
| 意外ではあるが、一部地域で「セダン」は今でも人気が高い |
アメリカ、日本だと販売の約半数が「SUV」
アメリカ市場では10年以上にわたってSUVが圧倒的な人気を誇り、昨年のベストセラー20モデルのうち半分がSUVという状況です。
そしてこの流れは世界的に見ても同様で、日本(軽自動車除く)でもやはりTOP20のうちでは8台がSUV、ミニバンが4台、セダンはゼロ(プリウスをセダンとしてカウントするならば”1台”)。
こうした流れを受け、多くの自動車メーカーはセダンから撤退し、より利益率の高いクロスオーバーやSUVへとシフトしているわけですね。
BMW「セダンは消えない」
しかし、こういった状況においても、BMWはあくまでもセダンを「ブランドの核」と位置付け、捨て去るつもりはないことが直近の報道にて明らかに。
オーストラリアの自動車メディア、GoAutoのインタビューにて、BMWの新世代デザイン言語「ノイエ・クラッセ」を率いるオリバー・へイルマー氏(元MINIのデザイン責任者)は次のように語っています。
「数年前までは、セダンは消えてしまうかもしれないと思われていた。しかし実際には非常に安定している。BMWはセダンを象徴するブランドだ。小型でスポーティかつエレガントなミッドサイズセダンこそがBMWの核心だ」
たしかに、「BMW」と聞くと(3シリーズや5シリーズのような)セダンを思い浮かべる人も少なくはないはずで、実際にぼくの中でもイメージ的には「BMW=セダン」です。
BMWの幅広いセダンラインナップ
実際のところ、BMWは現在もラグジュアリーブランドの中で最も充実したセダンラインナップを維持しており・・・。
- 3シリーズ
- 4シリーズ・グランクーペ
- 5シリーズ
- 7シリーズ
さらに新型セダンの投入も計画されていて、電動SUV「iX3」の後には電動セダン「i3」が登場予定。
その後には伝統的な内燃エンジンを搭載する新型3シリーズも控えているとされ、また5シリーズや7シリーズのアップデート、Mパフォーマンスモデルの開発も進んでいると報じられるので、やはりBMWは「セダンに注力している」と考えていいのかもしれません。
BMWのデザインの方向性も変化
インタビューの中で、オリバー・へイルマー氏はBMWのデザイン言語につき、「より控えめな方向へ進む」ともコメント。
シグネチャーであるキドニーグリルは残るものの、サイズや形状はモデルごとに変化させ、現行3シリーズや4シリーズで見られる巨大グリルは今後縮小される可能性が推測されています。
「市場ごとに好まれるプロポーションは異なる。BMWは常に顧客の嗜好の変化をテストしている」
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まとめ
SUVが市場を席巻する中でも、あえてセダンを重視し続けてるBMW。
それは「セダンこそがBMWらしさ」であり、ブランドの象徴と考えているからに他ならず、今後登場予定の電動セダン「i3」や新型3シリーズは、BMWがいかにこの伝統を未来へつなごうとしているかを示す好例といえそうですね。
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参照:GoAuto