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| BMWは過去にないほどの「大幅な変革」を計画している |
BMW、販売低迷を理由に3モデルを「ノイエ・クラッセ」時代前に廃止
新しいBMW iX3の登場は、単なるSUVの発表以上のものを意味しており、というのも「2027年までに40車種もの新型またはフェイスリフトモデルを展開する、BMWの「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse、新世代)」時代の幕開けを告げる存在」だから。
しかし、この大規模な刷新の中ですべてのモデルが生き残り、あるいはノイエクラッセプラットフォームにへと刷新されるわけではなく、いくつかのモデルが「廃止」されることが明らかに。
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そしてその「3つ」とは、長年にわたり販売されてきたX4、8シリーズであり、これらが「後継モデルなくして段階的に販売が終了する」ことが報じられています。
これら3モデルはすべて(偶然にも)2018年に登場したものの、販売台数が少なく、将来的な後継モデルの開発を正当化するには至らないというのがその理由であるようですね。
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1. X4:内燃機関モデルは生産終了へ
クーペSUVであるX4の現行世代は2018年に登場し、2021年にフェイスリフトを受けています。
しかし、その兄弟モデルであるX3が2024年に新型に移行したのに対し、BMWは内燃機関搭載のクーペSUV版を開発しないことを選択しており、この決定が事実上X4の運命を決定づけていると考えてよく、より小型のX2が間接的な後継車の役割を担うことに。
ただし完全電動モデルのiX4がiX3と同じノイエ・クラッセ・プラットフォームで登場する可能性は噂され、X4とは異なる形で生き延びることになるのかもしれません。
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ガソリンモデルはすでに生産終了
BMWの広報担当者が『Auto Motor Und Sport』誌に語ったところによると、X4のガソリンエンジンモデルは2025年9月30日をもって生産が終了してるそうで、現在、本国ドイツのコンフィギュレーターではディーゼルモデルのみが選択可能となっており、これらのディーゼルモデルも2025年11月に生産を終了する予定であると報じられています。
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2. 8シリーズ:フラッグシップクーペの最後の走行へ
もう一つの廃止対象は、静かにコンフィギュレーターを通じて確認されたフラッグシップモデル、8シリーズです。
2018年に発売されたこのモデルは、2022年に軽い刷新を受けましたが、ラインナップ全体としては販売台数が伸び悩んでおり、これまでにも幾度となく「廃止」が報じられているのは記憶に新しいところ。
2ドアクーペ、カブリオレ、そして4ドアのグランクーペ、それらのMモデルが提供されていたものの、購入者の大半を占めていたのはグランクーペだそうで、BMWは最近、世界限定500台の「M850i Edition M Heritage」を発表しており、これが8シリーズの最終的な”最終記念モデル”となる可能性が高いと見られています。
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BMWは次世代の可能性について言及しておらず、これにより現行ラインナップに残るクーペモデルは2シリーズと4シリーズのみとなり、しかしメルセデスAMG GT、AMG SLに対抗しうるハイパフォーマンスカーの投入を期待したいところでもありますね。
3. Z4:BMWはロードスターセグメントから一時撤退か
最後に、廃止が予定されている3番目のモデルは、2シーターロードスターのZ4。
Z4は、sDrive30iとM40iという形で2026年モデルまで米国とヨーロッパで販売が続けられますが、生産自体はオーストリアのマグナ・シュタイヤー工場で2026年春に終了する予定です(工場との契約があり、その契約終了に伴って製造・販売も終了する)。
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廃止の決定打は「販売台数の低迷」
驚くことではありませんが、この3つの廃止予定モデルはいずれも販売台数が伸び悩んでいて、2025年1月から8月の間にドイツ国内で販売されたのはX4が1,916台、8シリーズが659台、Z4が2,613台にとどまるのみ。
これらを合わせても、同期間に同国で販売された16万台以上のBMW車全体に比較して「あまりにも小さい数字」であり、販売が終了するのも「やむなし」ということがわかりますね。
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参照:CARSCOOPS