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【まとめ】ポルシェ981ボクスター。納車され実際に所有してみた感想や印象など(2)

2013/12/18

これまでからの大きな変更点。ポルシェ981ボクスターのサイドエアインテーク

boxster

981ボクスターになってからの、外観上のもっとも大きな変化は「サイドインテーク」だとぼくは考えています。
911と大きく差別化された点でもあり、ボクスター(とケイマン)のみが持つ、911との識別点となっています。
987世代のようにリアフェンダーにインテークを設けるだけではなく、ドアそのものも911とは異なるものを用いており、ここまで大きな差別化は986/987世代を通じて初めてだと思います。

ほかでは横から見たときに今まで「水平基調」だったラインがウエッジシェイプを持つようになったこと、サイドシルがボディ内側に巻かれるように入ってゆくのではなk、そのままストンと垂直に地面に向かって落ちていること、リヤウイングの形状がテールランプと一体化したこと、ドアミラーがドアスキンマウントになったこと、ヘッドライト形状が変わったこと、そして長く、低くなったこと。
一つ一つを見ると大きな変更点ではないと思いますが、それらがくみ合わさることで、986・987世代と比べて相応の外観上の差異を持つに至ったと思います。
前後フェンダーの峰から内側に入ったところにプレスラインが設けられたことも特徴で、今までポルシェはこういったエッジを持たず、またこれは911にも無いボクスターの大きな特徴だと、ぼくは考えています。

 


なかなか見ることが無い?上から見たボクスターの画像

 

ポルシェ・ボクスターの上から見た画像。ちょうど2Fくらいの位置からの撮影です。

いつも乗っている車であっても、ちょっと視点が変わっただけでずいぶん斬新に見えるのが不思議ですね。

小さな変更。ポルシェ981ボクスターの給油口について

ボクスターの給油口ですが、987世代までの開閉方式から変わり、プッシュオープン式に(指で押して開ける)。

今までは給油口フラップのフロント側を押してフラップ本体を持ち上げていたのですが、より操作が軽快になりました。
閉じるときはとくにプッシュする必要は無く、フラップを倒すだけで閉じることが出来ます。

なお、ぼくは986〜997ではアルミ製のフューエルフィラーキャップを使用していたのですが、981ではキャップが小さくなっており、使用することが出来ないようです(品番も異なる)。

頻繁に給油を行うのでできれば給油時の満足度を得たく、981(991)用のアルミフューエルフィラーキャップも購入したいと考えています(今後乗り換えた時も使えるかもしれない)。

このキャップ、類似製品がYahoo!オークションでも出回っているようですね。

ポルシェ981ボクスターの冷却性能についての考察

981ボクスターのフロントエアインテークについて、「センター」は蓋で覆われています。

これは997カレラでも同じでしたが、「S」モデルになると、ここにセンターラジエターが配置され、蓋が無くなって実際に機能することになります。
なお、986ボクスターでは通常モデル、Sともにこの部分は貫通していましたが、S、のみにセンターラジエターが備わっていました。

要するに排気量と出力が大きなモデルになると、そのぶん発熱も大きく、その対策として左右にプラスされてセンターラジエターが付加される、という ことです。

ただし、981ボクスターでは「S」モデルでもこの蓋が覆われたまま。
しかしながら、ケイマンに対するケイマン「S」ではこの蓋が無くなり、センターラジエターが配置されます。

981ボクスターにおいても、従来に比べてSモデルの出力は向上しており、発熱も増えているはずですが、それでもセンターラジエターを設置してい ない、ということは「左右ラジエターの容量が増加している」ということなのだと思います。
そして、ケイマンSは左右ラジエターではカバーできない熱を発生させる、ということですね。

なお、ボクスターはミドシップですのでエンジンが車体中央にあり、かつ上も下もぴっちりとカバーされたような状態です。
フロントエンジンで小排気量車のようにエンジンルームがスカスカではなく、風すらも通る余地がないように見え、つまり冷却は完全にラジエターに依 存していると推測します。

逆に考えると、「風」という走行環境や気温に大きく依存する不確定要素を配することで冷却に対する確実性を増すことが出来たとも言え、そして実際 のところボクスターは非常にすぐれたクーリングシステムを持ち、水温や油温の管理を完璧に行っているようです。

今となっては珍しい部類ではありませんが、国産スポーツがオーバーヒートやオーバークールなどを発生させていた時代にも、986ボクスターはその パッケージングにもかかわらず優秀なクーリングを行っており(水温計が壊れているんじゃないかと思うほど水温が安定している)、986ボクスター購入当時に非常に感心した記憶があります。

ポルシェ981ボクスターのレンズ類の形状について考える

981ボクスターのレンズ類。
パっと見はあまり気付きませんが、981ボクスターのレンズ類はバブル状に盛り上がっています(横から見るとよく分かる)。

ヘッドライトやデイライトユニットも3D形状ですね。
こういった小さな部分まで考えられるようになったのは、(ポルシェというブランドにおいて)驚くべきことだと考えています。

同時に、自動車設計技術の進歩は大したものだなあ、とも思う今日この頃です。

ポルシェ981ボクスターの新機能、アイドリングストップについて

981ボクスターにはアイドリングストップが装備されます。
ぼくは以外とエコドライブ派なのでアイドリングストップが作動するように(カットスイッチを使用せずに)しているのですが、ときたま困ることも。

たとえば発券機の前で停車したときにアイドルストップが発動してエンジンが停止し、そのときにドアを開けると、そのままエンジンが「停止したまま」になり、次に始動させようとすると、いったんキーをオフにして、それからまたキーを捻ってエンジンを始動させる必要があります。

ほかにも渋滞時に「止まっては動く」ような状況の際、エンジンが停止したり再始動したり、というのはけっこう鬱陶しいですね。

なお、アイドリングストップしていない状態でドアを開けてもエンジンは「完停止」しないので、「アイドルストップ状態で、なおかつドアを開けた とき」という条件においてエンジンが完停止する模様。

アイドリングストップはコンソール上のスイッチで停止することもできますが、コーディングによって「デフォルトをアイドリングストップ停止」にすることもできるようですね。

けっこう余裕。ポルシェ981ボクスターの室内(頭上スペース)について

981ボクスターでは、シートポジションが下がったのか、(幌を閉じていても)頭上にけっこうな余裕があります。
ぼくが座ると拳1個半くらいは開いていますね。

画像ではわかりやすくトップを開けていますが、頭はだいたいシートのてっぺんくらいの位置まで来ますので、そこから上は「空きスペース」です。
トップを閉じるとロールバーギリギリくらいのところに被さりますが、それでもトップはバブル状になっているので、かなり上の空間は広いイメージです。

997カレラでも同様の印象を受け、たしかシートポジションが下がった、というような公式発表があったように記憶しているので、997/987世 代から全体的に下がっている(ぼくは987ボクスターを所有する機会がなかったのでわからない)、もしくは981世代でさらに下がったのかもしれ ません。

ポルシェはパッケージングにはかなりこだわっていて、低重心化やロールセンターの適正化についてかなりの注意を払っています。
そのため、シートは(運転席、パッセンジャーとも)中央によっていますし、シート位置も限界まで低くなっていますね。

なお、頭上に余裕があるのは、サーキット走行を考えていて「ヘルメット分のスペースを空けている」のかもしれない、と考えたりします。

ポルシェ981ボクスターの新機能、「コースティング」について考える

981ボクスター世代になってから、「コースティング(PDK)」を多用することで燃費を稼ぐようになりました。

コースティングを行うと、思うように減速できない(エンジンブレーキが使えない)という懸念があったのですが、コースティングの作動には一定のロジックがあるようですね(なんでもかんでもクラッチを切り離すわけではない)。

下り坂においては、アクセル開度一定状態からアクセルオフ、という状態ではコースティングが発生しないようです(下り坂なのでエンジンブレーキを作動させると判断?)。

一方、同じ下り坂においても、アクセルをちょっと踏み込んでから離すと、コースティングが作動します(エンジンブレーキ不要な状況と判断?)。
ほかの状況においても、気付く事があれば改めてUPしようと思います。

なお、コースティングは右パドルを2回手前に引くことでも強制的に発動できます(速度が一定以下だと発動しない)。

993へのオマージュ?意外な類似点もあったポルシェ981ボクスターのドアミラー

981ボクスターのドアミラーの形状についても、いままでのポルシェに比べると変化が。
ドアスキンマウントになったことはもちろんですが、雨水を流す溝や、ミラー下部に設けられたフラップ?のようなものが設けられ、これもVWやアウディによく見られる構造です。

以前、現行シロッコが発表になったとき、デザイナーのワルター・デ・シルヴァ氏が、シロッコのドアミラーをして「デザインとテクノロジーの結晶」というようなことを言っていたと思いますが、氏がグループのチーフデザイナーとなったことで、ポルシェにも同様の構造・デザインが採用されるに至ったものと思われます。

なお、ミラー面の形状について、先日たまたま993と並んだ時に気づいたのですが、とてもよく似た形状でした。
もしかすると、これも993など歴史に対するオマージュなのかもしれませんね。

こんなところまでが現代風に・・・。ポルシェ981ボクスターのドアポケットについて

ポルシェ981ボクスターのドアポケット内側。
カーペット地が貼られていますが、これは今までのポルシェで は考えにくい心遣いです。
VWアウディの車は以前からこのような仕様ですが、これも会社併合によってポルシェが影響もしくは恩恵を受けた部 分かもですね。

なお、ドアポケットは2つに別れており、後方のポケットは開閉式になっているなど、かなり収納に力を入れていることがわかります。

987ボクスターから変更された部分。ポルシェ981ボクスターの幌(ソフトトップ)について

981ボクスターより、ルーフ(幌)の一部について、その内側というか幌の中身が樹脂製になっていますね。
911(991)カブリオレではほぼ すべてがハードシェル+クロス貼りになっているかと思いますが、
981ボクスターでは前半1/3程度と、リヤウインドウの前側がハードシェル+クロス張りに。

これによって高速走行時の幌の膨張も少なくなると思われますが、なにより防犯性が多少でも向上するのがありがたいと思います。

なお、981ボクスターより、手動の ロック・アンロック作業も不要となり、幌のオープン・クローズが「完全自動」になりました。
これにより、車外からでもオープン・ クローズを(リモコンキーで)コントロールすることが可能となったわけです。

走行中においては時速50キロまで幌 の開閉ができ、そのときの作動音もずいぶん静かになりました。
ぼくが乗っていた986ボクスター、 しかも前期の「停車時でないと幌の開閉が出来ない、幌をたたむときはいったん幌開閉の動作を中止して、車から降りてリヤウインドウをチョップする必要がある(アクリルウインドウなので、シワにならないよう)、作動音がうるさい、開閉に時間がかかる、手動でロック・アンロックを行う必要がある」というとこ ろからすると、まさに隔世の感があります(それもそのはず、986登場から981登場まで15年ほど経過しているので)。

実際のところ、走行中の幌の開閉はかなり便利で、渋滞して周囲がうるさかったり排ガ スが臭い、しかし微妙に流れが進んでいるので停車して幌を閉じることが出来ない、という事態がなくなるわけです。

どう変わった?ポルシェ981ボクスターとコストダウンについての考察

 

ボクスターが987から981になって、一部コストダウンされたところも見えるようになりました。
パっと見て分かるのは、幌とウインドウ部分の接合部で、これまでここには樹脂製のパネルのようなものがあったのですね。
981ボクスターでは、この樹脂パネルが廃されていて、そのまま受け取るとコストダウン、ということになります。
ですが、さすがポルシェ、と思うところは、今まではその樹脂製のパーツが「雨どい」の役割を果たしていたのですが、今回からは幌(生地)の一部を盛り上がらせることで、おなじ「雨どい」の役割を持たせていること。

部品は少なくなっていますが、同じ機能を果たせているわけですね。
かつ、これによって部品点数が減り、部品調達コストが下がる、組み立て時の間違いが減る、オーナーにとっては部品点数が1個減ったことでメン テナンスや破損時の手間/コストが下がる、構造が簡素化されてトラブルが減る、という効果も期待できるわけです。

車は単に「凝った」ものを作れば良いものではなく、「奇抜な」「他にない」ものを作れば良いものでもありません。
機能し、その機能が持続できること、そしてそれにはより安価なコストでその機能を再現/実現できることがメーカー、オーナーにとって望ましいわけです。

新しいことを行えばそのぶん投資も必要で、リスクも増えます。
ポルシェの場合、既存技術や素材、構造をとことんまで追求するという方針がありますが、この幌も「進化形」なのだとぼくは考えています。

コストダウンというと悪い意味にばかり捉えられますが、コストを下げて皆が得をする、というのがポルシェの手法であり、こういったところは 「さすがポルシェ」と思わせる部分です。

981ボクスターには感心させられるところが多く、随時アップしてゆきたいと思います。

ポルシェ981ボクスターのソフトトップメンテナンス(その後)

981ボクスターの幌にソフトトップのメンテナンス剤を塗布し、しばらく使用した印象ですが、「別にメンテナンス剤は無くてもいいんじゃないか」という結論にいたりました。

雨の降り始めには水滴が水玉になってころころと流れ落ちますが、 しばらく降り続けると、やはり繊維の間に水分が入り、幌がべったりと濡れてしまいますね。

今回のボクスターの使用環境において、ぼくは雨の中でも走った り、雨の中でも放置しますので、そうなると雨がしばらく降り続けると「塗布していてもしていなくても同じ」結果にはなります。

であれば、同じ金額を使用するのであれば、もうちょっと別の何かの方がいいんじゃないか、と考えたりするわけ です。
ただし、雨の中を走行しない使用環境の場合は、洗車を楽にしてくれたりという側面があるので、非常に有用かと思います。

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