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最近のフェラーリはずいぶん「カスタム」に寛容?かつては自由度が存在しなかった「跳ね馬」「Ferrariバッジ」のカラーや仕上げの選択範囲が拡大中

最近のフェラーリはずいぶん「カスタム」に寛容?かつては自由度が存在しなかった「跳ね馬」「Ferrariバッジ」のカラーや仕上げの選択範囲が拡大中

| 一方、「絶対に」「フェラーリが認めた顧客以外には」選択できないカスタムも存在する |

フェラーリは多様性を重視する一方、そのブランドイメージを先鋭化することをさらに重要視している

さて、ここ最近フェラーリがリリースする市販車、そしてカスタム(ワンオフやテーラーメイド)車両を見て思うのが「ずいぶんカスタムの自由度が向上したな」ということ。

というのもかつてのフェラーリは「ロッソコルサしかボディカラーが許されなかったり」というモデルや時期があり、実際にF40だと生産された1,311台すべてが「ロッソ・コルサ」。

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その後のF50、エンツォフェラーリ(2002年発表)においても「限られたVIP顧客が、限られたカラーパレットのみ」を選択するに留められていたので、この時代はフェラーリがそのブランドイメージを守る、あるいは確固たるものとするために「制限をかけていた」のだとも考えられます。

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フェラーリ
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ラフェラーリあたりから流れが変わる

ただ、そこからちょっと流れが変わったのが2013年に発表されたラフェラーリあたり。

ラフェラーリでは(おそらく)かなり自由にボディカラーを選べたようで、実際にジャミロクワイのフロントマン、ジェイ・ケイは「フェラーリらしくない色を選びたかった」という理由にて(フェラーリとはもっとも縁遠いカラーの一つかもしれない)グリーンを選んでいます。

しかしながらフェラーリはその後も「一定部位」においてはカスタムを制限していて、「スクーデリア・フェラーリ」シールドエンブレムや・・・。

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リアデッキの「Ferrari」バッジ(クローム)に・・・。

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跳ね馬についてもカスタムできなかった時代が続いていたと認識しています。※もちろん、ぼくの把握していない範囲でのカスタムが存在したはずである

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しかしながら現代では(いつからかはわからない)跳ね馬にはマットブラックが選べるようになり・・・。

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「Ferrari」バッジもクロームではなくマット(マイクロブラストっぽい)を選択可能に。

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さらには「テーラーメイド」プログラムではシールドエンブレムの「パーソナライズ」が解禁に。※シールドエンブレムについては、一時期純正オプションにカーボンファイバー製がラインアップされていた

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「Ferrari」バッジのカラーリングも解禁されています(ブラック、そしてホワイトを採用する個体が確認されている)。

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ちなみにこのブラックのFerrariバッジは直近だとテーラーメイド以外でも選べるようになっていて、ぼくは「直近で注文したフェラーリ」にはこのブラックを選んでいます(296GTBをオーダーする際には選べなかった)。

参考までにですが、ランボルギーニでもウラカンLP610-4オーダー時には「Lamborghini」バッジのカラーを選択できなかったものの、ウラカンEVO RWDではブラックを選択できるように。

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もう一つ参考までに、ポルシェは随分早い時期からモデルネームのカラーを選べたので(少なくともランボルギーニやフェラーリより20年も前から)、このあたりはさすが「色にこだわる」ポルシェといったところですね。

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フェラーリの「パーソナライゼーション」は新次元へ

話をフェラーリに戻すと、フェラーリが直近で公開した「12チリンドリ テーラーメイド コリア」ではなんとボディサイドのスクーデリア フェラーリ「シールドエンブレム」、そしてリアデッキのFerrariバッジと跳ね馬が「マット仕上げのクリスタル」。

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こういった流れを見るに、フェラーリのパーソナリゼーションの範囲はどんどん拡大しており、それに伴って市場に送り出されるフェラーリが「画一的」でなくなっているということを意味しますが、この傾向はピニンファリーナとの関係を絶った後、フラビオ・マンゾーニ氏がフェラーリのデザインスタジオ(チェントロ・スティーレ)を率いるようになってからだとも考えられます。

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なお、ぼくはこういった流れについては「歓迎」のスタンスであり、その理由は「多種多様なフェラーリが路上に出てくるようになると楽しいから」。

実際のところ、ぼく自身も「フェラーリらしくない」カラーを選ぶようにしていて(しかしフェラーリのヘリテージは重視している)、おそらく今後もこの考え方は変わらないものと思われます。

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そして現代においては市場の評価も変わりつつあり、かつては「レッド以外は値がつかない」といわれたフェラーリの中古市場においても、変わり種ボディカラーを持つ個体が「希少色」として高く評価される例も少なくはなく、そういった「価値化の多様化」こそが現代のフェラーリが目指すところなのかもしれません。

フェラーリ
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そしてこういった「多様化」につき、かつてフェラーリがボディカラーを制限していた時代とは逆行するように思えるものの、フェラーリは創業当初から「顧客にあわせた」パーソナライゼーションを多々行っていたことでも知られており、王侯貴族や資産家、そしてロックスターや俳優向けに様々な「特別仕様車」を販売したことも。

エンツォ・フェラーリ博物館へ行ってきた(2)。フェラーリは創業当初から「限られた顧客の要望を聞き入れ」カスタム車両を作ってきた。それが現代の”テーラーメイド”につながっている【動画】
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そして現代では、VIP顧客ではない「一般の顧客も」過去では一部顧客にしか開放されなかった恩恵にあずかることが可能となっており、これは非常にありがたいことだと認識しています。

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しかし今でも「厳しい制限」が存在する

こういった「カスタム無制限」といった様相を呈している現代ではありますが、実は非常に厳しくカスタムが制限されている分野も存在し、それは「モータースポーツ」「ヘリテージ」。

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これらについては、一般の顧客が「過去に活躍した、あるいは現代に活躍するレーシングカーやF1マシン」をモチーフにしたカスタムを依頼しても「要望を受け付けない」とされており、これが叶うのは”フェラーリが認めた”顧客のみ。

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もちろん、先般発表された「F40モチーフ」、そして過去のエリック・クラプトンによる「512BBオマージュ」なども”フェラーリが認めた顧客”以外には許される仕様ではなく(それ以前に、ワンオフ車両の制作そのものが一般顧客には開放されていない)、これらの分野に限っては、今後も厳しく制限されることになるものと思われます。

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なお、捕捉しておくと、「モータースポーツやヘリテージに関係しなければ自由にカスタムできる」わけではなく、かねてより「ピンク」は選べないとされ(フェラーリのイメージにそぐわないから)、そして直近でもフェラーリは「ブランドイメージを貶めるような、あるいはブランドイメージにマッチしない」カスタムを受け付けない、とコメントしていますね。

フェラーリ
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