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ポルシェセンターに試乗車がやってきた。ポルシェ981ボクスターを試乗

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| やはりポルシェのオープンには格別の味わいがある |

ポルシェセンター北大阪さんにて、新型ボクスター(981)試乗させていただきました。

試乗車は2度目の対面となるレーシングイエローのボクスターS(左H、PDK)。今日は日光の下で見ることになりましたが、かなり明るいイエローですね。室内で見るよりもスピードイエローとの違いが明確にわかります。
※このイエローのせいで、トヨタMR-Sっぽく見えるのが残念

そして、今日はじめてトップを閉じている状態の新型ボクスターを見たのですが、トップの前後がかなり長くなっていますね。
それもそのはず、今までは折りたたんだトップを隠すカバーがあったのですが、これが無くなっているためにそのカバーの分、トップが後方まで延長されることになっています。
そのため、今まで丸く(そのカバーの手前で)弧を描いていたトップの後端形状が、クーペのようになだらかにリヤフードに向けて傾斜することになるのですね。
ただ、折りたたみの都合上か、サイドウインドウが少し小さくなったような気もします。ややナナメ後方視界が悪いので、これはワイドミラー装着などでカバーしたほうが良いでしょう。

なので、「トップを閉じているとき」のほうが「開けているとき」に比べて986/987ボクスターとの形状的相違が大きいように思われます。
ちょっと興味深いと思ったのは、トップを開けているときはそう感じなかったのに、トップを閉じるとトップ~リヤフード~リヤスポイラーとの連続するラインによって「ダックテール」のように見えること。
新型ボクスターはトップを閉じていてもイケてるわけですね。
なお、このトップは全自動なのでリモコンにて外部からも開閉の操作が可能。
「GTO」にて鬼塚がベンツSLのルーフをリモコン操作しながら感涙に浸るシーンがありましたが、ぼくもそんな心境になりました。

とにかくこの「外観」の変化は今回の981ボクスター最大のトピックとも言えます。
今までは911に準じていたボクスターのデザインを一変させて若々しく変更することで、同時に911を先進的で高級感のあるデザインに変化させることによって両者の差別化を図り、「完全に別のモデル」として存在させることに成功したように思います。

これは986世代からのポルシェにとって目指すところでもあり、そのために986後期でボクスター/911との間で共通であったヘッドライトを(911のフェイスリフトで)変更したり、987/997で共有パーツの比率を下げたり、ということを継続して手がけてきたのだと思うのですね。

そして今回の981/991ではそれが概ね達成できたとも考えられ、これによって「911とボクスター」で迷ったり、両者を関連付けて考えられる機会はずいぶん減ったと考えられ、ポルシェにとっても「今後」の展開が行いやすくなった、と考えられます。

たとえば911はGTカーとして、ボクスター/ケイマンは運動性能重視のミドシップかーとして、という区分けが出来るようになり、たとえボクスターやケイマンのラップタイムが911を大きく上回るようなことになったとしても、「存在領域が異なるので問題ない」と皆が納得するような展開ですね。

さて、キーをお借りしてエンジンを始動させますが、始動音や振動は非常に良く抑えられています。
操作系は先般の991と同じですので、今回は記載を割愛します。

さて、走り出して気づくのが快適性の高さ。
TTと比べてもロードノイズ、振動が格段に低いですね。そのためアイドリングストップもかなり自然に感じます。
もしかすると、アイドリングストップの違和感を無くすために(エンジンOFFのとき、急に静かになると違和感がある。パナメーラ登場初期はエンジンが止まったときに訪れる静寂に違和感を感じた)こういったノイズや振動を低減しているのかもですね。

ミドシップだけあって加減速の際のピッチングは911(991)に比べて少なく、安定している印象。
サスペンションの動き、ステアリングも991に比べてマイルドに感じ、もしも911とボクスターとの価格差やヒエラルキーを知らない人に両方乗せてみたら、ボクスターを「上級モデル」と判断しそうなくらい、ボクスターは快適ですね(あくまでも常用域の話。そして一般的に快適性という基準において車の上下が測られる傾向にある、という意味において)。
その快適性と相反してステアリングがちょっと重いようにも感じますが、これは20インチタイヤ/ホイールを装着していることも影響していると思います。
また、ボクスターSのトップスピードを考えるとこの程度は「必要」とも考えられ、おそらく2.7Lモデルではもう少し軽快感があるかと予想しています。
ステアリングはロックTOロックが小さいのか、小さく曲がる場面では「切りすぎてしまう」場面が何度かありました。
慣れれば逆に便利に感じる部分ですし、小気味良いハンドリングを楽しめそうですね。

7段PDKについてはもう実績もあり普及したものですので、ここでは改めて感想を述べませんが、ぼくがボクスターを購入するのであれば「間違いなく」PDKを選びます。
エンジンについては、アクセルを踏むと間髪入れず反応し回転数を上げますが、これは今までの986/987ボクスターSとはかなり異なる印象です。
エンジンとギア、タイヤが直結したようにガツンと加速しますね。
普通に流れに乗って走っているときは非常に滑らかでマイルドかつ快適ですが、ガツンと踏んでグイと曲げると性格が豹変、というところはこれまでのポルシェと同様。ですが、その「豹変度合い」がこれまでのモデルとは別次元、といった印象を受けます。

そしてコースティング状態に入ったときのスムーズさも特筆モノで、いかにも機械的な精度が高い滑らかさを感じさせ、「どこまでもそのまま惰性で転がってゆく」ような印象があります。
これはボクスターの特徴というよりはポルシェ車全般に言える美点だと考えています。

そして、これも機械的精度が非常に高いことに起因すると思われる、「低級音」の無さも、特徴としてぜひ挙げたいところです。
車というのは非常に多くの部品でできていて(当然ですが)、走ると必ずそれらから音が出るわけです。
たとえば、車のギアをニュートラルに入れ、エンジン回転数と排気音を最小にした状態で窓を開け、料金所など壁で囲まれたスペースに突入すると、ほとんどの車は「カチャカチャ、ギシギシ」と音が出るのが聞こえます(想像以上、びっくりするくらい)。
ただし窓を閉めていたりエンジン音や排気音にかき消されたりで、ふだんはぼくらの耳に届かないだけなのですね。
これがオープンだと顕著で、今までに乗ったオープンカーは、ボクスター除き、すべてこういった安っぽい音が出ていたのですね。
サスペンションが動作するときや、スタビライザーや遮熱板のビビリ、その他様々な音があり、これはコーナリング時も同様です。
なので、ぼくはよく上記のような環境やコーナリング時に、なるべく回転数を落とし、アクセルをオフにし、オーディオの音も消して走行することがあるのですね。
そうすることによって車の組み付け・部品精度の高さを知ることができますし、自分の車であれば劣化や異常を知ることができます。
そのため、ぼくは排気音が大きな車はあまり好きではない(それらの音がかき消されてしまい、異常や劣化に気づかない)のですね。

車は静かになればなるほど「粗」が目立つので、静かな車を作ることは、非常に高い技術を要求されるのだとぼくは考えていますが、ポルシェはそれを持っている稀有なメーカーだと同時に考えています。

内装についても991同様で、非常に大きく質感が向上しており、もはや「言うことなし」といったレベル。
ただし、今まではシート後方にあったわずかな収納スペースがスピーカーによって塞がれますので、手荷物はすべて足元もしくはトランクに入れねばならないのは残念。

試乗を終えてディーラーへ戻り、ドアを閉じたときにも「ドアの閉まる音」が今までとちょっと違うことを発見しましたが、今までの「バフン」という音に加えて、空冷時代のような、ちょっと硬質な高い音が混じって聞こえます。
R56ミニにやや近い音ですが、これも高感度UPなポイントです。

まとめると、内装の質感は986>987とスイッチした時よりもはるかに向上し、いわゆる高級車メーカーと肩を並べることができるようになったと感じます。ポルシェは走りに重点を置いているから、と自分に言い聞かせながら内装における質感のプアさを脳内補完する必要は無くなったわけですね。
ルックスにおいても同様で、機能性を高めながらもアピール力が向上。
動力性能においては、通常の速度域では十分に快適性を高めながらも、ポルシェの得意とする領域ではさらに「磨きをかけた」印象があります。
今までのボクスターは、「ポルシェ特有」の部分に特化した印象がありましたが、今回のボクスターは、アウディTTやBMW Z4、メルセデスSLKなど、オープン2シーターと言ったカテゴリにおいて、快適性や使い勝手、内装、外装の“らしさ”など、「今まで出遅れていた」と考えられる部分を補強し、かつ得意分野をさらに伸ばしてきた、と考えており、より幅広い層、幅広いターゲットにアピールしそうですね。

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ポルシェセンター北大阪さんにて、新型ボクスター(981)試乗させていただきました。

試乗車は2度目の対面となるレーシングイエローのボクスターS(左H、PDK)。今日は日光の下で見ることになりましたが、かなり明るいイエローですね。室内で見るよりもスピードイエローとの違いが明確にわかります。
※このイエローのせいで、トヨタMR-Sっぽく見えるのが残念

そして、今日はじめてトップを閉じている状態の新型ボクスターを見たのですが、トップの前後がかなり長くなっていますね。
それもそのはず、今までは折りたたんだトップを隠すカバーがあったのですが、これが無くなっているためにそのカバーの分、トップが後方まで延長されることになっています。
そのため、今まで丸く(そのカバーの手前で)弧を描いていたトップの後端形状が、クーペのようになだらかにリヤフードに向けて傾斜することになるのですね。
ただ、折りたたみの都合上か、サイドウインドウが少し小さくなったような気もします。ややナナメ後方視界が悪いので、これはワイドミラー装着などでカバーしたほうが良いでしょう。

なので、「トップを閉じているとき」のほうが「開けているとき」に比べて986/987ボクスターとの形状的相違が大きいように思われます。
ちょっと興味深いと思ったのは、トップを開けているときはそう感じなかったのに、トップを閉じるとトップ~リヤフード~リヤスポイラーとの連続するラインによって「ダックテール」のように見えること。
新型ボクスターはトップを閉じていてもイケてるわけですね。
なお、このトップは全自動なのでリモコンにて外部からも開閉の操作が可能。
「GTO」にて鬼塚がベンツSLのルーフをリモコン操作しながら感涙に浸るシーンがありましたが、ぼくもそんな心境になりました。

とにかくこの「外観」の変化は今回の981ボクスター最大のトピックとも言えます。
今までは911に準じていたボクスターのデザインを一変させて若々しく変更することで、同時に911を先進的で高級感のあるデザインに変化させることによって両者の差別化を図り、「完全に別のモデル」として存在させることに成功したように思います。

これは986世代からのポルシェにとって目指すところでもあり、そのために986後期でボクスター/911との間で共通であったヘッドライトを(911のフェイスリフトで)変更したり、987/997で共有パーツの比率を下げたり、ということを継続して手がけてきたのだと思うのですね。

そして今回の981/991ではそれが概ね達成できたとも考えられ、これによって「911とボクスター」で迷ったり、両者を関連付けて考えられる機会はずいぶん減ったと考えられ、ポルシェにとっても「今後」の展開が行いやすくなった、と考えられます。

たとえば911はGTカーとして、ボクスター/ケイマンは運動性能重視のミドシップかーとして、という区分けが出来るようになり、たとえボクスターやケイマンのラップタイムが911を大きく上回るようなことになったとしても、「存在領域が異なるので問題ない」と皆が納得するような展開ですね。

さて、キーをお借りしてエンジンを始動させますが、始動音や振動は非常に良く抑えられています。
操作系は先般の991と同じですので、今回は記載を割愛します。

さて、走り出して気づくのが快適性の高さ。
TTと比べてもロードノイズ、振動が格段に低いですね。そのためアイドリングストップもかなり自然に感じます。
もしかすると、アイドリングストップの違和感を無くすために(エンジンOFFのとき、急に静かになると違和感がある。パナメーラ登場初期はエンジンが止まったときに訪れる静寂に違和感を感じた)こういったノイズや振動を低減しているのかもですね。

ミドシップだけあって加減速の際のピッチングは911(991)に比べて少なく、安定している印象。
サスペンションの動き、ステアリングも991に比べてマイルドに感じ、もしも911とボクスターとの価格差やヒエラルキーを知らない人に両方乗せてみたら、ボクスターを「上級モデル」と判断しそうなくらい、ボクスターは快適ですね(あくまでも常用域の話。そして一般的に快適性という基準において車の上下が測られる傾向にある、という意味において)。
その快適性と相反してステアリングがちょっと重いようにも感じますが、これは20インチタイヤ/ホイールを装着していることも影響していると思います。
また、ボクスターSのトップスピードを考えるとこの程度は「必要」とも考えられ、おそらく2.7Lモデルではもう少し軽快感があるかと予想しています。
ステアリングはロックTOロックが小さいのか、小さく曲がる場面では「切りすぎてしまう」場面が何度かありました。
慣れれば逆に便利に感じる部分ですし、小気味良いハンドリングを楽しめそうですね。

7段PDKについてはもう実績もあり普及したものですので、ここでは改めて感想を述べませんが、ぼくがボクスターを購入するのであれば「間違いなく」PDKを選びます。
エンジンについては、アクセルを踏むと間髪入れず反応し回転数を上げますが、これは今までの986/987ボクスターSとはかなり異なる印象です。
エンジンとギア、タイヤが直結したようにガツンと加速しますね。
普通に流れに乗って走っているときは非常に滑らかでマイルドかつ快適ですが、ガツンと踏んでグイと曲げると性格が豹変、というところはこれまでのポルシェと同様。ですが、その「豹変度合い」がこれまでのモデルとは別次元、といった印象を受けます。

そしてコースティング状態に入ったときのスムーズさも特筆モノで、いかにも機械的な精度が高い滑らかさを感じさせ、「どこまでもそのまま惰性で転がってゆく」ような印象があります。
これはボクスターの特徴というよりはポルシェ車全般に言える美点だと考えています。

そして、これも機械的精度が非常に高いことに起因すると思われる、「低級音」の無さも、特徴としてぜひ挙げたいところです。
車というのは非常に多くの部品でできていて(当然ですが)、走ると必ずそれらから音が出るわけです。
たとえば、車のギアをニュートラルに入れ、エンジン回転数と排気音を最小にした状態で窓を開け、料金所など壁で囲まれたスペースに突入すると、ほとんどの車は「カチャカチャ、ギシギシ」と音が出るのが聞こえます(想像以上、びっくりするくらい)。
ただし窓を閉めていたりエンジン音や排気音にかき消されたりで、ふだんはぼくらの耳に届かないだけなのですね。
これがオープンだと顕著で、今までに乗ったオープンカーは、ボクスター除き、すべてこういった安っぽい音が出ていたのですね。
サスペンションが動作するときや、スタビライザーや遮熱板のビビリ、その他様々な音があり、これはコーナリング時も同様です。
なので、ぼくはよく上記のような環境やコーナリング時に、なるべく回転数を落とし、アクセルをオフにし、オーディオの音も消して走行することがあるのですね。
そうすることによって車の組み付け・部品精度の高さを知ることができますし、自分の車であれば劣化や異常を知ることができます。
そのため、ぼくは排気音が大きな車はあまり好きではない(それらの音がかき消されてしまい、異常や劣化に気づかない)のですね。

車は静かになればなるほど「粗」が目立つので、静かな車を作ることは、非常に高い技術を要求されるのだとぼくは考えていますが、ポルシェはそれを持っている稀有なメーカーだと同時に考えています。

内装についても991同様で、非常に大きく質感が向上しており、もはや「言うことなし」といったレベル。
ただし、今まではシート後方にあったわずかな収納スペースがスピーカーによって塞がれますので、手荷物はすべて足元もしくはトランクに入れねばならないのは残念。

試乗を終えてディーラーへ戻り、ドアを閉じたときにも「ドアの閉まる音」が今までとちょっと違うことを発見しましたが、今までの「バフン」という音に加えて、空冷時代のような、ちょっと硬質な高い音が混じって聞こえます。
R56ミニにやや近い音ですが、これも高感度UPなポイントです。

まとめると、内装の質感は986>987とスイッチした時よりもはるかに向上し、いわゆる高級車メーカーと肩を並べることができるようになったと感じます。ポルシェは走りに重点を置いているから、と自分に言い聞かせながら内装における質感のプアさを脳内補完する必要は無くなったわけですね。
ルックスにおいても同様で、機能性を高めながらもアピール力が向上。
動力性能においては、通常の速度域では十分に快適性を高めながらも、ポルシェの得意とする領域ではさらに「磨きをかけた」印象があります。
今までのボクスターは、「ポルシェ特有」の部分に特化した印象がありましたが、今回のボクスターは、アウディTTやBMW Z4、メルセデスSLKなど、オープン2シーターと言ったカテゴリにおいて、快適性や使い勝手、内装、外装の“らしさ”など、「今まで出遅れていた」と考えられる部分を補強し、かつ得意分野をさらに伸ばしてきた、と考えており、より幅広い層、幅広いターゲットにアピールしそうですね。

これまでの試乗レポートは下記のとおり。
最新の試乗レポートはこちらにあります。

 

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  • この記事を書いた人

管理人:JUN

ランボルギーニ/ポルシェ/ホンダオーナー。 ハイパフォーマンスカーを中心に、それにまつわる話、気になるクルマやバイク、モノ、出来事などを紹介します。

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