みが顔を出す「ネロ・プロサングエ」など、ますますそのバリエーションが拡大しています。

こうやって見ると、フェラーリの人気ボディカラーは「その歴史、特にモータースポーツに根ざすもの」から、最新の車体デザインや塗装技術に合わせて進化したモダンなものまで多様な選択肢が広がっており、ますますユーザーにとっての「選ぶ楽しみ」も拡大しているということになりそうですね。
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参照:Ferrari