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「当初立てたEVの販売計画達成は無理」と正直に発表したGM。ガソリンエンジンへの継続投資に言及し「EVを買ってください」から「ガソリンもあって選択肢が豊富ですよ」へ

「当初立てたEVの販売計画達成は無理」と正直に発表したGM。ガソリンエンジンへの継続投資に言及し「EVを買ってください」から「ガソリンもあって選択肢が豊富ですよ」へ

Image:Chevrolet

| ほかの自動車メーカー同様、「EVを買ってください」から「消費者が自由に選べる選択肢を揃える」方向へ |

結局のところ、お金を支払って製品を購入するのは消費者であり、消費者に選ばれなければその会社は成り立たない

さて、ちょっと前にはGMの会長兼CEOであるメアリー・バーラ氏から「当初掲げたEVシフトへの目標は達成できそうにない」という正直かつ勇気あるコメントが出されたばかりですが、今回はGM社長、マーク・ルース氏が「今後数年間は内燃エンジン技術への投資を続ける」と( カーマネジメント・ブリーフィング・セミナーで)述べ、顧客需要の変化から同社を守る柔軟な生産戦略について説明を行っています。

なお、もともとの「電動化シフト」は(日本以外の)全世界にて同時進行しており、しかし昨年冬から急速にEVに対する需要と関心が(やはり全世界規模で)発生することに。

そしてこの状況を受け、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェ、ベントレー、そしてフォードといった大手自動車メーカーが「EVシフトへの歩みを遅らせる(EVの発売を延期する)、あるいはガソリンエンジンへと再注力する」と発表していますが、GMもその列に加わり、新しい方針を(一部)公開したわけですね。

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まず、マーク・ルース氏が語った内容は以下の通りで、今回の新しい方針は「リスクを回避し、どのような社会情勢の動きに対しても柔軟に対応できる耐性を構築する」ことにその目的があるもよう。

「我々は内燃エンジンへの投資を継続する必要があります。すでにシボレーほかいくつかのブランドでは内燃機関を積む新車を投入し、それらには改良型エンジンが搭載されていますが、これはEVの発売と並行して行われていることです。これは大きな実行リスクですが、市場動向と供給とを適切なタイミングで合わせれば、それをうまく実行することが可能だと信じています。」

これまでのEV市場は各国政府による補助金の導入、そしてやはり政府の決定したガソリンエンジン廃止リミットに向け、半ば「強制的」に進められていたもので、消費者はもちろん、自動車メーカーにとっても本意ではなかったのだと考えてよく(ドナルド・ドランプはEVシフトについて”強制的な義務”だと揶揄したが、そのとおりかもしれない)、しかし「下がらないEV価格、いっこうに改善しない充電エクスペリエンス」など消費者にとっての負担がますます大きくなり、そこでついに消費者が「EVではなくハイブリッドやPHEVなど、ガソリンエンジンを積む、より安価で、経済的で利便性の高い合理的な選択肢」へと流れ始めたのだと思われます。

よってGMは「予想したほど完全に開花していないEV市場」に適応するために機敏であり続ける必要があり、そのことがシボレー・シルバラードEV およびGMCシエラEVの発売を遅らせた原因となっているとも報じられていますが、つまるところGMは「強制的に顧客にEVを購入させる」という方針から「顧客が求めるものを提供し、選択は顧客に任せる」という方針へと(他の自動車メーカー同様に)転換するということに。

メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツ「もう我々は顧客にEVを買うことを押し付けません。ガソリンだろうがPHEVだろうが自由に選べるようにしようと思います」

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しかしその一方でGMは(やはりほかの自動車メーカーと同じく)EVの開発を放棄するつもりはなく、実際にマーク・ルース氏は「(EV市場の)成長は少し遅いペースではあるが、成長していないわけではない。このインフラストラクチャ部分は誰もが望んでいるほど早くは来ていませんが、確実に来ています」ともコメントしており、将来的にはやはりEV時代が到来するであろうとも言及しています。

なお、ぼくが思うに、こういった傾向は「調整段階」として必要であり、というのもこのまま闇雲にEVシフトを推し進めたとしても「高いEV」ばかりが世に出てしまい、「殆ど売れない」状況になっていた可能性があると思うから(そうなると取り返しがつかない)。

さらには中国の新興メーカーによる安価なEVがどんどん市場へと溢れ出てきて、旧来の自動車メーカーが販売する”割高な”EVがますます売れなくなるのは火を見るよりも明らかで、となると(充電環境など)インフラの拡充が進まない今「あえて」EVを推し進める必要はなく、であれば中国の新興メーカーが不得手とする、あるいは扱わない「内燃機関」を中心とした戦略に切り替えて生存領域を確保し、その間に「中国製の安価なEVに対抗しうる」訴求力の高いEVを水面下で開発し、きたる時が来れば「いざ発売」できるように準備を整えておくことが重要なのだと考えています(勝負できる土俵を確保することが重要である)。

参考
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参照:Auto News

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