
Image:Bentley
| 今後、いずれの自動車メーカーにおいても「限定車購入」にかかるハードルがどんどん引き上げられそうである |
限定車を購入するために「限定車を購入しなければならない」というこの事実
さて、ベントレーが「ベンテイガ・エイペックス・エディション」の納車を開始したと発表していますが、この特別仕様車の名はほとんど知られておらず、それもそのはずで「このクルマはル・マン・コレクション・コンチネンタルGT、あるいはル・マン・コレクション・コンチネンタルGTCのオーナーしか注文する権利がない、極めて特別かつ排他的な限定モデルだから」。
ちなみにル・マン・コレクション・コンチネンタルGT/GTCはベントレーのル・マン24時間レース6回目の優勝20周年を記念して製作されていますが、ベントレーはル・マン24時間レースの「第一回目」にも参加した自動車メーカーであり、非常に豊かなモータースポーツ上の歴史を持っていることでも知られます(現在のベントレーのイメージからは想像しにくいけれど)。
Image:Bentley
-
-
1950年、「たった一人でル・マン24時間レースを走りきり、8位に入った」不屈の男がいた!16年落ちのベントレーに乗り、50歳でこの偉業を達成することに
| ル・マン24時間レースにおいては、たった1日で伝説が作られる | そしてこの偉業を成し遂げたのは100年のル・マンの歴史においてたった一人、そしてその記録は未来永劫破られることがない さて、ぼくが ...
続きを見る
今回納車されたベントレー・ベンテイガ・エイペックス・エディションはこんな仕様を持っている
今回ベントレーがベンテイガ・エイペックス・エディションを納車したのはマーク・キング氏なる人物に対してで、同氏はもちろんすでに所有しているル・マン・コレクション・コンチネンタルGTと同じカラーにてこのベンテイガをオーダーすることに(ベンテイガ・エイペックス・エディションは6種類のカラーコンビネーションから好きな仕様を選択できる)。
Image:Bentley
上述の通り、ル・マン・コレクション・コンチネンタルGT/GTCは「ベントレーがル・マン24時間レースにて記録した6回目の優勝からの20周年記念限定車」であり、わずか20台のみが生産されていますが、この20人のオーナーにのみ購入権が与えられるのが「ベンテイガ・エイペックス・エディション」。
よって、自ずとこのベンテイガ・エイペックス・エディションの生産も20台に制限されるわけですが、製造を担当するのはベントレーのパーソナリゼーション部門「マリナー」です。
そして今回の個体は「ヴァーダント・グリーン&ムーンビーム」というカラーコンビネーションを持ち、インテリアは「ベルーガ・ハイド(黒革)」と「ディナミカ・ファブリック」、コントラストステッチは「ホットスパー(赤)」、そしてホイールは22インチサイズのカーボンファイバー製。
Image:Bentley
このマーク・キング氏は「高性能車の収集を家族の伝統として受け継いでいる」人物だといい、しかしベントレーの収集に乗り出したのは比較的最近の2010年。
現在はベンテイガ・スピードのほかコンチネンタルGT3-Rなど多数のベントレーを保有するそうですが、様々なイベントへ招待されるまでのVIP客へと成長し、そしてついに2023年にはル・マン・コレクション・コンチネンタルGTの購入権利を獲得し、そしてもちろん今回のベンテイガ・エイペックス・エディションのオファーがあった際にも「迷うこと無く」購入を決めたのだそう。
このベンテイガ・エイペックス・エディションのベースは高性能バージョンの「ベンテイガS」で、搭載されるエンジンは4リッターV8ツインスクロールターボ、出力は550馬力/770Nm、0-100km/h加速4.4秒、最高速290km/hというスペックを誇ります。
Image:Bentley
さらにはベントレー・ダイナミック・ライド(アクティブアンチロール制御)とリアホイールステアリング、スポーツエキゾーストにを備えますが、エイペックス・エディションでは追加にてカーボンファイバー製ホイール(標準ホイールに比較し44kgも軽くなる)、カーボンセラミックブレーキ、カーボンファイバー製ボディキットが与えられ、ベンテイガ史上「もっともハイパフォーマンスな」一台に仕上がっています。
Image:Bentley
ル・マン・コレクション・コンチネンタルGTはこんなクルマ
一方、すでに同氏のガレージに収まるル・マン・コレクション・コンチネンタルGTは、「ヴァーダント・グリーン」×「ブラックライン・スペック」というカラーコンビネーションを持ち、これは2003年のル・マン優勝車である「#7 スピード8」へのオマージュ仕様。
フロントグリルは「ベルーガ・ブラック・マトリックス」、そこへ「アークティカ・ホワイト」にて#7ペイントが施されるほか、ブラック仕上げの22インチ・10スポークホイール、レッドキャリパーを備えるカーボン・セラミックブレーキが与えられていますが、インテリアには「ベントレーが1924年から2003年の間にル・マンで獲得した6回の総合優勝を象徴する」6つの月桂冠エンブレムがハイグロスカーボンファイバー仕上げのダッシュパネルへと埋め込まれることに。
Image:Bentley
さらにはベントレーではおなじみの「回転(ローテーション)ディスプレイ」も特別仕様となり、これを回転させると「2003年ル・マン優勝車、スピード8から抜き取ったエンジンバルブの一部」を収めた特別なヴィトリン(展示ケース)が現れるというユニークな仕掛けを持っています。
-
-
VETCエンジンを「ツイン」で搭載したホンダ・プレリュードが中古市場に。前後エンジン用に専用トランスミッションを2つ搭載
| ときどき「ツインエンジン」を搭載する猛者が現る | このホンダ・プレリュードはなかなかワイルドな走りを見せそうだ さて、ときどきネット上に登場するのが「ツインエンジン」搭載車。今回は中古車売買サイ ...
続きを見る
合わせて読みたい、ベントレー関連投稿
-
-
ベントレーがル・マンへの復帰を示唆!ベントレーは過去に6度の優勝経験があり4連覇を成し遂げたことも。加えて「合成燃料」にてガソリン車を生きながらえさせることも検討中
| ベントレーはアウディの管理下にて、これまでと大きく方向を転換するのかもしれない | さて、ベントレーがル・マン24時間レースへと復帰する可能性を示唆。現在ベントレーは「超高級車ブランド」としての展 ...
続きを見る
-
-
おそらくは自動車業界初、「3Dプリントされたゴールド」を使用したベントレー・バトゥールが公開。内外装にはローズゴールドが散りばめられる
Image:Bentley | このバトゥールのオーナーは「ローズゴールドに強いこだわり」を持つ人物 | 一体ゴールドにどれくらいの費用を投じたのかは明かされていない さて、ベントレーは自社のパーソナ ...
続きを見る
-
-
おそらくは自動車業界初、「3Dプリントされたゴールド」を使用したベントレー・バトゥールが公開。内外装にはローズゴールドが散りばめられる
Image:Bentley | このバトゥールのオーナーは「ローズゴールドに強いこだわり」を持つ人物 | 一体ゴールドにどれくらいの費用を投じたのかは明かされていない さて、ベントレーは自社のパーソナ ...
続きを見る
参照:Bentley