以前に所有していた日産パオ。
日産が一年だけ受注を受付け、集まった数だけ製造するという変わった手法を取った限定車。
納車は平成元年からはじまっています。
当時のマーチ(ラリーにも参戦していた。スーパーチャージャーとターボをドッキングさせた”スーパーターボ”なる過激な車もある)をベースに外装をルノー・キャトル風に架装したものです。
応力を受けない部分の外板はFRPで出来ており、そのため重量は730キロしかなく(当時の車は皆軽かった)、出力は70馬力ほど。
意外と運動性能については不満がなく、軽いこともあってキビキビ走った車でした。
分解が容易で、簡単にドア内張りやリアウインドウなどを外せたので、自分で分解してオーディのインストール、フィルム貼りなどを行ったりしましたが、プラモデルのように楽しめた車です。
ぼくの車はキャンバストップでしたが、晩年はこれが縮んできて雨の日は盛大に水が中に入る(なのでタオルを隙間に詰めていた)、そのため室内に湿度がこもってキノコのようなものが生える(松茸のような香りだった)、もともと隙間風が入るのでスポンジを隙間に貼る、など色々ありましたが、それなりに楽しく乗ることが出来、今でも大好きな車のひとつです。
なおエンジンはキャブ仕様なので冬場は結構気を使います。
エンジンが暖まっていない状態でステアリングを切るとすぐにエンジンが停止しましたし、何が車やエンジンに負荷がかかるのか、を学べた車でもありました。
なお、供給できないパーツもあったのでリビルト品や流用で補修したり、色々と整備に出しましたが、出した先の技術によって車の調子が天と地ほど変わることも痛感し、整備そして技術、ショップ選びの重要さにも理解が及びました。
非力でしたが、非力だからこそ地形を利用して加速したり、エンジンの出力を最大限に引き出すためにはどう走るか、ということをぼくに教えてくれた車です。
日産パオは愛好者も多く、専門店も未だ存在するほどですが、今でもパオを見かけると、なんだか優しい気持ちになります。
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