| ホンダは地域や国ごとに別々の展開を行っており、それが「儲からない」原因だと言われている |
このままだとホンダeは一代限りで終了しそうだ
さて、現在「最大」の電気自動車市場となった中国のマーケットに対し、ホンダは今後5年以内に10台の電気自動車を導入すると発表。
これらのEVは「e:Nシリーズ」と呼ばれ、最初の2モデルは来春に発売される予定です。
なお、一部は輸出も視野に入れているものの、輸出国など詳細は現時点では明かされておらず、こちらについては今後の発表を期待したいところ。
そして今回ホンダが発表した「10台の電気自動車(EV)」はe:Nシリーズと命名されており、このコンセプトは「Dynamic, Intelligence and Beauty」なのだそう。
加えて、2030年以降に中国国内において発売する車両については全て電動化(ハイブリッド含む)されるということもアナウンスされています。
そのバリエーションは多種多様
今回の発表によると、まず第一弾として登場するのは「e:NS1」と「e:NP1」と呼ばれ、新型HR-V(日本だとヴェゼル)をベースにしたクルマ。
なお、e:NS1について、昨日中国工業情報化省に画像が掲載されたばかりです。
こちらについては、一回の満充電あたり航続可能距離が500キロ、0-100km/h加速が8秒程度ということが追加にてアナウンスされています。
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そしてその後のモデルについては、いずれも専用のe:Nアーキテクチャーを採用し、前輪駆動、後輪駆動、全輪駆動の3つのバージョンが用意され、独自のデザインフィロソフィーがその外観に反映されることになる模様。
e:Nシリーズはこんなクルマ
そしてこれらe:Nシリーズ第二弾として発売されるのは「e:N Coupe、e:N GT、e:N SUV」の3台。
現時点ではいずれも「コンセプト」だとされるものの、実際に市販モデルを示唆しているといい、シャープなライン、細身のランプ、シャープなラインを持つことが特徴。
なお、ホンダは主に欧州と日本にて「Honda e」を発売しており、その前には同様の「丸っこいデザイン」を使用した「スポーツEVコンセプト」や「TOMO」を発表していますが、中国においては全く逆とも言えるデザインをEVシリーズに与える、ということになりそうです。
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ホンダはやっぱり構造的に変わっていない
そこで気になるのが、将来的にホンダはEVのデザインをどうするのか?ということ。
グローバルではホンダeのようなレトロフューチャーでクリーンなデザインを採用し、しかし中国では正反対のシャープで直線的なデザインを採用するのか、もしくはホンダe路線は「なかったこと」にしてグローバルモデルをe:N路線にあわせるのか(後者だと、ホンダeは一台限りで終わる悲運のモデルとなりそうだ)。
いずれにしても全く「無駄」な行動をしているように見え、地域ごとに「本来不要な」コストを投じることで収益を圧迫し、もしくは(アシモのように)それまで投じたコストがほぼ回収できないことになりそうです。
ホンダは地域ごとに独自の製品を投入することで知られますが、これが「儲からない」体質を生み出しているとも言われ、この反省から「効率のいいグローバル展開を進める」という方針を採用したと聞くものの、今回の発表を見る限りでは、「以前とまったく変わっていない」ようにも思えますね。
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ちなみに北米ではGMとの協業にてまた別のEVを展開すると報じられているので、ホンダのEVは世界的に「統一されたイメージを持たない」ということにもなりそうです。
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e:Nシリーズにはこんなバリエーションも
そしてe:Nシリーズに話を戻すと、こちらはe:N GTコンセプト。
e:N SUVコンセプト。
こちらはe:N クーペコンセプト。
いずれも同様のデザインテイストを持っていますが、中国で大人気と言われるテスラ・サイバートラックの面影もチラホラ。
正直なところ、ホンダのEV戦略についてはその方向性がさっぱり見えず、迷走している感が拭えない、とも考えています。
ホンダが中国にて行った衝撃のプレゼンテーション動画はこちら
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参照:Honda Global