| デザインイメージは1950〜1960年代のクラシックなGT、そこへ独自要素をプラス |
なかなかここまで大胆にカスタムするオーナーは少ない
さて、フェラーリが突如としてワンオフモデル、「BR20」を発表。
フェラーリは上位250名のVIP顧客を対象にワンオフモデル(オーダーメイドモデル)の受注を行っており、その価格は1台3億円からと言われますが、それでも現在のところ納車までには3年を要するとも言われます。
よって、プロジェクト開始時には「その時には現役だったモデル」をベースにするものの、完成した時点では次世代モデルにバトンを譲り渡しているということも多く、今回のRB20でのベースモデルも(すでに販売が終了となった)GTC4ルッソなのだそう。
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フェラーリのワンオフモデルを注文できるのは上位250人のVIPのみ。価格は3億円から、それでも納車されるまでには「5年待ち」
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フェラーリBR20はこんなクルマ
なお、上述の通りベースモデルはフェラーリの「シューティングブレーク」であるGTC4ルッソで、これはもともと4シーターレイアウトを持つものの、BR20ではそのワゴンボディをファストバック風に変更し、そして座席数は4つから2つへ。
つまり「相当に大掛かりな改装がほどこされた」オーダーメイド車両ということになりますが、そのデザインモチーフが1950年代から1960年代にかけての(410スーパーアアメリカや500スーパーファストのような)GTだといい、たしかに優雅なスタイリングを持っているように思います。
2シーターにするのであれば、同じようにフロントにV12エンジンを積む812フーパーファストをベースにしても良さそうではありますが、想像するに、このBR20をオーダーしたオーナーさんはGTC4ルッソの長いホイールベース(27センチくらい長い)を活かしたかったのかもしれません。
参考までに、こちらはフェラーリ400スーパーアメリカ。
今回のBR20について、明らかに特定のモデルを意識したり、レトロといった要素は見られないものの、BR20のフロントバンパー内のデイタイムランニングランプは1950−1960年代のフェラーリの「クロームのバンパー」を表しているようにも見えますね。
リアだと特徴的なCピラー(ヒドゥンピラーのようにも見えるが、そうでもないっぽい)、そして丸いテールランプを確認でき(これはそのままGTC4ルッソから移植したように見える)、ややGTC4ルッソっぽさも見える部分です。
そのほか、ボディサイドの「ホッケースティック」型パーツや、ホイールは「オリジナルデザイン」となっていて、車高はかなり落とされ、そして「そうとうにツライチ」となっているもよう。
ブレーキキャリパーはフェラーリのシールドエンブレムとカラーをマッチさせたのか「イエロー」です。
それにしても、フェラーリとしては「人気が高くない部類」のGTC4ルッソをベースに選ぶあたり、「真のお金持ち」という感じですね。
フェラーリRB20のインテリアはこうなっている
そしてこちらはフェラーリRB20のインテリア。
エクステリアに比べると構造的な変更は大きくはなく、見た感じだと張り替え程度に収まっているように見え、マットな色調のレザーに加えて、光沢のあるヴィンテージレザー、ブラウンのカーペット、そしてカーボンファイバーという組み合わせ。
なお、ヴィンテージレザーが使用されるのはシートやセンタートンネルのサイド、アームレストといったあたりですが、アームレスト部のみにホワイトのクロスステッチが用いられることに。
センターのタコメーターは(ブレーキキャリパーと同じく)フェラーリのエンブレムにあわせたイエローです。
後席部分は上述の通りシートが除去され、そのかわりにウッドやカーボンファイバーを使用した「エレガントな」ラゲッジスペースへと置き換えられている、とのこと。
今回、この「RB20」の文字や数字が何を意味するのかは明かされていませんが、オーナーさんのイニシャルもしくは記念となる記号そして数字なのだと思われます。
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参照 / Photo:Ferrari