■そのほか自動車関連/ネタなど

研究機関によれば2025年の世界EV販売は「30%増」。昨今のEVの需要減少、自動車メーカーのPHEVへのシフトを考慮するとかなり強気の想定である

EV

| 問題は「30%増」に耐えうる供給が自動車メーカーにできるかどうかである |

これに対応可能なのは中国勢、そしてテスラくらいのものであろう

さて、先ごろには「中国のNEV市場における予測」を公開しましたが、今回は「ワールドワイドにおける2025年のEV販売予測」。

結論から言うと、専門家は2025年にEVの販売が(2024年比で)30%上昇すると予測しており、EVが世界の自動車市場の16.7%を占めることになるとしています(2024年では13.2%)。

この前向きな(そしてアグレッシブな)予測は、複数の自動車メーカーがEVの展開を遅らせ、ハイブリッド車に焦点を合わせる方向へと方針を転換しているにもかかわらず発表されたもので、まさにこれは注目に値する事実です。

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2025年位はBEVの販売が1510万台に達する

S&Pグローバル・モビリティの専門家は2025年のバッテリー駆動型電気自動車(BEV)の販売台数が1510万台に達し、世界全体で16.7%の市場シェアを占めると予測していますが、台数ベースだと2024年の1160万台(予測)からの大幅増となり、しかし「成長率は地域ごとに大きく異なる」と予測。

これには政府の政策や関税、インセンティブの影響に加え、適切な充電インフラの整備が影響しているとも述べていて、例えばインドでは、EVは総販売台数の7.5%を占めると予測されていますが、前年比117%の増加を見込んでおり、急速に市場を拡大するということに。

米国ではEV販売が36%増加して市場シェアは11.2%に達するという予測が出されているものの、この成功は、今後のホワイトハウスでのドナルド・トランプ氏の方針、特にEV税額控除や米国外で製造された車に対する関税政策に大きく依存しています(そして状況次第ではテスラが大きな恩恵を受ける)。

2025年のEV販売予測(地域別)

地域EV市場シェア前年比変化(2025 vs 2024)
ヨーロッパ20.4%43.4%
米国11.2%36.0%
中国29.7%19.7%
インド7.5%117%
世界全体16.7%29.9%

中国は依然として圧倒的な市場である

そして中国はEV購入に関して常に先行し、2025年には中国市場の約30%をEVが占めると予測されていますが、その市場シェアがすでに大きいため、成長率は他の地域ほど急速ではなく、前年比20%の増加にとどまるというのが今回の推測。

それでも、2025年には通年にてEVが内燃機関車(ICE車)を初めて上回ると予測されており、政府が設定した「2035年までに新車販売の50%をEVにする」という目標を前倒しで達成することになりそうです。

Zeekr
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そして中国におけるEV市場の成長は継続すると予測されているものの、競争の激化、価格競争の影響、そして過剰なモデル供給により、多くの地元ブランドが市場から撤退することになるかもしれず、つまり「EVの販売は増加するものの、自動車メーカーが淘汰され、そのプレイヤーが入れ替わる」可能性が指摘されているわけですね。

参考までに、中国ではかつて欧米の自動車メーカーが市場を支配していたものの、今では中国国内ブランドに押されており、2010年には外資系ブランドが新車販売の64%を占めていたところ、2024年だとそのシェアが37%にまで落ち込んでいて、2025年にはさらにこの数字が低くなることが予想され、「撤退」する日米欧の自動車メーカーが出てくるのかもしれません。

欧州市場についてだと、今年ドイツでは政府の補助金が撤回されたことが影響しEVの需要が減少したというニュースが報じられていますが、それでも、研究では西欧および中欧まで含めるとEVの販売が43%増加し、EVの市場シェアが20%を超えると予測しています。

フランスやスペインでは2025年に補助金が削減または縮小される予定ですが、それでも販売は拡大すると見込んでおり、全般的に見て「かなり」強気の予想だとも考えられ、「実際にどうなるのか」を注視する必要がありそうですね。

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