Image:CHEVORLET
| アメリカの自動車メーカーもついにここまでのスポーツカーを作れるようになった |
近々ライバルのマスタングも「アメリカ車ニュル最速」タイムを発表するとウワサされている
さて、トヨタでは豊田章男氏、日産だとカルロス・ゴーン氏が「はじめて自身でステアリングホイールを握ってスポーツ走行を行った」社長だと言われていますが、今回はゼネラルモータース(GM)の社長、マーク・ルイス氏が自社のコルベットZR1を駆って時速375.92km/hを記録し「GM史上最速」「100万ドル以下のクルマでは最速」という偉業を打ち立てることに。
マーク・ルイス氏がドライブしたのは2025年型コルベットZR1で、特別な改造やトリックは一切なく、標準のシャシーにカーボンファイバー製エアロパッケージ、ミシュラン・パイロット・スポーツ4Sタイヤを装着した状態で達成されています。
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環境さえ整えば「誰でも」この速度を達成可能
なお、コルベットZR1には「トップスピードモード」が搭載され、今回のアタックはこのモードを使用して行われていますが、「最大速度のためにシャシーを最適化する」この機能はZR1のオーナーであれば誰でも使用することが可能です。
今回のチャレンジはドイツのATPオートモーティブテストセンター・パペンブルクで行われた高速テストの一部であり、開発車両2台と5人のエンジニアチームによって行われ、驚くべきことに”常に”230mph(約370km/h)を超える速度を記録していたというので、この速度は「様々な条件が揃ったうえで出た”まぐれ”」ではなく「実力」だと考えてよいかと思われます。
参考までに、前世代のコルベットZR1の最高速は212mph(341km/h)に達していますが、C8世代のZR1はこれよりもさらに21mph(34km/h)も速く、そして公称値よりも18mph(約29km/h)速いというのはまさに驚き。
そしてこの速度がどれくらいなのかというと、マクラーレンが発表したばかりのW1、そしてこちらもつい先日発表となったフェラーリF80でも最高速が350km/hにとどまるといえばそのレベルがわかるかもしれません(マクラーレンW1の場合はリミッターが作動するが、コルベットZR1ではそれ以上の速度でも問題なく走行できるためにリミッターが装備されないということになる)。
GMはコルベットZR1を「史上最速のアメリカ車」と表現
なお、今回の結果をもってGMはこのコルベットZR1を「史上最速のアメリカ車」だと述べていますが、デトロイトのビッグスリー、そして量産車メーカーに限ればこれは真実。
もちろん時速470km/hを超えるSSCトゥアタラ、435km/hに達したヘネシー・ヴェノムGT、そしてシンガー21Cのようなハイパーカーには敵わないものの、それらの価格は「軽く100万ドル(現在の為替レートだと1億5000万円)以上」なので、「100万ドル未満の現在の生産車では無敵(アメリカ車だけではなく、世界中探しても同じ価格帯でこれに比肩しうるクルマはないだろう)」なのは間違いなさそう。※コルベットZR1の価格は未発表であるが、15万ドルくらいであろうと目される。さらには最高速325km/h、32万5000ドルのマスタングGTDの半分以下の価格である
コルベットZR1は5.5リッター・ツインターボチャージャー付きLT7フラットプレーンクランクV8エンジンを搭載し、7,000rpmで1,079馬力、6,000rpmで1,121Nmのトルクを発生させますが、これはアメリカの自動車メーカーが製造した中で最も強力なV8エンジンであり、コルベットのパフォーマンスを新たなレベルに引き上げています。
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さらにはカーボンファイバー製エアロパッケージによって最高速度で1,200ポンド(544kg)以上のダウンフォースを生み出すというので、おそらくは「直線番長」ではなく、ニュルブルクリンクを走っても「相応のタイム」を出すこととなりそうですね。
加えてシボレーは、コルベットZR1が10秒未満でクォーターマイル(ゼロヨン)を達成すると主張しており、しかし今回の偉業そしてエンジンパワーを考慮すれば、「この主張を信じないわけにはゆかず」、ついにアメリカの量産車メーカーが世界クラスのスーパーカーを生産する能力を獲得したという一つの事実を示すものだとも考えられます(さらにコルベットはこの上に”Zora”なる最強モデルを追加する予定である)。
GMの社長によって「アメリカの量産車最速」スピードが記録される動画はこちら
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参照:Chevrolet