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究極の自動車エンブレム解説:全111ものエンブレムを調査→「紋章ベース」「イニシャルベース」「動物ベース」など5つに分類しその起源を掘り下げる【動画】

ポルシェ

| 一見して何気ないように見えるエンブレムに隠された”秘密”も |

公共性を重視した例、あるいは極めて個人的な例も

ぼくらは常に、フェラーリの跳ね馬、トヨタのソンブレロ(帽子)、メルセデス・ベンツのスリーポインテッドスター、BMWのプロペラマークなど、日々数多くの車のロゴを目にしています。

しかし、これらのロゴがどこから来たのか、どのような意味を持つのか、さらにはそれを見る人の潜在意識に忍び込む暗号めいたメッセージがどこかに隠されているのではないか、と考えを巡らせたことがあるかもしれません。

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今回、自動車系YouTubeチャンネル「Speeed」が公開した動画では、歴史上のあらゆる出来事に基づき、エンブレムには確実に深い意味が込められていると指摘がなされており、一見普通に見えるデザインの裏には「公共性」あるいは「個人的な理由」「創業者からのメッセージ」など驚くべき物語が隠されていることがわかります。

そしてここでは、111種類もの自動車ロゴの起源を深掘りした調査に基づいて、それらを5つの主要なカテゴリに分類し、それぞれのロゴに込められた秘密と歴史を徹底的に解説します。

なぜエンブレムは重要なのか?その起源を探る5つのカテゴリ

まず動画の調査では、自動車ロゴの起源と意味を理解するため、以下の5つのカテゴリに分類を行っています。

1. ワードマーク/モノグラム(会社名やイニシャルベース)

2. ピクトリアルマーク/オブジェクト(翼や三叉の槍など、具体的な物体ベース)

3. アブストラクト(抽象的なシンボルや図形ベース)

4. アニマルズ(動物ベース)

5. クレスト/紋章(家柄や地域の紋章ベース)

【カテゴリ1】ワードマーク/モノグラム:名前の力を伝えるデザイン (約40%)

このカテゴリは自動車エンブレムの約40%を占める最も一般的な形式で、主に会社名やイニシャルに基づいています。

一見深い意味がないように見えますが、そのデザインには創業者の意思や歴史が刻まれています。

フォード (Ford): 象徴的な筆記体のデザインは、1909年の創業者ヘンリー・フォードの署名にインスパイアされています。青い楕円のエンブレムは1927年に登場して以来、ほとんど変更されておらず、ロゴの歴史において最高のロゴの一つとされています。

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Ford

テスラ (Tesla): 一見すると単なる「T」の文字に見えますが、実は電動誘導モーターのローターの断面を表しています。

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マツダ (Mazda): 75年の時を経て、現在の「翼のように見えるM」のロゴに落ち着くことに。

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ロールス・ロイス (Rolls Royce): 珍しく2つのエンブレムを持つブランドで、一つは「RR」モノグラムですが、もう一つは有名な「スピリット・オブ・エクスタシー」。これには秘密の起源があるそうで、この像は、オーナーであったモンタギュー男爵が彫刻家チャールズ・サイクスが考案したものですが(ここまでは良く知られている)、サイクスは男爵の愛人であり、非嫡出子の母親をモデルに選んだのだそう。

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このほか、「ロータス」の名が創業者であるコーリン・チャップマンの「元恋人」の名であったのではないか、そしてトヨタ自動車は創業者一族の「豊田(とよだ)」ではなく「とよた」を読みとして採用していますが、これは「会社が豊田一族のためのものであってはならない」といった理由から来ているなど、「社名にかかわる」トリビアも存在するようですね。

「軽さこそ最強」を示し近代のスポーツカー史に燦然と輝くロータス・エリーゼ。その進化と特別仕様モデル、さらにはアルピーヌやアルファロメオに与えた影響を振り返る
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【カテゴリ2】ピクトリアルマーク/オブジェクト:象徴的なモチーフに込められた意味

そして2つ目の「物体や図形をモチーフにしたエンブレム」は、ブランドの歴史や特性を表現しています。

翼のモチーフ: 1920年代から1930年代のアール・デコ期に流行し、高級感と洗練された贅沢を伝えるために使用されています。

ベントレー、アストンマーティン、モーガンなどの英国車で特に多く見られ、現代ではヒョンデのプレミアムブランド、ジェネシスも高級車としての感情を呼び起こすために翼を採用しています。※アストンマーティンの場合、正確に言うと「翼」ではなく「甲虫の翅」である

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アストンマーティンが10年ぶりにエンブレムのデザインを変更!シンプルで柔らかく、1970年代の「グリーンボックス」復活。これまでの変遷も見てみよう
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| このウイングは古代エジプトにて復活のシンボルだとされた「スカラベ(フンコロガシ)」をイメージしている 現代のウイングエンブレムが見られるようになったのは1932年から さて、アストンマーティンは昨 ...

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なお、大流行したために「コピー」「模倣」も少なくはなかったといい、ベントレーは一時それを防ぐため「左右の羽根において、羽の数を意図的に変えていた」時期もあるもよう。

【ベントレー新ロゴ発表】106年で5回目の刷新、回を重ねるごとに「翼がシャキっと」してきたな。これまでのベントレーのエンブレムはこう変わってきた
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マセラティ (Maserati) のトライデント: 創業者であるマセラティ兄弟にエンブレム作成を依頼されたマリオ・マセラティがこれをデザイン。この「トライデント」は、ローマの剣闘士やネプチューン神の象徴であり、ブランドに強さを与えつつ、イタリアらしさを表現しています。

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マセラティのエンブレムは今までに11回も変わっている。なお「トライデント(三叉の銛)」を採用することになった由来は2つの説があるそうだ
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| 自動車ブランドのエンブレムの誕生、そして変遷を追うのは実に楽しい作業である | マセラティのエンブレムにはときどき「突然変異」が混じっている さて、自動車ブランドのエンブレムには様々なストーリーが ...

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スバル (Subaru) の六連星: 5つの日本のメーカーが合併してスバルコーポレーションが設立されたことを表しており、ロゴはプレアデス星団(すばる)をモチーフとしたもの。5つの小さな星が元の企業を、大きな星がスバルコーポレーションを表しています。

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スバル
スバルのロゴに隠された意味とは?「統べる」と「スバル」とがかけられた社名、そして「六連星」が示す歴史とSTIバッジの秘密、WRブルーとは

| この六連星」を外してほしいと訴えるオーナーも少なくないとは聞いているが | スバルは実に「語るべき歴史」が多い自動車メーカーである さて、スバル車のフロントに燦然と輝くのが6連星(むつらぼし)。 ...

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シトロエン (Citroën): 2つの山形(シェブロン)は、創業者が特許を取得していたデュアルヘリカルギア(かさ歯車)の歯を表しており、同社の技術的な起源を示しています。

シトロエンが10回目のエンブレム(ロゴ)変更を発表!1919年の創業時に近いシンプルな形状へ。なお、この「へへ」はダブルヘリカルギアが由来だった
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| 基本的には2023年半ばから使用を開始するそうだが、そのプレビューとして近日発表されるコンセプトカーに表示されることになりそう | いずれのメーカーのロゴもシンプルに、そしてダイナミックなエンブレ ...

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アキュラ (Acura): 「A」の文字のように見えますが、実際には正確な測定に使用されるキャリパー(ノギス)を象徴しています。参考までに、「アキュラ」の名の由来は、英語の「Accuracy(正確さ、精密さ)」であり、このノギスはその「正確さ」を表現するひとつの視覚的メッセージなのだと思われます。

【カテゴリ3】アブストラクト:感覚(Vibes)を伝える抽象的なシンボル

抽象的なエンブレムは、一見すると特定の意味を持たないように見えますが、実はブランドの理念や歴史を深く表現しています。

シボレー (Chevy) の蝶ネクタイ: 最も有名な抽象的なロゴの一つ。共同創設者ビリー・デュラントがパリのホテルの壁紙から引き剥がして持ち帰ったパターンが起源とされていますが、公式コンテンツではいくつかの説を挙げ、しかし「実際のところはよくわからない」と述べています。

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トヨタ (Toyota): 3つの重なり合う楕円は、「顧客の心」と「トヨタ製品の心」の統合を表しているとされ、ソンブレロ(帽子)や「T」の文字にも見えます。

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トヨタ
トヨタの知られざる事実5つ。「トヨタのエンブレムに込められた意味」「最も高額で取引されたトヨタ車は3億円以上」「WRCで歴史に残る不正を行った」etc.

| トヨタはその歴史上、多くの功績を残してきたが、その背景には様々な挑戦そして挫折があった | そしてこれほど多くの話題を振りまいてきた自動車メーカーも他にない その「マルチパワートレーン」戦略の正し ...

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アウディ (Audi) の4つのリング: 1932年にアウトウニオンを形成するために合併した4つの会社を象徴しています。

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アウディが新しいエンブレムへの移行を発表!フォーリングスはそのままに「どこから見ても同じ印象となるよう、そして我々のルーツを示し、著しく現代的に」
アウディが新しいエンブレムへの移行を発表!フォーリングスはそのままに「どこから見ても同じ印象となるよう、そして我々のルーツを示し、著しく現代的に」

| 現在多くの自動車メーカーがそのエンブレムの変更を発表し、その出自の見直しと再ブランディングを行っている | 傾向としては「極力シンプルに」、そしてハイコントラストへ さて、デジタル時代が到来するに ...

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BMW のエンブレム: 青と白のパターンは、BMWの故郷であるバイエルン州の旗から取られています。回転するプロペラ説が有名ですが、これは1920年代の広告に起因する可能性が高いとされ、「プロペラ」はあくまでもあと付けであり、当初意図したものではないのだそう。

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BMWのエンブレム
ちょっと待って・・・!BMWロゴは「プロペラと空を意味してない」とBMWが公式に否定。今までボクが信じてたのは何だったの

| BMW「90年間、その通説を否定してこなかったのもまた事実だ」 | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/49897283197/in/datep ...

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メルセデス・ベンツのスリーポインテッドスター: 陸、海、空の3つのポイントを示しており、これは(メルセデス・ベンツの母体であった)ダイムラーが車、ボート、飛行機を製造していたことに由来すると言われています。

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メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツがそのエンブレム「スリーポインテッドスター」を再定義!これまでの「陸海空」を示す3本柱から「自然保護や環境」を意識した定義へ

| 現段階では、新しい「3本の柱」については具体的に示されていないが | 多くの自動車メーカーが、そのエンブレムと未来に役割について再考している さて、メルセデス・ベンツがその有名なエンブレム「スリー ...

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【カテゴリ4】アニマルズ:動物に託された強さや歴史

動物をモチーフにしたロゴは、ブランドの強さや特性を直感的に伝えるために採用され、馬や牛、鳥やライオンなど様々なエンブレムが存在し、エンブレムに動物が使用されていなくても、動物をキャクターとした起用したグッズ展開が行われるケースも少なくはないようですね。※ジムニーはその堅牢さを示すために「サイ」をイメージキャラクターに使用するなど、動物は人々に「わかりやすい」メッセージを伝える役割を担うのだと思われる

フェラーリ (Ferrari) の跳ね馬: カヴァリーノ・ランパンテ(Prancing Horse)として知られ、第一次世界大戦のイタリアの飛行士、フランチェスコ・バルカのパーソナルシンボルであったという説が最も有力ですが、いくつかの疑念も示されている「ナゾの」エンブレムの一つでもありますね。

フェラーリ296GTBのキーを「カーボンファイバー製」へ。不注意で「凹ませてしまった」キーが装い新たに復活する。ちなみに7gの軽量化に成功

フェラーリが公式にそのエンブレム誕生を語る。エンツォとミラノの芸術家によって作られ、文字の上で「馬が跳ねているように」というのはエンツォの指示だった
フェラーリが公式にそのエンブレム誕生を語る。エンツォとミラノの芸術家によって作られ、文字の上で「馬が跳ねているように」というのはエンツォの指示だった

| フェラーリが公式にエンブレムについて語るのはおそらくこれが初だと思われる | フェラーリの「馬」は現在に至るまでに「スリム」になっていた さて、フェラーリは自動車業界でもっとも印象的なエンブレムを ...

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ランボルギーニ (Lamborghini) の雄牛: 創業者フェルッチョ・ランボルギーニが牡牛座であったこと、そして闘牛が好きだったことに由来するとされ、しかしフェラーリの「馬」に対抗して力強さを示したという説も。なお、多くのモデル名(ミウラ、ディアブロなど)も雄牛にちなんでおり、そのほかモデル名のロゴ(グラフィック)など様々な場面で「牛」を感じることが可能です。

ランボルギーニ

ランボルギーニが1998年以来はじめてエンブレムを変更。文字と雄牛が大きくなってシンプルに。ちなみに今まではこういった変遷を行っている
ランボルギーニが1998年以来はじめてエンブレムを変更。文字と雄牛が大きくなってシンプルに。ちなみに今まではこういった変遷を行っている

| 新しいランボルギーニのエンブレムは「革新性と決意を体現する新たな段階へ差し掛かったことの象徴」 | 時代の変化に合わせてシンプルに、そしてもちろん「デジタル対応」 さて、現在多くの自動車メーカーや ...

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プジョー (Peugeot) のライオン: 1850年代にペッパーミルを製造していた時代にさかのぼります。当時は識字率が低かったため、名前ではなく(力強さを示す)ライオンが選ばれています。

プジョーがロゴ(エンブレム)変更を発表
プジョーがロゴ(エンブレム)変更を発表!60年代への回帰、そしてこれまでには10回のロゴ変更も。なお今後は「上級マーケットへと移行する」

| プジョーの新ロゴは力強くダイナミックな印象に | プジョーが「ブランドロゴを新しくし、上級マーケットへと移行する」と発表。プジョーは1810年設立という非常に古い会社であり、メルセデス・ベンツより ...

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ラム (Ram): 1930年代からダッジ車のフードオーナメントとして使用されており、後に雄羊(ラム)として独立ブランドへ。

シェルビー (Shelby) のコブラ: キャロル・シェルビーがAC社からボディを仕入れた際、箱を開けた従業員が元のエンブレムを気に入らなかったため、コブラをモチーフにしたロゴがデザインされたのだそう。

このほか、アバルトの「サソリ」、マスタングの「馬」、ジャガーの「ジャガー」、トヨタ・ハリアーの「チュウヒ(鷹の一種)」など様々な動物モチーフの(自動車メーカー、あるいは車種固有の)エンブレムが存在します。

【カテゴリ5】クレスト/紋章:血統とルーツの主張

紋章(クレスト)は、創業者の家柄や、ブランドが生まれた地域のルーツを示すために使用されます。

ポルシェ (Porsche): 中央の馬は、かつて馬の繁殖地であった故郷シュトゥットガルトの紋章にインスパイアされ、赤と黒のストライプと枝角は旧ドイツ領ヴュルテンベルク・ホーエンツォレルン州の紋章に由来します。なお、ポルシェは当初エンブレムを持たず、しかしアメリカのディーラーからの強いアドバイスによって現在のエンブレムを考案することになった、と伝えられています。

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ポルシェ
ポルシェが2008年以降はじめてそのエンブレムを変更!ただし他社のように「平面」ではなく立体を継続、さらに高級に

| ポルシェは新しいエンブレムとともに新しい時代へ | ポリッシュとブラシ仕上げとを組み合わせ、より高級感のあるデザインに さて、現在多くの自動車メーカーが「スマートフォンなどデジタル上での認識率向上 ...

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ケーニグセグ (Koenigsegg): 創業者クリスチャン・フォン・ケーニグセグ家の中世までさかのぼる家紋に基づいています。なお、もうひとつ同社で有名なロゴである「ゴースト」は、同社が火災に遭って拠点を失った際、倉庫を貸してくれた空軍舞台に由来することも明かされていますね。

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ケーニグセグはなぜエンブレムとは別に「ゴースト」をシンボルとして採用するのか?2003年の社屋焼失から救ってくれた空軍「F10部隊」の精神を引き継いでいる
ケーニグセグはなぜエンブレムとは別に「ゴースト」をシンボルとして採用するのか?2003年の社屋焼失から救ってくれた空軍「F10部隊」の精神を引き継いでいる

| いつの時代もクリスチャン・フォン・ケーニグセグは感謝と敬意を忘れない人である | かくしてケーニグセグは「伝説」となりうるのであろう さて、ケーニグセグのハイパーカーには「ゴースト」マークが付与さ ...

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キャデラック (Cadillac): 創業者の家紋ではなく、デトロイトの創設者アントワーヌ・ドゥ・ラ・モト・キャデラックの家紋を使用したもの。

アルファロメオ (Alfa Romeo): ロゴの半分はミラノの旗である赤い十字、もう半分はミラノの紋章に描かれているビシオーネ(大草蛇)。

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【祝・115周年】アルファロメオが特別ロゴにて伝統と革新をアピール。今年はF1チャンピオンシップ獲得からの75周年でもある
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| 115年の伝統を誇るアルファロメオ | この「大蛇に飲まれる人」は創業当初からデザインが変わっていない イタリア・ミラノで1910年に創業したアルファロメオ。元は「Anonima Lombarda ...

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アバルト (Abarth): 創業者のカルロ・アバルトが創作した紋章で、故郷モラノを表す黄色、レース色である赤、そしてサソリ(彼がサソリ座であったため)が特徴です。

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最も象徴的な自動車エンブレム ランキングTOP5

動画内で明確な優劣は示されていませんが、起源のユニークさ、デザインの普遍性、そして歴史的な重要性に基づき、特に印象的なロゴをランキング形式にまとめると以下の通り。

順位ブランド名モチーフのカテゴリー評価ポイント (出典に基づく)
1フォード (Ford)ワードマーク1927年以来ほとんど変わっておらず、ロゴの歴史の中で最高のロゴの一つに数えられる。
2ロールス・ロイス (Rolls Royce)ワードマーク/オブジェクト「スピリット・オブ・エクスタシー」は、創業者モンタギュー男爵の愛人がモデルという秘密の物語を持ち、高級車界で最もユニークで象徴的な像である。
3フェラーリ (Ferrari)アニマルズイタリアの英雄のシンボルを受け継ぎ、ランボルギーニとの競争も含め、モータースポーツの歴史そのものを体現している。
4BMWアブストラクト/クレスト回転するプロペラではないという起源(バイエルン州の旗)は、多くの人に誤解されてきた歴史を持ち、そのルーツを明確に示している。
5シボレー (Chevy)アブストラクトパリのホテルの壁紙から着想を得たという蝶ネクタイ(ボウタイ)は、抽象的な自動車ロゴの中で最も有名であり、その起源のエピソードがユニーク、あるいは「不明」という点で他に類を見ない。
フォードが「こっそり」そのエンブレムを変更。外周が二重線から一重へ、フォードの文字が大きく太く、そして文字はクロームからホワイトへ
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最新の市場動向を踏まえた考察:EV時代におけるロゴの役割

自動車業界が電気自動車(EV)への移行を進める中で、ロゴデザインにも大きな変化が見られ、これは、単なる視覚的な変更ではなく、ブランドの未来と技術的アイデンティティを再定義する動きです。

1. EVへの適応と技術的な表現:新しいEVブランド、または伝統的なブランドのEV部門のロゴは、よりクリーンでデジタルフレンドリーなデザインを志向しています。

• 例えば、ハマーはEV(Hummer EV)に合わせて、そのロゴを象徴的な7スロットグリルに合うように再設計しています。

• テスラは、ロゴが単なる文字の「T」ではなく、電動誘導モーターのローターの断面であることを示しつつも技術的な精度と革新性を訴求し、ブランドの精度へのこだわりを強調しています。

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2. 抽象的な表現による未来志向:NIO(空と地) やリビアン(コンパスの針) のように、新興EVメーカーは、動物や紋章といった過去の権威に依存せず、無限の旅路や自然との調和を意味する抽象的なシンボルを採用する傾向があります。

3. 伝統の維持とアイデンティティの課題:一方で、伝統的な高級ブランドは、その歴史的重み(ヘリテージ)をロゴによって維持することに価値を置いています。ロールス・ロイスの「スピリット・オブ・エクスタシー」やフェラーリの「跳ね馬」は、そのロゴに付随する物語が製品の価格とブランド価値を支えており、安易な「二次元ロゴへの変換」といったトレンドに追随することは、そのブランド価値を毀損することとなるのかもしれません。

フェラーリ

現在多くの自動車メーカーが「新しい時代」へと対応するためにロゴやエンブレムを刷新していますが、この再設計は必ずしも成功するとは限らず、たとえば最新のキアのロゴは「手書きのサイン」を意図したものの、一部の消費者からは「KN」と読めるという指摘があり、ロゴ更新が意図した効果を発揮しないケースもあるもよう。

現代の自動車ロゴは、伝統的なルーツ(例えばポルシェやBMWの地域に根差した紋章)を保ちつつ、EV時代に求められるクリーンで未来的なデザイン、そしてデジタル環境での視認性という複雑な要求に応える必要に迫られていると言えそうですね。

自動車メーカーのエンブレムについて考察する動画はこちら

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参照:Speeed(Youtube)

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